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近未来ストーリーG  作者: 活動寫眞
近未来ストーリーG2
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お客様は神様デス-中編-

2022年12月、ある男性の死体発見から始まった。

それは数年前に盗まれた“プレゼントのケース"が男性宅から発見された。

しかし、“プレゼント”は不明。その翌日から世界有数のデパートオーナーであり

“プレゼント”の発案者が失踪。デパートで従業員の不可解な死、

その事件に関わった数百名の警察も一夜にして行方不明。

一体何が起こっているのだろうか?

【AM10:00】

夢や希望を与えてくれる“未来deデパート”らしく

陽気な音楽と共に開店時間を迎える。音楽とは裏腹に外では異様な空気が漂っていた。

そして開店と同時に一斉に数百人がデパートへと雪崩れ込む。

この時期、年末商戦もあり普段にも増して長蛇の列が出来ることは珍しくはない。

だがこの日は違った。中へ入った男達は全てがヘルメット、マスク、

プロテクターを体に装備、手には銃を携えていた。


各フロアーを隅々まで確認作業を行い、担当の部隊が順番に無線で報告を

繰り返すのを外の作戦本部で受けていた男がいた。



クク大佐

「各フロアーへ継ぐ、どんな痕跡でも構わない。

 塵一つたりとも見落とさずに発見し、順次報告せよ!」



メン隊長

「大佐!警察の手に負えないとは言え、

 我々軍がこのような作戦に借り出されるのはどうしてなのでしょうか?」



クク大佐

「ふん、上の考えることなど知らん。我々はコマに過ぎない。

 言われた通りに動くしかないのだよ」



-無線-

「こちらAFRO小隊、15階にて鋼鉄の扉を発見!直ちにBチーム派遣を要請します。」



クク大佐

「了解。今聞いたとおりにBチームは現場に向かえ!

 他の小隊は引き続き捜索に当たるように!以上だ。」



-無線-

「了解!」



クク大佐

「メン、お前も現場に直行してくれ。指示は追って出す。」



メン隊長「了解しました。」



メン隊長

「15階、鋼鉄の扉に到着。デパートに似つかわしくない大きさです。

 縦13m×横11.5m、各センサーで検査しましたが中に複数の物体、

 紙幣や金塊、宝石の反応は無いですが形状は巨大な金庫の様です。」



クク大佐

「何か余程大事なものを入れているに違いは無い。

 場所柄、不明瞭な部分が多いので慎重に作戦を進めるように!」



-無線-

「了解」



クク大佐

「警官隊消失から数日で我々が招集された。

 事件の解明目的もそうだろうが、事件に託けて上層部の真の目的は

“プレゼント”回収といった所だろう。確かにその謎は多く、

 入手すれば国家的にも軍事的に喜ばしいと考えてるのだろう。

“プレゼントは子供たちのためにある”・・・オーナーは一体どこへ?

 不気味なデパートと化しているこの要塞。一体何を隠しているんだ?」



【PM7:30】



クク大佐

「これより各フロアーの部隊は帰還準備にかかれ!」



メン隊長

「大佐!もう少しお時間を下さい。

 扉が少し浮き始めたので数分で行けると思います!」



クク大佐

「ではBチームは15分後に退去、残りは今すぐ取り掛かれ以上!」



-無線-

「了解」





メン隊長

「鋼鉄の重さが予想以上にあったので慎重を規してましたが

 カメラが入る程度の穴が貫通しました。直ぐにそちらに映像を送ります。」



クク大佐

「・・・もう少し画像を鮮明に出来るか?」



メン隊長

「やってみます・・・」



クク大佐

「・・・ライトに反射しているな、赤外線にカメラ切り替え

 そしてもう少し右側にカメラを回せ!」



メン隊長

「!?」



クク大佐

「これは・・・顔・・・か?」



-無線-

「っあああ!!」



クク大佐

「どうした!メン!聴こえる!応答せよ!」



-無線-

「ジィィィィィィィィィィィィ・・・」



クク大佐

「緊急指令!建物内に残っているものは速やかに出よ!

 すぐさまAチームを派遣する!本部前に集合せよ!」



館内放送

『-BGM-まもなく閉店時間となります。お客様は・・・』



クク大佐

「なんだ!?」


小隊長A

「デパートの閉店時間の様です!」




【PM8:00】

陽気な音楽もデパートの閉店と共に流れればそれは夢の終わりを告げる合図。

切なくも寂しく感じてしまう音楽の中、静かに店を門は閉ざされていく。

そして静かに音楽も消え、一瞬にして店の照明が消された。




クク大佐

「クソ!電源の供給は内部だが、外からもされているはずだ!

 直ぐに調べろ!各小隊は進入経路を確保!後に報告だ!」



小隊長A

「大佐!上層部から帰還命令が出ました。」



クク大佐

「ふざけるなっ!まだ中に仲間を残して戻れるか!

 このままでは過去の事件が繰り返されるぞ!

 引き続き命令通り動け!上層部とはこちらが掛け合ってくる!」



小隊長B

「大佐!無線です!微かですが無線傍受しました!」



-無線-

「・・・こち・・・メン・・・・・・・・で・・・ぜつ」



クク大佐

「聴こえるか?こちらクク大佐だ!メンか?無事か?」



-無線-

「・・・1・・・・・・ぜ・・・・・・しました。」



クク大佐

「電波が悪い!聴き取り辛い!繰り返し頼む!」



-無線-

「・・・B・・・自分・・・・・・以外は・・・・・・全滅」



クク大佐

「何があった!直ぐに救出に向かう!」



-無線-

「敵・・・・・複数・・・ザァ---」



小隊長B

「通信切れました。」



クク大佐

「どうやら奴以外は全滅のようだ。急いで救出準備しろ!」



通信兵

「大佐!先ほどの無線ですが、僅かですが妨害電波が出されています。」



クク大佐

「どこからだ?」



通信兵

「このデパート内からです」



クク大佐

「どういうことだ・・・電波遮断でなく妨害の意味は・・・誰が??」



通信兵

「あと、途切れてつながる迄の間に無線に叩く音が」



クク大佐

「モールス信号か?」



通信兵

「はい。いくつか分からない部分も多いのですが、一つだけわかった単語が」



クク大佐

「それはなんだ?」



通信兵

「・・・人形です」





つづく

「-登場人物-」

【クク大佐】事件を担当する軍部の部隊を指揮する立場。

【メン隊長】大佐の部下。今回の作戦における選抜チームの隊長。

【チーム】A=特殊救助、B=工作班、C=医療班、D=通信班

【小隊長】1個小隊・約10名で編成している。その小隊をいくつか束ねている立場。

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