【14話】作戦の予行練習(下)
遅くなってすいません。
ぜひ見て行ってください。
やっと、吉田いじめ脱出計画が始まります!
さて、吉田はいじめられる自分を変えることはできるのか?
お楽しみに
感想、ブックマーク、高評価待ってます。
工藤と吉田との会話の練習が終わり、次は花菜との会話練習だ。
「よし、じゃあ次は花菜とだな」
「お、やっと私の出番だね!」
圭人と会話をすることで、会話のやり方やリズムを学ぶことができた。次は異性との会話だ。
「笹原君、べ、別に男友達を作れば女性と話さなくてもいいんじゃない?」
吉田は目のまえの花菜から視線を俺にずらしてそう言う。
逃げたいんだな。
「確かに、情報収集、ぼっちにならないという観点からすれば男友達がいれば女子と話す必要はない」
「だったら、」
「だが、しかし。学校では女子と話すことができなければ非常に生きずらい学校生活になるぞ」
「え、なんで?」
「だって、学校だとペア活動とかグループ活動とかで自然と女子と話すときあるだろ。そこで会話できないと女子たちからなんだこいつって思われるぞ」
それに、社会に出てからも女性と話す機会が増えてくるだろう。同性だろうが、異性だろうが関係なく、コミュニケーション能力が必須だ。
「まぁ、とういことで早速、さっきの圭人と同じように花菜と話してごらん」
「うん、わかった」
吉田は俺から花菜に視線を移し、話そうとするが、もじもじしていてなかなか会話が始まらない。
そうだよな。女子免疫がゼロな吉田がいきなり花菜みたいな可愛い陽キャ女子と話すなんて無理な話だ。
視線も泳ぎまくってるし、顔も赤くなってるし、俺が手助けするか
「吉田、どうして女子と話しずらい?」
「え、だって恥ずかしいし、可愛い女子と話すときどこ見ていいかわからないし」
「そうだな、じゃあそんな女子耐性がない吉田君に女子と話す方法を教えてあげよう」
「なんかディスられている気がするんですけど…」
いや、ディスってんだけどね。
「まず、男子が女性と話すとき気になるのは目線だ。男子となら目線を合わせても気楽に話すことができるが、女性と目線を合わせて話すのが苦手な男子が多くいる」
女子と目線を合わせるのは照れるし、性欲溢れる高校生男児は、女子特有な胸や足、顔などを無意識に見てしまうことがある。その視線に気づかれれば、もれなく変態扱いだ。もう、女子とは裕子的な関係は築けない。
「だから、慣れるまでは女子の鼻先を見て話すようにする。そうすれば、相手には目を合わせてるように見えるし、自分は女子の顔を意識せずに話すことができる」
「なるほど」
まぁ、圭人のような陽キャには関係ないことだ。もちろん、女子に免疫のある俺も同義だ。
「あと、女子と話すのは基本的に学校のことが多いな。男子と女子では感性が大きく違うから、共通の話題は会わないことが多い。別に合えば、合えばでその話題について話せばいい」
「分かりました」
「最後に女子と話すときに注意することはセクハラ発言だ。男子の会話で普通に話すような会話でも女子にはNGなことがあるから注意するように。それじゃあやってみよう」
「分かりました。朝比奈さん、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくね、吉田君」
それから、二人は慣れないながらも会話を続けた。慣れてないのは吉田だけだが、花菜は吉田のコミュニケーション能力を上げるという目的をしっかり理解して、あえて吉田に会話の主導権を渡しながら会話している。
今日だけで、吉田はとりあえず、学校の誰でもそれなりの会話はできるようになっただろう。
またもや、俺と圭人は手持無沙汰だったため、俺は暇なときに持ち歩いている小説を圭人に力説して布教していた。
最近の高校生は、小説を読む人がいなく、正直趣味が合う人がいなく残念である。
圭人はたまにでも小説を読むので、こういう共通の話題を学校で話している。
とりあえず、昨日読み終わった小説を一冊圭人に貸すことになった。
そんなこんなで、俺たちの集まりは正午あたりまで続き、どうせならということで近くのファミレスで昼食を取ってから帰ることになった。
そこでも、吉田の会話トレーニングは続き、コミュニケーション能力が向上した。
あとは、これを明日からの学校生活に生かすだけだ。
もちろん、吉田一人の力でいきなり行動するのは難しいから、要所要所で俺たちがサポートする。
ともあれ、食事を終えた俺たちは駅の最寄り駅で解散する。
「じゃあ、今日はこれで。明日から手初通りでよろしく」
「うん、わかった」
「了解」
「おけ!」
そういって、吉田と圭人は駅のホームに消えていった。
俺と花菜の家は隣同士なので、一緒に帰ることにした。
「ほんとにやさしいね、カズは」
「なんだ、いきなり」
「だって、見ず知らずのクラスメイトのためにこんなにも頑張るなんて」
「さっきも言っただろ。全部俺のためだ」
俺が他人のために無償で行動することなんてありえない。俺は、常に自分のために効率的で現実的な道を歩むことしかできないんだ。
「そんなこと言っても、私はカズが優しいことは誰よりも知っているから」
「お前がそう思うなら、それでいいよ」
「あとさ、吉田君のいじめ。ほんとにあの作戦でなくなると思う?」
花菜が咲空先輩と同じことを言う。花菜も肌で感じ取っているのだろう
「無理だろうね」
「だよね、いじめはもっと深く恐ろしい問題だもんね」
「そうだな」
前にも言った通り、いじめは普遍的に存在するものだ。気づかないうちにいじめをしていたり、いじめに遭ってたりする。
それが隣人の可能性だってゼロじゃないんだ。
「吉田君のために頑張ろうね」
「そうだな」
そのあと、俺たちは会話の話題とならない幼少期の話をしながら帰路に着く。俺たちは幼馴染なのだ。だから、この特別な関係に幼少期の話は認められている。
俺は改めて、いじめとはなにか考えさせられた。
翌日、月曜日。
吉田いじめ脱出計画の一週間が始まろうとしている




