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 からくりの塔を攻略し終わった俺たちは、ファースト・シティへ戻った。腹が減っていたため、買っておいた食料を食べる。


「しかし、思ったより楽に終わりましたねー。もうちょっと苦戦すると思いましたがー」


 食べ終わった後、セリアがからくりの塔の試練について感想を言った。


「そうだな。一日くらいかかると思ってたんだが。地下迷宮で鍛え抜かれたからだろうな」

「よし! この勢いなら次の試練も楽に突破できますよ! 早速行きましょう!」


 立ち上がり拳を空に向かって突き出してセリアは言った。

 楽にからくりの塔をクリアしてだいぶ調子に乗っているようだ。


「あんま調子に乗るな。からくりの塔が楽勝だったからって、次の試練も簡単だとは限らんだろ。ちゃんと情報を得てから、行かねーとな」

「そ、そうですね。すいません」


 セリアは恥ずかしそうに後頭部をかいた。


「情報を得るには町の冒険者に聞くのが、手っ取り早いだろ。とりあえず人の多い広場か市場に向かうか」

「ここからは広場の方が近いですし、まず広場に行きましょう」


 セリアの意見に反対意見は出なかったので、広場へと向かった。



「お、君たち、探していたんだ」


 広場に到着すると、いきなり声をかけられた。

 町長のレブロンだった。会うのは門を通ってアウターに来た日以来だ。


 しかし、探していたとは何の用なのだろうか。


「ミファエラに聞いたのだが、君たちあの悪党二人を捕まえて来てくれたんだってな。お礼を言っておきたかったんだ。助かった」


 奴らを捕まえた件か。確かあの時、レブロンは休んでいたんだっけな。


「本当は何か報酬をやりたいのだが、私も裕福じゃないからな。その代わりと言っては何だが、何か聞きたいことがあれば、何でも聞いてくれ」

「それはちょうどよかった。俺たちさっきからくりの塔を攻略をして、次の小悪魔の森に行きたいんだが、どんな場所か知りたくてな」


 誰かに聞くと言っても、ビッツとガジットみたいに悪い奴に騙される可能性があったが、レブロンなら恐らく信頼できるだろうから、聞くには最適な人だと言えるだろう。


「からくりの塔を攻略したのか。おめでとう。次の小悪魔の森はちょっと難しい場所だ。

 小悪魔の森のどこかに試練へと行ける門があるのだが、場所は頻繁に変わる上に、ちょっとでも試練に行く道を間違えると、初期位置に戻される。場所を知らずに行くのは無理だ」

「どうやって場所を調べればいい?」

「小悪魔の森には、名前通り小悪魔って連中が住んでいる森だ。こいつらが扉の位置を知っている。小悪魔はモンスターではなく、意思疎通のできる生き物だ。敵ではない。森に入ると小悪魔はすぐ見つかる、というか向こうから話しかけてくる。こいつらから頼みごとをされるだろうから、それを達成していくと扉の位置を教えてもらえる」


 小悪魔ね……モンスターではないと言っていたがどんな連中なのだろうか。


「頼み事には難易度があってな……Sランクの頼みと、Aランクの頼みってのは難しい事を頼まれる。特にSランクはお前らには厳しいだろうから、断った方がいいだろうな。問題は依頼を達成できなければ、小悪魔からいたずらをされて不利な状態異常になってしまうってことだ。目が見えにくくなるとか、魂力が下がるとか、次の頼みを達成し辛くなってしまう」

「何か面倒そうだな……」

「実力も必要だが運も必要だな。あっさり行く奴は、簡単な頼みだけ聞いて、あっさり試練に挑めるからな」


 運か……あんまり自信はないな。今回は良いことを祈るしかないか。


「試練の内容は何なんだ?」

「細かい試練の内容は一回一回違うから、分からない。難易度は試練を達成した回数で決定するから、一回達成したという事で、からくりの塔にあったのよりは難易度は高くなるだろう」


 試練は分からないのか。事前に対策は出来ないのは、少し緊張する。


「一通り説明したが、聞きたいことはそれだけか?」


 頷きかけて俺は首を止めた。そう言えば、俺の器に付いてレブロンは詳しく知っているかもしれないんだったな。


 この機会についでに質問をしてみよう。


「俺の器の事について聞きたいことがある」

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その劣等生、実は最強賢者、ノベリズムで連載中です!
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