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吟遊詩人の忘れ語り

-女神の祈りと大鵬の啓示-

作者: -Sare-
掲載日:2016/10/08

 はい、如何も今日は。もう二十回目ですね。意外に続く物だ・・・。

 今回はタイトルの通り、大鵬さんです。もう説明の余地もないですね。

 要は馬鹿でっかい鳥です。鯤と言う此又大きな御魚さんが鳥に化けた物だそうです。どんな鳥かも分かっていません。取り敢えず大きいんです。一飛びに9万里も飛ぶそうですよ。もう地上には何も残らないでしょうね。

 他にも大きな雲華の事を大鵬の翼だと言う事もあるので筆者の中では真皓な鴫の様な鳥だと勝手に思っています。ほっそりとした頸に長い足と尾・・・うむ、たまらん。

 大きい鳥って他にも沢山居るので何だか色々と膨らみますよね。やっぱ大きいのが良いのかなぁ、もう蕭森から頭ちょこんと食み出してるじゃん!ってつい突っ込みたい子、沢山居ますもんね。

 さてそんな一飛びで世界に甚大な被害を与えてしまう大鵬が乗せるのは誰でしょうか。どんな願いを託されるのでしょうか。

 ある所(トコロ)に闘(タタカ)いの女神(メガミ)がいました

 女神(メガミ)は未(マ)だ年若(トシワカ)い者(モノ)でしたから、人々(ヒトビト)の願(ネガ)いは全(スベ)て叶(カナ)えようと思(オモ)っていました

 人(ヒト)の身(ミ)には余(アマ)りにも重(オモ)い誓(チカ)い、でも女神(メガミ)にとって其(ソレ)は切(セツ)なる願(ネガ)いではなく、只(タダ)、取(ト)るに足(タ)らない祈(イノ)りでした

 どうせ叶(カナ)うと思(オモ)っていたのです


 そんな女神(メガミ)に一(ヒト)つの難題(ナンダイ)が流(ナガ)れ込(コ)んで来(キ)ました

 此(コ)の世界(セカイ)で最(モット)も大(オオ)きいとされる二大勢力(ニダイセイリョク)、鵠(ハクチョウ)の国(クニ)と鴉(カラス)の国(クニ)が戦争(センソウ)を始(ハジ)めたのです

 闘(タタカ)いこそが女神(メガミ)の意義(イギ)です

 女神(メガミ)は戦争(センソウ)が起(オ)きたのを嬉(ウレ)しく思(オモ)いました

 女神(メガミ)は必要(ヒツヨウ)とされるのを待(マ)ちました


 でも民(タミ)の声(コエ)は直接(チョクセツ)女神(メガミ)には届(トド)かないので、女神(メガミ)は一羽(イチワ)の大鵬(タイホウ)を放(ハナ)ちました

 多(オオ)くの装飾(ソウショク)を施(ホドコ)した皓(シロ)く眩(マバユ)い大鵬(タイホウ)は、各国(カッコク)へ赴(オモム)き、願(ネガ)いを集(アツ)めました

