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現実主義者の俺が青春ラブコメに巻き込まれる  作者: 小西 悠人
いじめられっ子吉田拓郎
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【10話】いじめられっ子と契約

 今日朝起きて、書きました。


 そろそろいじめ解決編の本編を書き始めます。

 感想、ブックマーク待ってます!


 俺と吉田は学校を出て、近くのファミレスを訪れていた。


 俺は、両親が共働きでほとんど一人暮らしのようなものなので食事は自炊している。たまに、花菜の家で食事するときもあるが。


 今日は、もう作る気がないので、どうせならファミレスで済まそうと思い、ドリンクバーとハンバーグプレートを注文する。


 吉田は家に夕飯があるのか、ドリンクバーだけ注文していた。


 時間がもったいないので、すぐに本題に入る。


 「で、助けるって具体的には?同じクラスのあのうるさい三人組にいじめられてんだろ」


 「う、うん。二年になって同じクラスになってからいじめられ始めたんだ」


 「だろうな、見てれば分かる」


 別にあの三人組は放課後だけ、吉田をいじめてるわけではない。授業中に先生に吉田がさされて、答えられなかったときに揶揄ったり、休み時間にノートを奪ってちょっかいを出したりなど日常的に行っている。


 クラスのほとんどは気づいてるだろう。


 だが、関わりたくないのでみんな無視しているのが現状だ。


 「で、吉田はどうしたいんだ」


 「どうしたいって?」


 「いじめをやめさせるのは簡単だ。親か先生に報告するだけでいい」


 いじめを解決するのは難しく思われがちだが、大人に報告するだけで大体は簡単に解決する。


 多くのいじめられた人間は、親に心配かけたくない、先生に告げ口したらもっといじめがひどくなるなどの理由で大人に助けを求めず、耐えることを選択する。


 その結果、いじめられっ子は保健室登校や不登校、転校や学校をやめたり、最悪の場合、自殺に発展する。


 「ぼ、僕はいじめをやめさせたいけど、大人には頼りたくないんだ」


 全く、不効率的な考えだ。


 「理由は?」


 「僕、小学生の時から何回もからかわれたり、いじめられたりしてたんだ。その都度、先生や親に助けてもらったんだ。でも結局、その後もいじめらて中学入っても高校に入っても変わらない」


 「つまり、お前はいじめられる理由が自分にあるって思ってんだな」


 「うん」


 いじめを何度もやめさせても、毎回いじめられるのは自分。つまり、いじめられているのは自分に何らかの原因があるからだ。


 「一応、言っとくが、いじめられる原因がおまえにあっても、いじめる方が悪いんだからな。それは履き違えるなよ」


 「うん、わかった」


 そう、よくいじめられている人間はいじめられる自分が悪いんだと自己嫌悪にさいなまれることがあるが、いじめる人間が悪いに決まっている。


 ただ、いじめというのはどこにも普遍的に存在する現象だ。それが、学校か職場か世界か、違いはあれでもいじめは常に存在するものだ。


 「どうしていじめは起こると思う」


 「僕みたいな陰キャを見ているといらつくからとか?」


 「違う。いじめは自分を優位的な地位を獲得していることを証明するために起こるんだ」


 俺は、席に届いたハンバーグプレートを食べながら、いじめについて語っていく。


 「人間は地位を求める生物だ。それが、勉強であれ、スポーツであれ、高い地位を求めるから争い、競い合いが起こる。例えば、もし、お前がとても頭がいいとする。でも、自分より頭がいい人間は他にもたくさんいる。そいつらより高い順位を目指すならお前はどうする?」

 

 「そんなの、たくさん勉強して努力するとか」


 「普通はそれが模範解答だ。だが、人間は怠惰な生き物だ、どうしても楽な方に行ってしまう。簡単に自分の順位を上げるには他の人間を蹴落とせばいいだけだ」


 自分が努力して、成績を上げるには多大な労力を使用する。だが、他人を蹴落とすのは簡単で努力もいらず、労力も使用しない。


 非常に合理的な考えだ。非道だがな。


 「学校という空間ではカーストというものが存在する。カースト上位にいれば、それだけで学校生活が豊かになる」


 カースト上位にいれば、クラス内での権限を持つことができる、これによって日常生活や行事で自分の思い通りに物事を運ぶことができる。


 逆に、カースト下位にいれば、クラス内での権限はなく、不用意な発言も許されず、カースト上位の癇に障ればいじめられたり、ハブられたりなど学校生活を送るのが苦痛に感じてしまう。


 俺は、そんなの気にしない人種だがな。


 「だから、カースト上位に入るために攻撃しやすいお前みたいなやつを対象にして蹴落とすんだ。他の人間に俺の方がカースト上位でいることを知らしめるために。ほんとくだらないがな」


