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第4話 初戦闘
「ヒールって言えば魔法が出るよー」
あいつがアドバイスをしてくるが
元はと言えばあいつのせいだろう。
お助けキャラでは確実にない
話半分に聞きながらも心の中ではとてもワクワクしていた
俺は手のひらを前に出し、言った。
「ヒール!!」
白い光の玉が出て一体のゾンビに当たるとその体が崩れた。
アンデットに回復魔法が逆に効く設定は
ここでも健在のようだ。
しかし減ったのは一体だけでまだ10体以上いる
まあ、このまま玉を飛ばしていけば大丈夫だろう
そう安心してた矢先
「MP足りないし後、出せるのは3つくらいかもねー」
脳内の声に希望を打ち砕かれた
…終わった
今日何回目かの思いが生まれた時
「おい、お前大丈夫か!?」
腹立つ女神の声でも無く、新たな声が周りから聞こえた
「全然大丈夫じゃない!誰か知らんが助けてくれ!」
「ちょっと待ってろ、すぐ助ける」
俺とゾンビどもの間に入ってきた男の背中はとても頼もしかった
またこの出会いは俺の異世界ライフに置いてとても大きいものだった