 そして勝利(ショウリ)の女神(メガミ)は其(ソレ)を聞(キ)き入(イ)れました

 でも其(ソレ)が困(コマ)った事(コト)を引(ヒ)き起(オ)こしたのです


 鵠(ハクチョウ)の国(クニ)は言(イ)いました

 どうか我等(ワレラ)を勝(カ)たせて欲(ホ)しい、と

 鴉(カラス)の国(クニ)は言(イ)いました

 どうぞ勝利(ショウリ)の微笑(ホホエ)みを、と

 両国(リョウコク)が同(オナ)じ神(カミ)に同(オナ)じ願(ネガ)いを掛(カ)けたのです

 女神(メガミ)は困(コマ)りました

 如何(ドウ)したら良(ヨ)いのかと

 片方(カタホウ)丈(ダケ)勝(カ)たせても、自分(ジブン)の祈(イノ)りが、契(チギ)りが叶(カナ)いません

 何方(ドチラ)も負(マ)けるのは尚更(ナオサラ)です

 放(ホウ)って置(オ)く訳(ワケ)にも行(ユ)きません

 女神(メガミ)は両手(リョウテ)を翳(カザ)しました

 すると両国(リョウコク)の戦力(センリョク)が少(スコ)し丈(ダケ)上(ア)がりました

 女神(メガミ)は様子(ヨウス)を見(ミ)る事(コト)にしました

 戦争(センソウ)を長引(ナガビ)かせる事(コト)にしたのです


 数年後(スウネンゴ)戦争(センソウ)は激(ハゲ)しさを増(マ)す許(バカ)りです

 女神(メガミ)は久方振(ヒサカタブ)りに大鵬(タイホウ)を放(ハナ)ちました

 両国(リョウコク)の民(タミ)は言(イ)いました

 戦争(センソウ)を止(ト)めてくれ、と

 大鵬(タイホウ)は飛(ト)び立(タ)ちました

 でも運(ウン)悪(ワル)く、何処(ドコ)ぞの国(クニ)の民(タミ)の矢(ヤ)を受(ウ)けてしまいました

 翼(ツバサ)を穿(ウガ)った大鵬(タイホウ)は飛(ト)ぶ事(コト)も出来(デキ)ず、谷底(タニゾコ)へ真(マ)っ逆(サカ)さまに落(オ)ちてしまいました


 大鵬(タイホウ)を失(ウシナ)った女神(メガミ)、民(タミ)の願(ネガ)いを聞(キ)けません

 民(タミ)の願(ネガ)い等(ナド)露(ツユ)知(シ)らず、女神(メガミ)は両国(リョウコク)共(トモ)に勝(カ)たせる方法(ホウホウ)を見(ミ)付(ツ)けました

 要(ヨウ)は勝(カ)てば良(ヨ)いのです

 敵国(テキコク)の民(タミ)を皆殺(ミナゴロ)しにすれば良(ヨ)いのです

 女神(メガミ)は未(マ)だ年若(トシワカ)かったので、負(マ)けると言(イ)う事(コト)を知(シ)りません

 早速(サッソク)女神(メガミ)は指揮(シキ)でもするかの如(ゴト)く手(テ)を振(フ)るいました


 すると両国(リョウコク)の兵(ヘイ)が狂(クル)い、叫(サケ)び始(ハジ)めました

 そして行(イ)き成(ナ)り両国(リョウコク)の民(タミ)を殺(コロ)し始(ハジ)めました

 抵抗(テイコウ)しても殺(コロ)しました

 許(ユル)しを乞(コ)うても殺(コロ)しました

 虐殺(ギャクサツ)でした

 そして数年(スウネン)にも及(オヨ)んだ争(アラソ)いは一霄(イッシュウ)で終(オ)わりを迎(ムカ)えました

 両国(リョウコク)の兵(ヘイ)は、両国(リョウコク)の王(オウ)を討(ウ)ち取(ト)り、国(クニ)に火(ヒ)を放(ハナ)ち、狂(クル)い死(シ)んで行(イ)ったのです

 両国(リョウコク)は互(タガ)いに望(ノゾ)まぬ勝利(ショウリ)を収(オサ)めたのでした

 女神(メガミ)は跳(ト)び上(ア)がらん許(バカ)りに喜(ヨロコ)びました

 そして自分(ジブン)で自分(ジブン)を褒(ホ)め称(タタ)えました。

 何故(ナゼ)なら自分(ジブン)を称(タタ)える者(モノ)は、もう両国(リョウコク)にはいないからです

 両国(リョウコク)を燃(モ)やす光焔(コウエン)丈(ダケ)が、女神(メガミ)を祝福(シュクフク)しました


 両国(リョウコク)が燃(モ)やされた事(コト)で、世界(セカイ)の大部分(ダイブブン)は死(シ)の地(チ)となりました

 でも黔(クロ)い地(チ)に一転(イッテン)丈(ダケ)皓(シロ)く眩(マバユ)い所(トコロ)がありました

 然(ソ)う奈落(ナラク)へ落(オ)ちた大鵬(タイホウ)です

 そして大鵬(タイホウ)の近(チカ)くには、大鵬(タイホウ)の装飾(ソウショク)品(ヒン)であった種々(シュシュ)の貴石(キセキ)が散(チ)っていました

 でも其(ソ)の貴石(キセキ)は実(ジツ)は種(タネ)だったのです

 大鵬(タイホウ)の翼(ツバサ)によって劫火(ゴウカ)から免(マヌガ)れ、大鵬(タイホウ)の紅鏡(コウキョウ)の様(ヨウ)に眩(マブシ)しい翼(ツバサ)の輝(カガヤ)きによって照(テ)らされた種(タネ)は、目覚(メザマ)しく成長(セイチョウ)しました

 そして忽(タチマ)ち、深樹(シンジュ)になりました

 僅(ワズ)かに残(ノコ)った者(モノ)達(タチ)はもう争(アラソ)わないと深樹(シンジュ)に誓(チカ)い、祈(イノ)りを大鵬(タイホウ)の深樹(シンジュ)に託(タク)し、互(タガ)いに分(ワ)け合(ア)って深樹(シンジュ)に住(ス)み始(ハジ)めました