 「なるほど」


 「いじめが起こる原因が分かったところで、次の問いだ、どうしてお前はいじめられる?」


 「それは僕が顔も良くないし、頭も運動神経も良くないし、性格も暗いから」


 「まぁ大方合ってる。学校生活で評価されるのは学力、運動神経、コミュニケーション能力の基本三つだ。このどれかが優れていれば、まぁ、いじめられることは少ないと思う」


 逆に、能力が高すぎて、嫉妬でいじめられる場合もあるがな。


 「例えば俺は学力、花菜はコミュニケーション能力、圭人は運動力が高いからカースト上位にいる。俺は人と極端に関わらないから上位にはいないけど」


 「僕は、学力も高くないし、運動もできないし、コミュニケーションもうまくできない。それは、いじめられるわけですね」


 吉田は分かりやすいようにへこむ。


 学力や運動神経はすぐに上がるものではないし、コミュニケーション能力も性格に起因するため、そう簡単には変えられない。つまり打つ手はないということだ。


 「だが、さっき上げた三つの基準以外にもカーストを決める重要なものがある」


 「そ、それは?」


 「それは人よりも突出したものだ。学業に関係ない歌でも文才でも人より優れたものが一つでもあれば、それは大きな武器になる。吉田にとってそれはイラストだ」

 


 「でも、僕が書いてるのはアニメとかキャラクターだし、プロのイラストレーターに比べるとやっぱり僕のイラストは下手だよ」


 「今の高校生はアニメなんか普通に見てると思うぞ。圭人や部活のやつらと話しているときそういう話題になるときも多いし」


 ただあまりそれを表にしないだけ。アニメや漫画好きっていうと陰キャのイメージが強く揶揄われる可能性があるからだ。


 「あとプロとなんかと比べなくていいんだよ。クラスメイトや同級生にうまいって思わさればそれでいいんだよ。俺はお前のイラストは十分うまいと思うよ」


 確かにプロと比べると少し見劣るかもしれない。だがここで重要なのはクラス内である程度の地位を獲得することだ。クラスメイトにこいつは絵がうまいって思わせればそれで十分だ。


 そして吉田の絵には十分そう思わせるほどの画力がある。


 「ありがとう」


 「イラストはいつから書いてるんだ?」


 「小学2年生ぐらいからかな。アニメや漫画のキャラが昔から大好きで、いつも休み時間や放課後、家に帰っても書いてたから、部活にも入ったことないし、友達もいたことないんだよね」


 友達がいたことないとはすごいな。まぁ、こいつにとっては自分のイラストがすべてでそれ以外はどうでもよかったんだろう。


 その気持ちはよくわかる。自分の好きなことに熱中して、周りが見えなくなるほど夢中に取り組む楽しさ。時には寂しく、苦しくなる時もある。


 好きなことを続けるのは楽しいだけじゃない。


 それでも一つのことを貫き通すことは俺にはできなかったとても素晴らしいことだ。


 「でも、最近休み時間に書いてるとこ見かけないけど」


 そう、俺は吉田と同じクラスになってから絵を書いてるとこを見たことがない。休み時間は基本イヤホンをして机に突っ伏しているか、本を読んでいるかである


 「一年の時、スケッチブックで絵を書いてたら、取り上げられて揶揄われたことがあるんだ。アニメのキャラばっか書いてて気持ち悪いって、さすが陰キャだって」


 なんて低能な奴らだろう。自分の評価を挙げたいがために自分より弱い相手を笑いものにして蹴落とす。俺はそんな人間をたくさん見てきた。


 そして俺はそんな人間を真正面からねじ伏せてきた。俺のこの生き方は変わらない。


 「そんな周りの雑音を気にすることない。お前はお前の信じる道を進めばいい」


 「うん」


 「よし、それじゃあ決めるぞ」


 俺は吉田と会話しながら、ハンバーグプレートをたいらげ、契約内容を確認する。


 「そう、何日も時間をかけれるほど、俺は暇じゃないから一週間でお前をいざ目られないようにしてやる。で、それが成功したらお前は俺に報酬を支払う。それでいいか?」


 「うん、ありがとう。でも、やっぱ報酬が何か気になるんだけど」


 「大丈夫だから。そんな無理なものじゃないから」


 「ならいいんだけど」


 「じゃあ、契約成立ってことで」


 俺は立ち上がって右手を吉田に差し出す。


 俺は無償で人を助けることはしない。だってそれはただ、その人に頼っているだけでしかないんだ。


 また、同じ状況にあってもそいつはまた、同じように他人に頼るしかなくなってしまう。そして、常に人に借りを作ってしまう。


 だから俺は、報酬を要求することで貸し借りを無くして、その人の成長を促す。


 これが一番効率的だからだ。


 「うん、よろしくお願いします」


 吉田は俺の差し出した右手を右手で握り、握手する。


 これで契約は成立。


 あとは作戦を考え、実行し、報酬を得るだけだ。



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