【22話】ペアダンス!?
暑い、暑すぎる!
上半身裸で執筆しています。
自分の体育祭でもペアダンスがあったんですけど、コロナで中止になったんですよね
残念、残念
ブックマーク、評価、感想待ってます。
リレーのメンバーが確定した後も、次々と体育祭の種目が決まっていく。
初めは、体育委員である大久保と鈴華が仕切って話し合いをしていたが、その後は男女で別れて種目の話し合いが行われた。
圭人、花菜、鈴華、そして大久保とクラスカースト上位による俺を体育祭に積極的に参加させようとする同盟により、当初玉入れだけ出て、体育祭をサボろうとした俺の策略が完全に崩壊した。
結果的に、俺は体力測定の数値から学年対抗リレー、騎馬戦にじゃんけんで負けて借り物競争にも出る羽目になってしまった。
今年の体育祭は強制参加になりそうだな。
玉入れや綱引きと違ってリレーや騎馬戦はサボればすぐにバレるし、下位順位になれば非難の的になるだろう。
それぐらいこのクラスは体育祭に気合が入っている。
ほんと、高校生はどうしてこういう行事やイベントに乗り気なんだろうな。
俺にとっては時間の無駄でしかない。このようなイベントを青春の一ページだとか言って将来のことを考えることを放棄し、今楽しむことだけを優先してしまう。
俺には考えられないことだ。
俺は常に現実に向き合い、将来を見据える。すべては良い将来を目指すためだ。
まぁ、決まったものは仕方ない。観念して今年は体育祭に参加するか。
中間テストが近いから、体育祭以外の日は勉強に時間を費やすぞ。
体育祭は勉強の息抜きとして割り切るか。
「それと決まった種目ごとでこれから体育祭までの二週間、放課後に集まって練習するつもりなのでよろしく」
前言撤回。
体育祭はクソだ。
まさかこれから二週間放課後毎日拘束されるのか、勉強する時間が全然ないじゃないか
部活動を理由に休めるが、一週間前からは部活動もなくなるので、その言い訳も通じない。
どうやってサボるか思案していると、両肩にそっと手を置かれた。
「一真、サボっちゃだめだからね。放課後は俺と一緒にリレーと騎馬戦の練習だ」
「工藤、笹原のやつをサボらせるなよ。体育祭で勝つためには練習あるのみ。こいつはすぐにさぼって勉強しようとするからな」
両隣から圭人と鈴華が迫って、ものすごい圧をかけてくる。
これは逃げれないな
「了解したよ、氷織さん。お互いリレー頑張ろうね」
「男女混合リレーは私と工藤で一位取るから、学年対抗も一位取れよ。取れなかったらわかってるよね」
女の子ながら、拳をならす鈴華。
絶対俺より力あるなコイツ。まぁ、脳筋なのだから仕方ない。
「分かりました。まだ死にたくないので頑張りますよ」
「そう、ならいい。工藤、笹原の監視よろしく」
「任されました」
俺の悲しい体育祭が決定してしまった。
男女それぞれ体育祭の種目が決定して、体育委員の大久保と鈴華が再び教壇に立って、司会を始める。
クラスメイトは席に戻る。
「それじゃあ、種目が決まったことだし、ここで終わりにしたいんだけど、実はまだ決めることがあるんだ」
「みんな毎年三年生が行っているペアダンスは知っているよね」
もちろんというように全員が首を縦に振る。
ペアダンス。
毎年三年生が昼休憩の前後に行うダンスイベントだ。
男女がそれぞれペアを組み、音楽に合わせてダンスをする。
音楽は事前に委員会が赤組、白組それぞれ決めて、それに合わせた振付を練習するようになっている。
このイベントはカップルイベントと言われて、人気のあるイベントだ。
男女のペアは申告制で男女どちらから誘ってもいい。この誘いは事実上の告白のようなものであり、放課後、長い時間男女のペアで練習するため、多くのカップルができる。
もし、赤組白組に彼氏彼女が分かれてしまった場合は申請することで、どちらかの組に入れて彼氏彼女一緒に踊れるという意外と緩い競技なのだ。
まぁ、この競技は体育祭の採点外の競技だしな。
三年生になるとこのイベントに強制参加となる。二年生同士や一年同士は参加できないが、三年生が後輩を誘う形なら大丈夫なのだそうだ。
リア充にとっては最高のイベントだが、俺みたいなぼっちや陰キャにとっては最悪のイベントでしかない。