 面白(オモシロ)くないのは女神(メガミ)です

 争(アラソ)いがなくなりました

 闘(タタカ)いの女神(メガミ)である彼女(カノジョ)の存在(ソンザイ)意義(イギ)が失(ウシナ)われたのです

 困(コマ)った女神(メガミ)、でも女神(メガミ)は直(ス)ぐに解決(カイケツ)策(サク)を見付(ミツ)けました

 此(コレ)は迚(トテ)も簡単(カンタン)でした

 女神(メガミ)は手(テ)を打(ウ)ち鳴(ナ)らしました

 其(ソレ)と同時(ドウジ)に深樹(シンジュ)に焔(ホノオ)が灯(トモ)りました

 灯火(トモシビ)は深樹(シンジュ)を一色(イッショク)に染(ソ)めて行(ユ)きました

 其(ソ)の絳(アカ)の綺麗(キレイ)な事(コト)

 此(コ)の世(ヨ)の全(スベ)ての絳(アカ)を集(アツ)めても劣(オト)らぬ程(ホド)の煌(キラメ)きでした

 女神(メガミ)は深樹(シンジュ)を燃(モ)やしたのでした

 あの両国(リョウコク)と同様(ドウヨウ)に

 大鵬(タイホウ)の深樹(シンジュ)を燃(モ)やしました

 誓(チカ)いの深樹(シンジュ)を燃(モ)やしました

 深樹(シンジュ)に取(ト)り残(ノコ)された民(タミ)も一緒(イッショ)に燃(モ)やしました

 深樹(シンジュ)を創(ツク)った大鵬(タイホウ)も一緒(イッショ)に燃(モ)やしました


 深樹(シンジュ)を失(ウシナ)った民(タミ)は口々(クチグチ)に言(イ)いました

 鴿(ハト)の国(クニ)は桃花鳥(トキ)の国(クニ)が灯(ヒ)を放(ハナ)ったのだ、と言(イ)いました

 桃花鳥(トキ)の国(クニ)は自分(ジブン)の国(クニ)は死傷(シショウ)者(シャ)が多(オオ)いので、火(ヒ)を放(ハナ)った訳(ワケ)が無(ナ)い、啄木鳥(キツツキ)の国(クニ)だ、と言(イ)いました

 啄木鳥(キツツキ)の国(クニ)は少(スコ)し大(オオ)きい国(クニ)である九官鳥(キュウカンチョウ)の国(クニ)がしたのだと、と言(イ)いました

 九官鳥(キュウカンチョウ)の国(クニ)は鵜(ウ)の国(クニ)の民(タミ)が深樹(シンジュ)の奥(オク)へ行(ユ)くのを見(ミ)たから、彼等(カレラ)がしたのだ、と言(イ)いました

 鵜(ウ)の国(クニ)は逃(ニ)げるのが速(ハヤ)かったので、鶉(ウズラ)の国(クニ)がしたのだろう、と言(イ)いました

 国々(クニグニ)は国々(クニグニ)を虐(シイタ)げ、貶(オトシ)めて行(ユ)きました

 愚(オロ)かな若(ワカ)い女神(メガミ)は気付(キヅ)いていません

 自分(ジブン)が世(ヨ)から最(モット)も必要(ヒツヨウ)とされていない事(コト)に

 女神(メガミ)から悪(アク)神(シン)に変(カ)わっていた事(コト)に

 全(スベ)ての国(クニ)を巻(マ)き込(コ)んだ戦争(センソウ)が始(ハジ)まりました

 其(ソレ)は世界(セカイ)の全(スベ)てを破壊(ハカイ)する迄(マデ)止(ト)まらなかった然(ソ)うです


  -Fin-

 御疲れ様です。今回はちょっぴり長かったですね。

 実は此を書いた後、某漫画でちょーっと似ているシーンがありまして・・・や、やべぇ、パクリになるか?でもこんな無名な作品、だ、大丈夫だろ、自意識過剰だよ、うん。

 と、何とか己を鎮める事で投稿に漕ぎ着けました。良かった・・・出してしまえば此方の物だ。(酷い理論)

 さてと、今回は良い具合に世界滅亡エンドでしたが、次回は一応の一区切りになります。(書き溜めていたのが終わります。)

 でも此の休みに偶々見ていた道路の白線の御蔭で新しい物語が五つ程舞い降りて来ましたのでもう少し御付き合い頂けたらと思います。

 次は・・・筆者の愛して止まない、一番好きな幻獣です。もうべったべたの子ですけれど、可愛いのだから仕方ない、可愛いは正義、勁さは絶対。

 では良い物語を。

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