前提の魔力
「さて、早速魔力について勉強するか」
僕は昨日約束した通り魔力について教えてもらう。
ちなみに厳しくしないでと頼んだ。
「まず、魔力は誰しもが持っている力だ。それを制御することで始めて使うことが出来る」
じゃあ制御できなきゃ魔技師として何もすることが出来ないのか…
真剣に聞こう。
「使い方はとっても簡単だ。魔力が制御できるやつに魔力を流して貰えばいい。それだけだ」
「え、簡単じゃん!魔技師になれるか不安だったのに…」
「安心するな。まだあるからな。魔力を使えるようになっただけじゃダメ。制御できるようにならないとな。」
「制御ってどうやるの?」
「魔力を体に行き渡らせるのをずっとすればいい。そうするといつのまにか自由自在に使いこなせる程度にはなるぞ」
「うぅん自由自在に…」
「ま、口で言うよりやったほうが早いだろ。手ぇだせ」
言われるがままに手を出したら親父が手を繋いできた。
「じゃ、魔力流すから五感使って感じろよ?」
親父がそういうと僕の手になにかがあるように感じた。
これが魔力かな?でもどうやって使うんだろ。
「魔力は感じられたか?ならそれを吸い込め」
「吸い込む…って言われてもどうやるかわかんないよ」
「吸い込むって思うんだ。多分それでできるぞ」
言われるがままに吸い込めと念じてみた。
すると手にあったなにかが僕の腕を伝い胸にいった。
なんだか不思議な気分だ…これが魔力?
「その魔力を全身に行き渡らせろ」
難しいこと言うなぁ…
とりあえず腰に、足に、頭に行けと念じてみる。
するとなにかが僕の全身を包んでるように感じる。
念じれば魔力は使えるのかな?
試しに親父の手に流してみる。
「おっ…お前もう制御できてるじゃねぇか。制御できなきゃ他人に魔力なんて渡せねぇよ。まぁ、才能が補正したんかな」
え、これで制御できたことになってるの?
確かに魔力を感じることはできてる。
自由自在に行き渡らせるのも簡単…じゃないけどできる。
これが魔力…
え、これで終わり?
僕って…天才では?
「まぁ俺もそのくらいで制御出来たし、まぁ大前提なもんだからできて普通か」
普通でした。