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「落ちた能力を考慮して戦わないと駄目なようだな」


 俺の言葉にセリアとルナが頷き同意をした。


「確かにそうですね。このまま無策で戦っていたら負けちゃいますね」

「思った以上に弱体化しちゃってるよね」


 シラファは不本意そうな表情だが、


「私の攻撃が全く通じなくなっている。今まで通り戦うわけにはいかないだろう」


 と同意する。


「俺は魔法力が下がっただけだし、案外戦えるかも。まあでも元々あんま攻撃は得意じゃないから、役割的にはいつもと変わんないと思うけど」

「私たちはどっちとも防御力が下がっちゃってるから、あんまり考えなしに攻撃できないわね。どのくらい防御力が落ちているかわからないけど、皆の様子を見ていると、相当落ちてそう」


 ブロズはいつも通り壁役として、攻撃を受けるのが一番いいだろうな。


 ルナとルイは絶対に攻撃を貰わないように、敵を攻撃しないといけない。


 シラファはスピードはそのままで、防御力も落ちてはいないが攻撃力が絶望的に落ちている。


「わたしは正直目が悪くなり過ぎてるので、矢を当てるのは難しいです〜。至近距離なら当たると思いますけど……弓は近接戦闘には向いてないですし……かと言ってブロズさんのように、皆の盾になることも出来ませんし……あれ? わたしって足手まとい?」


 セリアは目が見えないので、まともに矢が放てず攻撃には参加しづらいという状況か


 俺は攻撃を貰ってもいいが、動きが遅いから攻撃を当てるのが非常に難しい。


「敵を引きつける役と、攻撃する役に分かれて戦うのがベストだろうな。現状攻撃は出来ないセリアと、シラファは引きつける役。ブロズはセリアとシラファが引きつけた敵の攻撃をブロックする。俺とルナ、ルイは、隙をついて攻撃する。それが一番いいと思うが」


 俺は戦い方を提案した。


「それが無難だな。機動力は損なわれていないし、敵を引きつけるくらいは可能だ」

「わたしも、モンスターに矢を当てるのは難しくなってますが、モンスターがいる方に矢を撃って引きつけるくらいは出来るかもしれないです。ちょっと怖いですけど……」

「俺はいつも通りだから、当然それでいいよ」


 シラファ、セリア、ブロズは同意する。


「そのやり方だと魂力が私たちにしか入らないけど、まあ仕方ないかも。魂石があったら、引きつける役にあげた方がいいかもねー」


 ルナが言った後、ルイがコクリと頷いた。


 魂力のことは考えてなかったな。確かにモンスターにとどめをさした者しか貰えないから、引きつけ役は貰えなくなってしまう。ルナの言う通りにした方がいいだろう。


「くすくす、そろそろ先に進みたいんだけど、まだ話し合いする?」


 話し合っているあいだ待たせていた、小悪魔がそう言ってきた。


「いや、もう終わった、案内を再開してくれ」


 小悪魔が再び案内を始めた。


 出来ればスネークキングと戦う前に、弱めのモンスターと戦っておきたい。いきなり戦って上手くいくかは、未知数だからな。


 それこそさっきのオークみたいな奴が出てきて欲しい。


 そう思いながら歩いていると、また小悪魔がモンスターの気配を察知して、上に飛んでいった。


 人型で動いている木のモンスターが出てきた。


「くすくす、トレントだねー。そいつも厄介だよー」


 相変わらず高みの見物を決めている小悪魔。煽るような口調で腹立たしい。


 とにかく先ほど作戦通りに戦おう。


 最初にトレントが木で出来た手で殴って来たので、それをブロズが受け止める。


 一旦ルナとルイは後退。


 セリアがトレントの至近距離から弓を放つ。トレントの注意はセリアに向いた。


 背中に矢が当たった。セリアは弓を構えずにトレントから逃げる。


 それなりに足は速い。セリアに注意が向いているのを見て、ルナとルイが一気にトレントの背後から攻撃。

 俺も攻撃しようとしているが、動きが遅いためルナとルイと一緒に攻撃できなかった。


 それだけではトレントは死ななかったが、それなりにダメージを与えられたようだ。


 最後に俺が全力でトレントを斬りつける。


 何とかとどめをさせたようで、トレントは死亡し、魂力になって吸収された。


「倒せたな」

「咄嗟な連携にしては、結構上手くいったね」


 案外いけそうだと手応えを感じた。


「くすくす、君たち結構強いねー。それならスネークキングも倒せるかもねー」


 呑気な声でそう言う小悪魔に、イラッと来る。お前らが能力下げてなければ、もっと楽に倒せるんだよ。


 トレントを倒したので、移動を再開。


 しばらく歩くと、


「くすくす、あそこがスネークキングがいる洞窟だよ」


 と言って小悪魔は止まった。確かに洞窟がある。


「くすくす、洞窟内は天井が低くて危険だから、僕は行けないよ。がんばってね」


 まあ、来ても役に立たないし、てか、イラッと来るだけだし、来る必要はない。


 心の準備を決めて、俺たちは洞窟の中に入った。






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その劣等生、実は最強賢者、ノベリズムで連載中です!
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