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近未来ストーリーG  作者: 活動寫眞
近未来ストーリーG3
9/14

天使と悪魔の協奏曲-後編-

娘カレンの誕生日プレゼントを受け取り帰宅する父

複雑怪奇な思いをしながらも自宅のガレージで隣に住むトニーらしき人物に襲われる

帰りが遅い夫が気になり妻が玄関から外へ出た

そこで何かを見た妻は悲鳴をあげ急いで自宅へと戻り戸締りをする

娘を安全であろう2階へと避難させる

が、カレンの身に危険が襲い掛かろうとしていた...

鍵穴からこちらを見ていた目と合ってしまったカレン

その目からは決して恐怖以外に感じられるものはなかった。

10歳の少女が恐怖で声が出ない...

一体どれだけのものだったのだろうか?


ドアから離れるが精一杯、もう体中の震えが止まらない

腰が抜けているわけでもないに立ち上がることすらままならない

腕に足にと生まれたての子鹿のように上手く力が入らない



ドンッ!



ビクッ!?



そんな中、向こう側から覗いていたであろう人物がドア1度大きく叩いた

しばらくしてまたドンっと叩いた...


一体なんの意味があるのだろうか?

カレンを脅かすため?出て来いとの合図?


叩く回数や強さだけが次第に増していく...



ドンッ!...ドンッ!...ドンッ!



私の誕生日になんでこんな思いをしなきゃダメなの?

私が悪いの?がんばって試験も合格したよ?

赤い靴なんでおねだりしたから?


頭の中は恐怖と疑問と後悔の念しか浮かばない。



ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!



もうプレゼントは要らない!

だからママ!パパ!助けてぇ!!

虚しい心の叫びだけがドアの叩く音の中で同時に響く



.........



突然ドアを叩く音が無くなった。

さっきまでドアの向こうに居たはずの人物がまるで消えたかのように

気配さえ感じなくなった...


ますでいつも通りの自分の部屋、その扉かのように...


なぜかそう思えたカレンは鍵穴を覗いてみて

そこには誰の影も形も見当たらない。



耳をすませても何も音もしないし息遣いさえ聞こえない。

窓の外を見てみるも誰もいない。


その時に気づいた。

いつの間にか夜が明けようとしていることに...


暗闇は恐怖や不安を増大させる効果がある。

太陽はどこかそれらを暖かい光で消してくれるような気がした...


カレンの顔に日が差し掛かり眩しい。

カレンは静かにドアの鍵を解除した。

そしてそっとドアノブを回し扉を手前に引き開けた...


扉の外は誰もいなかった。

ただ足元には赤い足跡が階段から引きずるように付けられていた。


何かわからないけど大丈夫みたいね、早くママを探さないと!


2階の部屋を探してみるも何処もにも居ない。

カレンの部屋を過ぎ1階への階段へと進む道には

赤い足跡が続いている。


警戒しつつ1階へと下りて行く。

玄関は鍵が閉められたままだった。

足跡は1階のリビングやキッチンの方とたくさん付けられていることに気づく


何処から入ってきたの?

この足跡は誰?赤いのは血?

ママは無事なの?パパは帰ったの?


!?


そんな考えが巡っているとお風呂の方から何かの音がした。

もしかして昨日の不審者がいる?それともママ?パパ?


足元には足跡がない。

怖かったがもしママやパパが隠れてるのかも知れない。

そう思い願いながらゆっくりとお風呂場への扉を開く...


だがそこには何もなかった。

音がしたのも勘違いだったのか、

シャワーの水が垂れたか何かの音だったのだろう思った瞬間!!



「見つケェたぁあアア!!」



真後ろで不気味な男の声が聞こえた。

恐怖で体が硬直するカレン!!

振り返る勇気が無い!目をつむり夢であること祈った...



ゴンッ!!



鈍い音と共にドサっと倒れる音がした。

すると後ろから聞き覚えのある声がした。



「カレン大丈夫!?怪我はない!?」



その声に反応し目を開けると、

足元にトニーおじさんが倒れていた...



