表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

57/66

57

 それからモンスターが何体か出現してきた。


 多少の苦戦はすることはあったが、負けることはなかった。それどころか死ぬこともなかった。


 相変わらずラーマの実は見つからないが、ここのモンスターのからめ手の感じにもある程度慣れ始めたので、何とか行けそうな気がしてきた。


「Sランクは難しいって話でしたけど、案外何とかなりそうですねー」


 セリアが気楽な口調でそう言った。


「油断はしちゃだめよ。何が来るかわからないからね」


 ルナが少し厳しい口調で、注意を促した。彼女は用心深い性格であることが、分かった。アウターで生き残るには、ルナのように用心深くなければ駄目だと思うので、俺も見習わないといけないな。


 先に進んでいくと、巨大なモンスターと出くわした。


 身長が4m近くある。横幅もデカい。


 頭に巨大な白い花を咲かせている。目が四つあり、巨大な口を持っている。

 棘の生えた二本の太い蔓が手のようになっており、8本の太い根っこを足にして歩いている。


 何というか、これぞモンスターという感じの異形さであった。モンスターには結構元の世界にいる生物の特徴を持った奴はいるのだが、こいつに似た生物を思いつかなかった。


 こいつもトリッキーな戦い方をしてくるのだろうか?

 なんか見た目が変だから、そんな感じがするな。


 俺は警戒していると、蔓を振り回してきた。

 かなりの速度だった。しゃがんで回避する。

 全員何とか避けていた。蔓は木に直撃。太い木だったはずだが、へし折られなぎ倒された。物凄い威力のようだ。


 今度は巨体を動かして、突進してきた。八本脚があるためか、想像以上に速い。


 これも威力がやばそうだと思ったので、受け止めずに回避。

 当たらなかったものの木を数本なぎ倒した。


 こ、こいつ。


 絡め手を使ってくるタイプではないかもしれないが、普通にめちゃくちゃ強そうだぞ。


 少なくとも攻撃力は、首なしに匹敵するかもしれない。当たったらやばそうな攻撃をしまくっている。


 やはり簡単そうだと思ったのは間違いだったか。こんな化け物がいるとはな。


 逃げてもよさそうだが……だが、こいつ意外と早いし、逃げ切れるか分からない。


 そもそも、こんな何が出るか分からない森を、走って逃げるのは割と危険である。


 戦うしかないだろう。


 今のところ敵は普通に攻撃してくるだけだ。強いのは強いが、戦いにくくはないだろう。


 再び蔓を振り回してきた。回避して中に斬りこむ。

 まずは足を斬り、動けなくしてやる。そう思って、斬りかかったが、思ったより固く、斬り裂けなかった。足は木の根っこに見えるが、硬度はまるで金属のようだった。


 これは簡単には倒せないぞ。どこか弱点になるような場所を見つけないと。


 セリアが、矢で花を射抜く。あそこが弱点かと思って狙ったのだと思うが、特に効いているようには見えなかった。


 突進をしてきた。攻撃パターンが単調だ。これも回避する。

 威力は凄いし、スピードもあるが、攻撃手段が多くないためそんなに強くないのかもしれない。


 こちらの攻撃さえ通せば、倒せるはずだ。


 そう思っていると、今までにない攻撃をしてきた。


 飛びあがって、勢いよく地面に着地する。踏みつぶされはしなかったが、地面が激しく揺れて、足元がふらつく。

 その隙を敵は見逃さず、同じく隙を作っていたルイとルナを蔓で攻撃した。

 二人は回避することが出来ず、まともに攻撃を食らってしまう。


 蔓で心臓を貫かれていた。あれは間違いなく一回死んだ。


 俺も隙を作っていたから、こっちに来たら回避できなかったかもしれない。


 ルイとルナは復活するが、魂力を大幅に消費したので、動きが鈍くなっているだろう。これは早めに決着を付ける必要がある。


 しかし、相手は固いし、どうすれば攻撃が通るか……


 見た目は明らかに植物だ……植物に有効そうな攻撃と言えば……火だな。


 火を使う攻撃をすれば倒せるか? 


「ブロズ、フレイムを使ってくれ」

「分かった」


 ブロズは頷いて、モンスターに向かってフレイムを撃ち込んだ。


 足に直撃。火が付いて少し苦しそうだ。


 暴れ出してめちゃくちゃに蔓を振り回し始めた。


 乱雑な鞭を何とか動体視力と反射神経で避ける。

 火が付いているところは、脆くなっていそうだ。もしかしたら、俺にも火が付いてしまうかもしれないが、俺は躊躇せず、火が付いている足に斬りかかった。


 予想通り脆くなっていた。最初は斬れなかったが、今回は斬ることが出来、モンスターは体勢を崩してその場で倒れた。


 熱くなってきたので、慌てて俺は後ろに下がり離れる。幸い焼かれることはなかった。


 俺が離脱した直後、今度はシラファが燃えている箇所を槍で突き刺した。


 すると、思いっきり苦しみだした。

 もしかしたら、弱点だったのだろうか。


 もがき苦しみ始め、しばらく暴れるが、徐々に動かなってきて、最終的に完全に動きを止めた。

 そして、魂力となりシラファに吸収された。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その劣等生、実は最強賢者、ノベリズムで連載中です!
作品ページ
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