【16話】作戦二日目(上)
二日ぶりですいません。
今日は頑張ってもう一話投稿するつもりです。
遅くなるかもしれないですけど、ぜひ見て行ってください
感想、評価、ブックマーク待ってまーす
火曜日になった。
今日は、昨日と違い俺は吉田と登校せず、いつもどおり花菜と登校している。
一応、吉田に「今日も一緒に行くか」ラインでと聞くと、「いや、自分一人で頑張ってみる」という。
昨日の一日で自信をつけたのだろう。
今まで、自分は陰キャで他人とコミュニケーションをとることなんて不可、そんなことを考えていただろう。
実際、多くの陰キャは自分のことをそう思い自分からコミュニケーションを取ろうとしない。
だが、それは違う。
コミュニケーション能力は先天的な才能ではない。後天的で、練習次第で伸ばせる能力なんだ。
コミュニケーションとは相手を知り、自分を知ってもらう作業である。
誰もが初めは相手を知らないし、自分も知られていない。だからこそ、コミュニケーションを行って、相手を理解し、自分を知ってもらうのだ。
そうやって、コミュニケーション能力は伸びていく。そして、色んな人と繋がることができる。
はなから、自分にはコミュ力が無いと否定し、一人でいることが間違いなのだ。
例え、話すのが苦手でも、共通の話題がなくても、チャレンジして話しかけるべきなのだ。そうして、相手を知り、自分を知ってもらうのだ。それが、コミュニケーションの始まりである。
吉田は、そのはじめの一歩を踏み出し、コミュニケーションとは何かを知ることができたのだろう。
これからも、どんどん相手を知り、自分を知ってもらい、多様な価値観を知ってもらいたい。
今日も吉田には、引き続き朝の挨拶、休み時間誰かと話す、昼食を誰かと一緒に取るというミッションを課している。
この調子なら、俺や圭人の補助もいらなくなる日もすぐ来るだろう。
そんな風に思考にふけっていると、暇を持て余していた花菜が話しかけてきた。
「なに、ずっと考え込んでんの?吉田君のこと?」
後ろに手を組んで、うつむいていた俺の顔を下から覗き込むように俺を見る。
そういう可愛らしい仕草は男子にはしないように
簡単に惚れちゃう男の子多いから、俺は違うよ
「ああ、今のところ順調だ」
「だよね、女の子たち話してるとき、吉田君ってしゃべるんだねってみんな話してたよ」
今まで、陰キャでぼっちだった吉田が急に友達と話してたり、昼食を取っていたら少なからず驚かれるだろう。
「でも、自然な感じで馴染んでただろ」
「まぁ、そうだね。なんでだろ」
「環境が変わったばっかで適応しやすいからだよ」
まだ、クラスが変わって一週間、まだコミュニティが完成していなく、まだ誰もキャラやクラス内での位置は確定していない。
もちろん、花菜や圭人、黒瀬などの学校の有名人は一部例外だが、今まで影が薄い陰キャで誰にも認識されていない吉田が、少し人と話すようになったって、ああ、意外と話せる人だったんだと認識される。
だから、自分を変えたいって人は環境が変わった時がチャンスだ。失敗を恐れず、チャレンジすることが重要だ。
「なるほどね、じゃあこのままいけばいじめられキャラは卒業できる感じ?」
「いや、まだ無理だろうね」
昨日は、吉田は常にだれかと一緒にいたためいじめや揶揄われることはなかった。
だけど、それだけでいじめられキャラを卒業することは簡単じゃない。
「だよね、いじめはそんな簡単に終わらせられる問題じゃないよね」
花菜は明らかに元気をなくしたようで俯きながら、そう言う。
「そうだな」
花菜はよく知っている、いじめの怖さを、いじめの恐ろしさを
俺は、そんな花菜の頭をポンポンと叩き慰める。
「安心しろ、いじめなんてやめさせてやるから」
「そんなキザなこと言う人だっけ、カズ」
そんな風に元気を取り戻し、揶揄ってくる。
うん、こっちの花菜の方が花菜だ。
「うるせーな、早く学校に行くぞ」
「うん」
俺は今後の計画を見直しながら学校に向かう。
教室に着くと、吉田は昨日一緒に昼食をとっていたクラスメイトと話していた。聞くと、そのクラスメイトの名前は阿部浩太、美術部に所属していて、アニメや漫画好きでもあり、よく話が合うようだ。
昨日、ラインも交換し、夜イラストのことについて話していたらしい。イラストを見せ合って、上手だと褒められ美術部に入らないかと誘われたらしい。一人で黙々と描くのが好きだからと断ったらしいが、交流は今日も続いているらしい。
今日もミッションは簡単にクリアできそうだ。
もちろん、陰キャがこんなに簡単に人とコミュニケーションできるわけがない。
これは、俺や圭人、花菜のサポートや吉田の努力があってこその結果であることを忘れてはいけない。
その後も休み時間も誰かしらと話していて(ほとんどが阿部とだが)ミッションはクリアできている。
また、4限では英語の授業でペアワークがあった。
隣の席の人と話し合って英文を訳すペア活動があった。
吉田の隣の席は、花菜とよく話す陽キャ系の女子だ。陰キャで話すのが苦手には少し分が悪い相手だ。
しかし、吉田の方を見ていると頑張って女子と二人で作業している。ここからは確認できないが、吉田は俺や圭人のアドバイス通り、緊張しないで話ができているらしい。
今後もこうやって女子と話すことでどんどん経験値を積み、女子への耐性をつけてほしい。
「ねえ、どこ見てるの?早くここ訳してよ」
俺が吉田のそんな成長を温かく見守っていると、冷たい声が俺に浴びせられた。
俺の隣の席はあの氷織鈴華だ。バスケ部のエースであり、中学からの同級生だ。かつ、めっちゃ嫌われている。
「自分で少しは考えろよ」
「わかんないから、聞いてるんでしょ。早く教えてよ」
この前も言った通り、鈴華は少し脳筋である。この学校に受かったのは奇跡なようなもので、この学校の強いバスケ部に入るため、一年必死に勉強して合格したらしい。
今でも、勉強はしているが基本バスケ一筋であるため、学力は常に下位にある。
「はいはい、分かりましたよ」
ちなみにペア活動があると必ず、鈴華は分からないの一点張りであるため俺が教えるだけの時間である。
一方バスケでは絶好調であり、この前強豪校との試合があったあしいが勝利したらしい。
その熱意をほんの少しでいいから、勉強に向ければいいのに、
だけど、俺はあとで鈴華に頼みたいことがあったから、恩を売れてちょうどよかっただろう。
「その代わり、昼休みちょっと時間空けてくれよ。頼みたいことあるから」
「はいはい、わかったからちょっと静かにしてて」
鈴華は必死に俺の英訳が終わってるノートを丸写ししていた。
ほんとにわかってんのかこいつ。
俺は鈴華にノートを見せるだけのペアワークなのに対し、吉田の方に目を向けると、緊張がほぐれたのか女子と話し合いながら笑顔で会話している。
この格差は何なのか?
仕方がない、これが俺と鈴華のコミュニケーション?なのだから