「あ...!?」



倒れているトニーおじさんの目は鍵穴で見た同じ光を放っていた。

もう何がなんだか分からない。

でもこの声!!私は助かったんだわ!もう安心しできる!



「無事だったのね、、マ・・・マ・・・!!」



振り返ったカレンが目にしたのは

体中を真っ赤な血に染めて怪我をしている姿の母親だった。



「大丈夫よ!これは返り血だから。私はかすり傷程度よ!」


「ママ---!!」


「怖かったわね、一緒にいなくてごめんね。」



ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!



カレンは安堵の涙から一瞬にして昨日の恐怖へ舞い戻る

この叩き方・・・



「玄関のドアね...カレン!パパよ!」


ドアに向かい覗き穴から外を確認した母

外には見慣れた愛する夫の鍵を開けドアを開こうとした瞬間



「ママ!開けちゃだめ-!!」


「え?」


「たダいまァァアあ!マァマあぁア!!」


「ママ---!!」


「キャアァァァァァァァァァ!!」



ババンッ!



「と、カレンが今回紹介する商品はこちら!

 ママがトニーおじさんを一撃で倒したこの“万能掃除機”です!

 使い方の説明お願いねママ♪」


「OK!従来の掃除機と違って重さはありますが

 女性やお子様でも持てる程度になっています。

 コードレスタイプで充電式、2時間でフル充電は完了し連続使用時間は10時間!!」


「それはすごいねママ!でも充電式だと吸引力が徐々に落ちちゃうんじゃないの?」


「カレン良い質問ね!今日のおやつにママ特製プリンを作ってあげるわね!」


「やったー!!」


「カレンの指摘通り、電源が無くなれば吸引力が落ちてしまいます。

 でもご安心を!この掃除機、最初と最後までの吸引力は一切落ちません!

 その上で計算された10時間連続使用となっております!

 我が社の幾度と無く行った連続使用テストでも確認済み!!」


「それはすごいやママ!じゃー他にはどんな特徴を持ってるの?」


「ただ掃除するだけの時代はもう終り

 この掃除機があればいざという時に家や家族の安全も守れます!!」


「それがトニーおじさん一撃で倒したやつね!」


「その通り!いまご覧の映像でもお分かりのように

 取っ手の角度を変えるだけでこのような効果を出せるわけですね!

 つまり掃除機で掃除が出来る人なら誰でも使いこなせる」


「でもカレンのような良い子は悪いことに使っちゃダメだぞ?」


「毎日の家のホコリを掃除、悪者から家族の誇りを守ります!

 今回は我が社の132年周年記念特価としまして驚きの価格22円!!」


「えぇ!ママそんなに安くして良いの?」


「お客様あっての我が社です!」


「こんなに安いなら赤い靴じゃなくて掃除機を頼めば良かったわ!」


「お申し込みは放送終了後すぐの9.58秒間だけとなっております!」


「電話、インターネット、対応!どんどん買ってね♪」


「カット!!」

女性

「い・・・いや!や、やめてぇー!!!」


男性

「俺のナイフの餌食にぃぃぃ!!!」


女性

「今回ご紹介するのは“柔らかいのに切れ味抜群のナイフ”です」


男性

「ナイフって料理で使ったりするけど以外に手間かかるんだよね?」


女性

「サビ易いですしお手入れも大変!」


男性

「それに用途に応じて買ってたらこんなに沢山!

 これじゃー置き場にも困るよぉ~!」


女性

「ご安心ください!このナイフ!薄いのて柔らかにので

 どんなところにも収納できる上に、我が社独自の特殊加工を施してありますので

 12時間は確実にサビません!」


男性

「そいつはすげぇー!ちょっと目を離す好きにサビって着ちゃうからね」


女性

「切れ味もすごいンですよ!プロ顔負けの切れ味!」


男性

「どれどれ?」


女性

「キャッ-!!」


男性「あ!ほんとだ!プロの俺でもこの切れ味は納得です!」


女性「それでは気になる値段ですが...」



プツン!



視聴者「何処の通販もマンネリで飽きたな...」

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