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 モンスターが姿を現した。金色の犬だ。最初に出てきたのがシルバードッグなら、こいつはゴールドドッグだろう。

 数は全部で三体。数の上ではこちらが多い。シルバードッグは弱かった。銀が金になろうとどうだと言うのだ。俺は恐れずゴールドドッグと向かい合う。


 先に仕掛けてきたのは、ゴールドドッグだった。

 強く足を蹴り、俺に飛びかかってきた。シルバードッグより明らかに速い。しかし、対応できない速度ではない。横に避け、首を斬り落とすため剣を振る。剣がゴールドドッグに衝突した瞬間、金属音が高らかに鳴り響いた。

 ゴールドドッグの首を斬り落とすことは出来なかった。平然としていることから、ダメージを与えたのかどうかすらわからない。シルバードッグより、遥かに防御力が高いようだ。


 斬れないとなるとどうやって倒せばいいんだ……? 

 どこかに弱点でもあるのだろうか。腹の辺りとか。

 通常見えない場所にあるため、そこだけ弱いかもしれない。


 しかし、攻撃するのも難しい場所だ。さっきみたいに飛びかかって来たら、潜り込むように回避し、斬るしかない。果たしてうまくやれるだろうか。


 考えているあいだに、残りの二体が同時に俺に飛びかかってきた。


 何で俺だけに来るんだよ。流石に二体同時に対応するのは。


 焦っていると、ブロズが一体を引き受けてくれた。盾を構えてガードした。これで俺はもう一体に専念できる。しゃがんで回避し、腹に攻撃を加えようとしたが、体勢が悪く、剣を振る事が出来なかった。しかし、ゴールドドッグの腹を見ることは出来た。金には覆われておらず、白い毛におおわれた腹が露出していた。ここが弱点だと言う俺の予想は当たっていたようだ。


「こいつら腹が弱点だ。腹を狙え」

「え、えー? 腹狙えって言われてもー」


 確かにセリアが腹を狙い撃つのは難しいだろう。


 シラファは何を思ったのか、普通にゴールドドッグを攻撃した。自分なら普通に倒せると思ったのだろうか。案の定槍は突き刺さらず弾かれた。シラファは舌打ちをした。


 その瞬間、突如ゴールドドッグたちが、シラファをターゲットに移し攻撃をした。ブロズが攻撃をガードしていたゴールドドッグも、シラファに狙いを移した。


 三体が一斉にシラファに飛びかかる。

 その動きは予想していなかったので、誰も反応できなかった。攻撃したシラファも三体同時の攻撃には対応しきれない。


 一体の攻撃はガードしたが、残り一体が、シラファの足を爪で斬り裂き、もう一体がシラファの首元に噛みついた。


 夥しいほどの血がシラファから噴き出す。一目で助からないだろうと分かるほどの量だ。シラファは前のめりで倒れた。


 俺たちは絶句した。こんなにあっさりと人が死んだ。あまりにも衝撃的な光景だった。


 呆然その光景を見ていると、死んだと思ったシラファが動き始めた。そこでようやく、器一個分の魂力を消費し生き返る事が出来ると、レブロンが言っていたことを思い出した。


 シラファは困惑したような表情をしていた。何が起こったか分からないというような表情だ。生きていたのはよかったが、安心できるような状況ではない。俺はゴールドドッグの動きを見て、行動の特徴を掴んでいた。


「こいつらは攻撃した奴に狙いを定めている。セリアが弓で攻撃して、ブロズはセリアをガードしてくれ。俺がゴールドドッグを斬る」


 最初の一体が俺を攻撃したのは偶然だろうが、その後、二体も俺を狙って来たのは、俺が最初の一体を斬りつけたからだろう。シラファが狙われたのも、攻撃を加えた後だ。


 他者を狙っている状態なら、攻撃も成功しやすくなる。

 俺の分析が間違っていて、ただの偶然である可能性もあるが、今は正しいということに賭けよう。


 セリアは指示に従い、ゴールドドッグを狙って矢を放ち、ブロズが急いでセリアの前で盾を構えた。


 矢がゴールドドッグに当たる。それと同時に、三体のゴールドドッグが、同時にセリアの方を向いた。俺の予想は当たったようだ。


 俺には目もくれず、三体同時にセリアへ飛びかかる。俺はタイミングを見計らって、全力で走り、スライディングをしてゴールドドッグの下に潜り込み、一体の腹を思いっきり斬りつけた。


 斬られたゴールドドッグが、ギャアン!! という悲鳴を上げた。血を噴き出して死亡し、魂力が俺に吸収される。


 一体を攻撃したことで、残り二体のターゲットが俺になった。すかさずセリアがゴールドドッグに矢を放つ。一匹を殺したから、ずっとターゲットは俺に……何てことにはならず、ゴールドドッグは再びセリアにターゲットを移した。


 一度成功させた攻撃を二度三度するのは、難しいことではなかった。


 残る二体も倒して、何とか最初の危機を乗り切った。




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