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 俺たちは洞窟の奥に進んでいく。

 道中まだ蛇が出てきた。それを見てやはり、まだスネークキングがいるのかもと思いながら先に進んでいく。


 道中宝箱を発見した。中には白い魂石が入っており、シラファ、セリア、ブロズが食べた。

 結構大きめの魂石であり、三人とも大量に魂力を得たようだ。


「どうやら私は全部の器が溜まり切ったようなんですよねー。新しい魂石があったら、ほかの人たちで食べて下さい」


 器が五個のセリアは、いち早くいっぱいになったようだ。


「え? セリアちゃんって五個で私たちと一緒だったよね? もう一杯になったの?」

「そうですけど……おかしかったですか?」

「おかしいっていうか……私たちもからくりの塔まではクリアしたけど、まだ三つしか溜まってないし……早いねー」


 地下迷宮に行ったからだろうか? セリアはゴールドドッグには手こずっていたが、ノコギリのモンスターは倒していた。

 あそこにいたモンスターたちは強かったため、上にいたモンスターよりも貰える魂力の量が多かった。

 その分だけ、貯まりが早くなったのだろうか? ただ、セリアは一回死んで、器一個分魂力を消費していた。それほど差が出来るとは疑問ではある。

 魂石を貰っていた方が、蛇を倒すより魂力が良く溜まるのかもしれないな。


 さらに先へと進む。

 結構長かった。さっき倒した巨大な蛇とも遭遇した。二体いるということは、あれがスネークキングではないということは確定したと見ていいだろう。

 スネークキングは恐らくこの洞窟の最奥に潜んでいる。


 慎重に進むこと数時間経過。


「アレだ……間違いない」


 一眼見た瞬間に、スネークキングだと分かるような蛇を見つけた。


 洞窟内で見たどの蛇よりも圧倒的に巨大な蛇が、洞窟の奥にいた。


 あれはもう蛇というより、龍と言った方がいいんじゃないかというような大きさだ。


 なぜか頭の上に王冠みたいなものが乗っていた。あれも体の一部なのだろうか?


 スネークキングの周りには、かなりのサイズの蛇が四体護衛するようにいた。


 まずは周りの奴を倒してから、スネークキングを倒すのが一番やりやすい倒し方だろう。


「スネークキングを引き付けている間に、ほかの蛇たちを最初に倒すのが良いと思うが……」

「そうですねー。でも、スネークキングだけを引き付けるって難しくないですか? 絶対ほかの蛇も一緒に来ちゃいますよ」

「確かにそれもそうだな……じゃあ、全部の蛇を三人で引き付けて、俺たちが奇襲して倒していくしかないか。可能かそれ?」

「たぶん、大丈夫だと思うよ。魂石を結構食べたから、防御力とかスピードとかだいぶ上がってるし。何とかなると思うよ」


 ブロズがそう言った。

 基本弱気なブロズにしては強気な態度に見えたので、意外に思った。それだけ、今の強さに自信があるということだろうか。


「その程度、やれて当然だ」


 シラファは相変わらず強気だ。ほっぺのグルグルは未だに消えていないので、決め顔で何かを言うと思わず笑いそうになってしまうのだが。


「ス、スレイ、お前今笑わなかったか?」

「気のせいだ」

「う、嘘つけ、震えてるじゃないか!」

「これはスネークキングにビビってるんだ」

「お前に限ってそんなわけないだろ! クソ……あの小悪魔ども……私に恥をかかせたお返しはいつか必ずしてやる」


 シラファは殺気立ったような表情を浮かべてそう呟いた。小悪魔って攻撃出来るんだろうか。


「わたしは自信ないですが……が、頑張ります……」


 セリアは怯えていたが、やる気はあるようだ。


 まず三人だけでスネークキングに接近。俺たちは少し遠くから様子を見る。


 セリアが矢を放った。視力は落ちているが、あれだけ的がデカいと外しようがなかった。


 スネークキングが、セリア達を睨む。蛇がよくやるシャーという威嚇をしたが、巨大だけあって迫力がけた違いだった。物凄い音が洞窟内に鳴り響く。

 怯まずに三人は、スネークキングを引き付け始めた。


 三人は確かにこの洞窟に来た当初よりは、動きが明らかに良くなっている。これなら蛇たちの攻撃をさばけるだろう。もし攻撃を食らっても、防御力も高くなっているだろうから、大丈夫なはずだ。


 長引けば長引くほど、三人の負担が増す。俺たちは迅速に、それでいて焦らず、確実に取り巻きの蛇を倒していかないといけない。俺は速度が落ちているので、迅速にというのは難しいのだが……


「よし、行くぞ」


 俺の言葉に、ルナとルイは頷いた。

 俺たちは蛇たちに気取られないよう距離を詰めていく。

 三人で一体の蛇を相手にするのは、効率が悪いので、俺とルナ、ルイは別の蛇を攻撃した方がいいだろう。

 俺は声に出さず、身振り手振りでその意思を伝えた。きちんと伝わったようで、俺とは別の蛇に向かって行く。


 三人に完全に気を取られている蛇を一体、背後から強襲した。流石に一撃では倒せなかった。いきなりの背後からの攻撃に蛇は戸惑っている。その隙にもう一撃入れた。


 俺も蛇を倒し続けていたおかげか、攻撃力に高い成長が見えた。二撃目であっさりと倒すことできた。


 蛇を一体倒したことで、スネークキングがこちらに注目をした。引き付け役三人が、それを見てスネークキングを攻撃してくれたようで、俺から視線を外し、三人の方を見てスネークキングは威嚇をした。


 ただ、取り巻き蛇のうち一体が、俺を睨んでいた。引き付けられたのはスネークキングだけのようだ。

 尻尾を鞭のように使って、振り回してきた。物凄い速度で尻尾が迫ってくる。今の速度が落ちた俺では回避するのは不可能だった。


 尻尾が直撃する。

 速度は早かったが、威力はあまりなかった。俺は吹き飛ばず尻尾を受け止める。


 そのまま尻尾を斬り裂く。痛みで蛇がシャーと声を上げた。


 流石に尻尾を斬ったくらいでは蛇も死なない。

 俺は胴体に狙いを定める。


 巨大蛇は俺の剣をあっさりとかわす。俺も何体か蛇を倒し、魂力を得て、少しはスピードが上がっているのだが、それでもまだまだ遅く、面と向かった状態で攻撃を当てるのは厳しい。


 蛇が攻撃してきたところに、カウンターを入れるしかないが、巨大蛇は俺を警戒して、威嚇をするだけで攻撃してこない。


 睨み合いになる。


 まずいな、睨み合いなんかしている場合じゃない。早くスネークキングを倒しに行かないといけないが。


 こいつ大したことないし無視するか。いや……でも、俺以外を狙い出すと面倒だしな……

 特にルナやルイは防御力が下がっているから、攻撃されるとまずいだろう。


 よし、もうやけになって攻めまくるか。

 俺は走ってとにかく巨大蛇に剣を振りまくった。

 向こうは最初は避けていたのだが、獲物仕留めたいという本能でも働いたのか、俺を食べようと噛みついてきた。早いので避けられず、口に含まれてしまう。


 当然黙って食われるつもりなどない。剣を思い切り振り回して、口の内側から巨大蛇を斬り裂いた。


 頭を斬られ巨大蛇は死亡した。


 ほかの巨大蛇はルナとルイがすでに倒していた。残りはスネークキングだけ。

 俺は急いでスネークキングの下へと向かった。

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皆様のおかげです! ありがとうございます!

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その劣等生、実は最強賢者、ノベリズムで連載中です!
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