ひとりのおんなのはなし
急に普通に小説風に書いてみました
「アイツ、こんな見ていられないようなものをゲームにしたのね」
スマホの画面に動画が映る。
どうやらゲームのデモ動画のようだ。
甘い異世界物。異世界の日常をかわいい女の子とともに過ごしていく、そんな内容らしい。
ゲームを作るのは純粋にすごいと思うが、テストプレイとして自分にやらせるアイツを今は恨めしく思うのだった。
「というより、女の子がかわいいのはいいんだけど、その子が彼女って。私仮にも女性なんだけどなあ。」
男性アバターでも作った、みたいな感じにかんがえればいっか。
そう考えながらプレイしていったのだが。
~
「甘かった。」
女の子が、想像以上にべたべたしていた。
言い方悪いけども。
「あなたに愛されていないのならあなたを送って私も逝くって、どんだけ重いのよ。」
彼女が想像以上に重たかった。
そんな感想をアイツに送り付け、ベッドに寝転がる。
ポロロン
メッセージを見ると、そんな重いセリフあったかなあとしらばくれている。
「アホ、あれは私途中で辞めちゃうやつだわっと」
ああ、あといくつかバグがあったことも報告しなきゃ。
アイツ自分でやりゃいいのに。
ポロロン
メッセージは、と。
「重くない。むしろこれが本当の愛だ、か。アイツ、重い女が好きなのかな。」
趣味わりー、なんて言えば一途な女性が好きなんだよ!って返されそうだな、とか思いつつ返信する。
返信した直後に送るとこ間違えたことに気付く。
ポロロン
すぐに返信が返ってきた。
知らない名前の人だ。間違えて送ってしまった人から来た。
「愛がなせる力、見ていなさい」
目の前が真っ暗になった。
お読みいただきありがとうございます。