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現実主義者の俺が青春ラブコメに巻き込まれる  作者: 小西 悠人
いじめられっ子吉田拓郎
20/91

【17話】作戦三日目(上)

久しぶりの投稿ですいません。


今日はもう一話投稿するつもりなのでぜひ見てください


今後はしっかり投稿続けるのでよろしくお願いします


感想、評価、ブックマーク待ってまーす


 水曜日になった。


 吉田は相変わらず、アニメ好きの同じ趣味である阿部と朝から自分の席の近くで話していた。


 一昨日、昨日と二人で会話をし、コミュニケーションをすることで趣味や会話のテンポが合い、放課後一緒に遊びに行くぐらい仲良くなったようだ。


 吉田はいろんな人と話して、コミュニケーションの経験値を積み、もう、自分がコミュ障と思うことはないだろう。


 コミュ障とは、ただコミュニケーションの経験値がなく、チャレンジする勇気がないだけなのだ。


 もちろん、趣味や話が合わず、会話が続かない人がいるかもしれない。それは当たり前なのだ。人はそれぞれ違う個性を持ち、性格も違うのだから。


 だけど、その人を否定してはいけない。どんなに自分に合わない人でも尊重しなければならない。


 人によって見える景色が違うのだ。それぞれの人にそれぞれの世界がある。


 だから、このことで悩んでる人がいれば、怖くても一歩踏み出してほしい。簡単に世界は変わるから。


 

 この二日間で、吉田と阿部は俺と圭人のような親友になるだろう。


 こうして、二日でいじめをやめさせる条件の一つ、吉田のクラス内でのコミュニティの作成が小さいながら達成した。



 そして、今日は二つ目の条件、吉田のキャラの周知の作戦を実行する。


 

 一、二限を終えて、次の三、四限は選択授業だ。


 「早くいこーよ」

 「今度の歌のテストだるくな~い」

 「もう作品作り終わった?」


 クラスメイトが次の選択授業のため教室を移動する。


 この学校では、選択の芸術の授業があり、美術、音楽、書道の三つから一つを選択する。


 俺は、美術選択で、花菜と吉田も同じ美術選択だ。


 ちなみに圭人は書道で、黒瀬と鈴華は音楽だ。


 効率的に学校生活を送る俺が選ぶのは美術の授業だ。


 なぜなら、美術の授業では明確な成績を決める判断基準が存在しないからだ。


 音楽では、歌の上手さ、楽器の扱い、音程にあっているか、書道では、筆の使い方、字の上手さという明確な基準が存在する。つまり、その人が持つ技術が成績を左右する。


 音楽や書道の技術は日常の生活では身に着きづらい。楽器教室や書道教室など通っていないと身に着かないスキルだ。


 それに比べて、美術は色の使い方、筆の使い分けなどは多少考慮されるが、ほとんどは先生の感性によって成績が決定する。


 ある画家は「美術に正解はない」と言った。そう、美術に正解はないのだから、作品を見て良いか悪いかを客観的に明確な基準を持って判断するのは不可能なのだ。


 ぶっちゃけ俺は、ピカソやモネの絵を良いと思わない。吉田の書くイラストの方がよっぽどよく見える。


 しかし、それでも先生は生徒の作品を評価し、成績をつけなければならないのだ。


 だから、先生が評価する基準は授業態度、期限内の作品の完成、ある程度の完成度、それに加え、先生の感性だ。


 この基準は技術云々ではなく、しっかり真面目に授業に取り組めば、好成績を取れる教科なのだ。


 さらに、早く作品が完成すれば、残った時間は自習に当てられ、勉強時間も確保できるという高物件だ。


 こんなに都合のいい教科は他にない。俺みたいに効率よく学校生活を送りたい人にはおススメだ。


 とまあ、ここまで美術の授業の素晴らしさを力説してきたが、本題に戻ろう。


 二つ目の条件、吉田のキャラの周知の作戦を実行する。



 予鈴が鳴り、美術の時間が始まった。選択の授業は二つのクラスの合同で行われる。


 席は基本的に自由で自然と男女で席が別れる。花菜は真ん中の位置に座っていて、周りの友人と男女問わず楽しそうに会話を弾ませている。


 阿部は、他クラスの同じ美術部の人と前の座席に座っている。


 俺と吉田はいつものことながら目立たないように後ろの端の席に腰を下ろして淡々と作品を仕上げている。


 今日の授業は今学期で二回目で、自分の好きな絵を書くというなんとも簡単な授業だ。しかも、前回、今回、次回と合わせて6時間の間に作品を完成させれば後は自由というご褒美的な授業だ。


 俺はすでに下絵を完成させているから、あとは色を塗って終わり。今日中には終わりそうだ。そうすれば来週の美術の時間は勉強に当てることができる。


 ちなみに俺が書いているのは風景画。渡月橋だ。美術の先生は京都が好きらしく、なんども旅行で京都を観光しているらしい。


 成績を上げるためにも先生の好みに合わせるのが俺のスタイルだ。


 ちらっと、隣の吉田の方に目をやり、何を書いているのか見てみると誰かわからないが人が描かれていたのが見えた。

 

 「吉田は何を書いているんだ?」


 「えっと、僕は友崎(ともざき)くんを書いてるよ」


 「友崎?」


 「うん、ライトノベルのキャラクターでアニメ化もしてる作品だよ」


 吉田が描いているのは「陰キャラ友崎(ともざき)くん」というラノベ作品で陰キャナ主人公友崎が陽キャのヒロインに育成されて、陽キャになりあがってく物語らしい。


 なんどか、そのラノベに従って行動しようとしたが上手くいかなかったらしい。


 そりゃあそうだ。だって吉田には導いてくれるヒロインがいないのだから。


 なら、そのヒロインの役俺が担ってやる。


 「今日でどこまで終わりそうだ?」


 「うーん?下絵はとりあえず終わってるから簡単な色付けは終わりそう」


 「オッケー、了解。作戦通りで頼むよ」


 「うん、わかった」


 俺は昨日の夜簡単に今日の作戦のことを伝えていた。


 現在、吉田は少しながら、クラスというネットワークに参入することができた。


 しかし、それだけでは吉田と言葉を交わす数人しか吉田のことを認知していない状況である。


 クラスメイトに自分のことを知ってもらうためにキャラを確立する必要がある。


 今日はそのための作戦だ。


 三限が終了し、休み時間に入る。


 多くの生徒が席を外し、仲のいい友達と集まって楽しく会話を始める。授業中も作業を片手間に話していたのによく喋るもんだなあと感心しながら、俺は美術室を出て、階段の踊り場に向かう。


 美術の休み時間は生徒の喧騒でうるさいため、こうして静かな場所で本を読むか、イヤホンをしながら作業に取り組んでいる。


 踊り場に着くとすでに先客がいた。


 「花菜待たせたね」


 俺が花菜を休み時間に呼んでいた。花菜はいつも友達に囲まれているため、こうして二人で話すために踊り場に呼んでいた。


 「ぜんぜん、いいから早く打合せしよう」


 10分の短い休み時間に四限の簡単な打ち合わせをした。


 「という感じでよろしく」


 「了解しましたー!」


 そんな可愛いく敬礼なポーズをとり、美術室に戻っていく。


 さぁ、作戦を始めよう

 

 


 

 

 


 

 

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