魔技師って?
「魔技師ってのはな、モンスターを倒したら落ちる魔石ってのを加工して便利なものにするものだ。例えば…そうそう、王都にあるでかい大砲な。あれなんかも魔技師が作ったんだってよ」
親父に聞いてみたら簡単に返事が返ってきた。
なるほど、面白い才能だな。
あと作れば作るほどレベルが上がって実に色んなものを作れるらしい。
なんでそんなに知ってるんだ…
「それはな、俺の親父が魔技師だったんだよ。才能は血にも左右されるんだな。まぁとにかくよかったじゃねえか」
顔に出てたのがバレたっぽい。
というかおじいちゃん魔技師だったのか…
僕が産まれる頃には死んじゃったって聞いた。
おじいちゃんに教えを乞うことはできないことになるよね…
なら。
「ねぇ、おじいちゃんの作品は残ってないの?」
「ん?あぁ…確か遺産分配の時に貰ったのが二つあったな。少し待ってろ」
そう言って親父は自分の部屋へ進んでいった。
しばらくすると楕円形の物と筒状の物を持ってきた。
「これだ。この丸いのは『測定器』らしい。中を覗いて測りたいところまで目でポイントつけるとそこまでの位置を測ってくれるんだってさ」
「へぇー…便利だね」
「んでこっちが『打ち上げ星』っていうらしい。これは使ってみたほうが早いな。外に来い」
「あ、うん」
なんなんだろ。
外じゃないと使えないものっていったい…
しばらく歩いてひらけてる所まできた。
その中心あたりに筒状の物をおいたけど…
「まぁ見てろって。ここに魔力を…てまだ魔力のこと知らないか。まぁいい離れて見てろ」
親父が魔力?を流した瞬間、筒状の物から音と光が漏れ出してきてる。
一旦光と音が止んだ。その時、何かが凄い勢いで飛んでった!
「くるぞー!」
え、なにが!
と言おうとこの時
ド ン!
っと大きな音と出して爆ぜた!
「わぁぁぉああ!!!」
「今、よく見ろ!」
「へっ?」
驚いたまま空を見上げると、そこには綺麗な花が咲いていた。
打ち上げられた光の塊を中心にキラキラ光った花弁がくっついてるように見える。
「わぁ…綺麗…」
思わず見とれてしまった。
「これがこの道具の効果だな。何処かの国では『花火』っていうらしい」
「そのまんまだね…でも凄いや」
「お前もこういうの作れるんだぞ?なら、才能を磨かないとな」
「うん!すぐにでも作りたいよ!作り方はなんとなくわかる…というかレシピが浮かんでくるんだ」
「才能のおかげだな。それはそうと魔技師は魔力を使えないと始まらない。そこからだな」
「魔力…って結局なんなの?」
「明日、叩き込んでやるよ。覚悟しろよ?」
「えっ」
そこまで本気にならなくてもいいのに…