ぼっちや陰キャには異性の女性に話しかけるのも苦手で、その上ダンスに誘うなど不可能に近い。
それにこの学校では、男女に比率がわずかに男子の方が多く、必然と余ってしまうため、男同士で組むことになる。
何が悲しくて、男同士で踊らなければならないのか。
来年はさらに憂鬱な体育祭になりそうだな。
「そのペアダンスなんだけど、僕たち白組は赤組に彼氏彼女がいて赤組でダンスする人が多数いるため、人数不足になったらしいんだ」
「そこで二年生から何人かペアダンスに協力することになったんだ。このクラスから3ペア出ることになったんだけど出たい人いますか?ちなみに体育委員は出ることが決まっているので、他に2ペア誰か出ますか?」
誰も手を上げない。
そりゃあ、いきなりペアダンス出るとか決めらんないしな。
「はーい、私出たいです!」
そんな中、花菜が勢いよく手を挙げて参加を表明する。
それに伴って、クラスの男たちの目がぎらつく。
「それじゃあ、朝比奈さんとペア組みたい人は」
大久保が言い切る前に、
「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」
と次々に男どもから手が挙がる、
学校のアイドルの花菜とペアダンス踊れる機会なんてそうそうない。
男どもが躍起になるのも仕方ないな。
そんな男どもの圧を受けながら、大久保が司会を続ける。
「朝比奈さんは誰と組みたいとかある?」
「私はカズと組みたいなあ♪」
可愛らしい笑みを俺に向けてくる花菜。
男どもの殺気のこもった視線が一斉に俺に向く。
花菜め!爆弾発言しやがって!
ただでさえ、一緒に登下校してるから付き合っているのかと勘繰られるし、疎まれているのに、更にペアダンスなんて踊ったら、俺は確実に殺されるだろう。
そう、男どもの目が訴えている。
これも花菜の計算通り。
今もクラスメイトにバレないように、俺にだけ小悪魔的な笑みを浮かべて、この状態を楽しんでやがる!
「いや、俺はパスで」
すぐさま断って、男どもの視線の拘束から逃れる。
「そうか、じゃあどうするか?」
「俺がやろうか?」
立候補したのは俺の前の席の圭人だ。
「花菜と同じクラス委員だしね。もちろん花菜が良かったらだけど」
「もちろん、圭人よろしくね」
「それじゃあ、朝比奈さんと工藤君で一組は決定で」
反対の声は上がらない。
圭人も花菜と同様でクラスの人気者であり、お似合いっちゃあお似合いだが、
俺にだけはあんなに男どもの反対があったのに、圭人に対してほとんどないのはムカつくなあ。
「それであと一組いませんか?」
先ほどの喧騒が嘘のように静まり返り、沈黙が続く。
数秒経った後、
「誰もやらないなら私がやります」
立候補したのは黒瀬だった。
あいつの性格的にペアダンスに参加したいというより、誰もやりたがらないから代わりに私がやってやるということなのだろう。
「それじゃあ、黒瀬さんで女子は決定で。男子はやりたい人いますか?」
またもや教室が静まり返る。
正直黒瀬は容姿はとても優れていて人気があるのだが、その正義感の強い性格から男子には少し苦手に思われている。
黒瀬自身も男子には少し当たりが強いため毛嫌いされている。
さっきの花菜とは打って違い、沈黙が続く、
黒瀬、ご愁傷さまです。
「じゃあ、笹原はどうだ?」
いきなり話を俺に振ってきた鈴華。
「どうして笹原君なんだい?」
「だって、私たちは体育委員同士だし、花菜たちもクラス委員同士だし、黒瀬と同じ風紀委員の笹原が適任じゃないかなって」
「なるほど」
なるほど、じゃない!
大久保騙されるな、鈴華は俺に嫌がらせをしたいだけだ。
なんかクラスメイトも納得し始めてるし。
俺は黒瀬とペアダンスなんてまっぴらごめんだ!
「黒瀬さんはどう?」
黒瀬、断れ!
お前も俺と一緒とか嫌だろ!
「私は笹原君でも構いませんが」
なんだと!?
「それじゃあ決まりで」
「ちょっと待って俺の意思は?」
「もうみんな納得しちゃったしね、それじゃあ黒瀬さん笹原君頑張ってね」
クラスメイトが拍手で歓迎する。
悲しい体育祭がさらに憂鬱になった瞬間だった。




