初めのおいかろ
初投稿です。
生暖かい目で読んでってください。
昔々、あるところにお兄さんとお姉さんがいました。
お兄さんは村一番の力持ち。
お姉さんは料理が上手なべっぴんさん。
そんな二人は互いに互いを想い合っていました。
ある日、二人がいつものように仲良くお話ししていると
「ザザザーッ!」
と、急に雨が降ってきました。
急いで大きな木の下に隠れるのですが、ピカッと空が光ったと思うとズドーンと雷が落ちました。
さすがにお兄さんは危ないと思ったのかお姉さんの手を取って別のところに行こうとしました。
その時、二人の間にとてつもない音を立てて、光が走りました。
お姉さんは尻もちをついてしまい、お兄さんはお姉さんの手を放してしまいました。
~
光が収まり、お兄さんが気が付いた時にはお姉さんはいませんでした。
さらに、雨宿りをしていた木はどこにもなく、降っていたはずの雨もいつの間にかおさまっています。
周りを見渡すと、川の向こうに女の人の後ろ姿が見えます。それはお姉さんの後ろ姿に見えました。
お兄さんが名前を呼びます。しかし、女性は反応しません。それどころかお兄さんとは逆を向いて走っていくではありませんか。
お兄さんは追いかけます。川の近くまで追いかけます。ところが、近くに橋はありません。あったとしてもかなり遠く、とても女性に追いつけそうにありませんでした。
それでもお兄さんはあきらめません。遠目に村のようなものが見えました。
急いで橋を渡ります。もちろん、橋を渡り切ったころにはもう女性の姿はありません。
お兄さんはめげずに村のほうへ向かいます。
そうして走っていると、人を見かけました。どうやら門番のようです。
お兄さんは女性について聞きます。
「んー。女の子?それならさっきココを通っていったよ。」
そんなことを話した後、何があったのか突然持っている武器をお兄さんに向けます。
お兄さんはどうしたのか聞きますが耳を貸しません。
そして武器を突き出します。お兄さんは避けようとしますが避けきれません。頬に赤い線が走りま――。
---
お兄さんはギリギリその武器を避けます。
何度も呼びかけますがその人は武器で突こうとするのみ。
埒が明かないとお兄さん。隙をついて鳩尾に一発。その後に村に入ります。
走りながら少し後ろを見ます。どうやら追ってきてはいないようです。
お兄さんは一安心とばかりのため息をつきます。
そこでまた人を見かけます。
どうやら洗濯物を干している様子。また女性について聞いてみます。
「ごめんねえ。さっきまで料理をしていたからわからないよ。」
そういって包丁を取り出します。お兄さんは料理と聞いてお姉さんのことを浮かべ、改めて決意を固めます。絶対に会いに行くと。
包丁が迫ってきます。
え。
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お兄さんは尻もちをつきました。
つかなかったら多分お兄さんの命はなかったでしょう。
この村の人って物騒なんじゃないかとお兄さんは思いました。
先ほど話しかけた人の顔がふいに見えました。
話した時の申し訳なさそうな顔が無表情に。
目には光がありませんでした。
お兄さんにはもう何が何だかわかりませんでした。この村の人たちは呪われている、とすら思いました。
後ずさりしながら逃げ回ります。
追いかけてきます。必死になって逃げます。
何とか村の入り口まで戻ってきました。まだ追いかけてきます。門番はいません。
そして、村からかなり遠いところまで逃げました。
まだ追いかけてきます。
もっと遠くに逃げます。
追いかけてきます。
木の陰に隠れます。
すぐそばにあしおとが――。
~
会―を――――けな―。
~
なんとか撒けたのか足音は過ぎていきました。
途中で何か聞こえましたが、ほとんど聞き取れませんでした。
そういえばと思い出します。お兄さんはお姉さんを探している最中です。
門番のような人はともかく、洗濯途中の人に包丁で襲われるのはかなりショックだったようです。
門番の人で思い出します。女性はもしかしたらまだあの村の中にいるかもしれません。
お兄さんは戻ります。
お姉さんを見つけるために。
~
村に戻るとき、とある女の人を見つけます。
お姉さんでした。
会いたかった存在にやっと会えてうれしいお兄さん。
しかし、お姉さんはそんなお兄さんと反対に浮かない顔でした。
お兄さんはお姉さんに話しかけます。
お姉さんは答えません。
お兄さんは答えてもらおうと近づきます。
お姉さんは離れます。
ねえ、どうして、とお兄さんが。
それにお姉さんは――。
「ごめんね」
プスッ
---
Retry?
これでいいのかな。
お読みいただきありがとうございます。