「僕」の才能
「今日、今日だ。この日をどれだけ待ちわびたか…」
僕はようやくきた運命の日に有頂天になっていることがはっきりわかった。
今日は僕の15回目の誕生日。15歳になると同時に神様から一つの才能を授かれる大事な日。
才能は個人個人で違くて、今までしてきたこととか素質が関係あるとか親父に言われた。
正直、どうでもよかった。
なぜなら僕はどんな才能が貰えるのか楽しみで仕方なかったから。
「今日の夜に授かるのかぁ。かっこいい才能といえばやっぱり戦士かな。出世するなら神官とか騎士とかかな…うー待ち遠しい!」
僕はなんでもいいから才能が欲しい。別に何もできない奴じゃないけど、一生村で家畜の世話をするのはちょっと違うと思う。でも。
「やっぱり一番は勇者かな…英雄には憧れちゃうよね…」
数年前魔王を倒した勇者は、そのとおり勇者の才能を持っていたらしい。その勇者の英雄譚は、いつみても男の子の夢になると思う。僕も例外じゃない。
「そ、そろそろ時間だよね…いい才能に恵まれますように!」
僕は目を瞑って祈った。
少し経ったあと、なんだか体がポカポカしてきた。
次の瞬間、僕の胸のあたりから光が溢れ出した。
「き、きた!」
僕は踊りたくなるほどの嬉しさを必死に堪えて結果を待った。
暫くすると、光がたちまち僕の中に吸収されていく。
光が完全に消えたと同時に、僕の体の中で才能が開花したのが分かった。なんでか知らないけど。そんなことはどうでもいい!僕の才能は…!
「僕の才能は…
えっ、魔技師!?」
文の構成が変わっているのは仕様です> <