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近未来ストーリーG  作者: 活動寫眞
近未来ストーリーG2
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お客様は神様デス-前編-

【お客様は神様デス-前編-】




西暦2199年,人類は存亡の危機に陥っていた。

地球上で人類が誕生して以来、無くなる事のない戦争。

幾度と無く繰り返された戦争は多くの犠牲を代償とした。

しかし、まだ残った人類に課せられた大きな十字架が存在していた。

絶望と拒絶の中、最後の男たちが立ちがあった。



ヘモ「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」


ロン「さすがのヘモも息を切らせてますねぇ」


ヘモ「ったりまえだっ!あんな異常物体をどうしろって言うんだよっ!」


ロン「まさか幾度と無く起こった大戦の最中も残っていたなんて」


ヘモ「バケモノだよ、どういう仕組みしてんだ?」


ロン「あいつがある限り人類に未来永劫、平和はきませんぜ」


ヘモ「だろうな、20世紀の負の遺産だ。」


ロン「我々も武器・弾薬も限りがあります。」


ヘモ「まぁ、これもどの程度効果があるか・・・」


ロン「核でもぶち込めば少しは効くんですかねぇ」


ヘモ「使えばこっちが先にくたばるがな!」


ロン「ただでさえ地球上の大半の動植物が死滅したんで酸素濃度も低く

   長時間表を歩くのも限られた時間ですからねぇ」


ヘモ「先人どもがトンでもない遺産を残してくれたもんだよ!」


ロン「どーせならもっとボバァーっとしたのを残して欲しいもんです」


ヘモ「ああ、そうかい。」


ロン「ところでヘモ?」


ヘモ「なんだ?」


ロン「あれってこちらから何もしなければ攻撃してこないと思うんだが違うか?」


ヘモ「・・・・ああ、して来ないね」


ロン「ならもうこれ以上、被害出さないためにも放置しないか?」


ヘモ「それは無理だ!」


ロン「どうして?あれがあるから平和は来ないと言ったが、

   それは皆が手を出すからであり、放置しちまえば・・・」


ヘモ「約束なんだよぉ」


ロン「約束?」


ヘモ「ああ、それに途中で止めるなんてオレのプライドが許さない!」


ロン「へぇーそんな犬さえ食わない薄っぺらいもののためですか?」


ヘモ「おまえ突っ込め!ただ後ろに気をつけて進めよ!」





西暦2020年、12月のクリスマスの夜に事件は起きた。

“未来deデパート”から“プレゼント”が盗まれてしまったのである。

その翌日から“未来deデパート”は無期限の休業宣言をオーナーが発表する。

全店舗の従業員への給料支払いなどは保障されたが株価暴落を招く自体へとなった。

しかし、オーナーが巨額の資金で補填したと言われ、恐慌になることはなかった。



【未来deデパート】

1999年7月オープン。オーナーが一代で築き上げた世界有数のデパート。

世界数十カ国に支店を持ち、毎年有名なイベントを2つ行う。

1つは巨額の資金を使い世界平和へと貢献する。

1つはクリスマスの夜、世界で一人だけの子供を選び、特別なプレゼントを行う。

そのプレゼントは完全なる非公開で、過去に受けた子供たちも何を受け取ったかを

詳細は不明。ただ受け取った子供たちに共通して言えるのは

“幸運”に恵まれるということ。



西暦2022年、12月のクリスマス前夜に再びオープンする事となった。

夢や希望を与えてくれるデパートと謳われた面影はなくなったが

皆が待ち焦がれたものはそこにはあった。

オーナーが再び幸運の子供選びを行うと宣言した。



翌朝、オーナーは警察に訪れることになった。

ある男性の遺体が発見された。身元を調べると窃盗などの前科があったが

事件性は無く心臓発作と病死と判断されたものの、自宅を捜索したところ、

数年前に盗まれた“プレゼントのケース”が発見された。

残念ながら中身は無く、この男が盗んだ犯人だと後の調べで確定した。



その夜、オーナー自らサンタクロースに扮しての“プレゼント”イベント。

世界中が食い入るように見つめる中、オーナーが一言を発する。



「プレゼントは子供のためにある。それ以外の者は受け取ったり、

 ましてや盗んだりなどしてはいけない。・・・そこで私は考えた。

 今後も子供たちのために続けるためにも新しいデパートとして生まれ変わった!」



オーナーはその時を最後に姿を消した。



顧問女性弁護士によると全ての経営方針や財産分与など全ての手続きを終えており

自分は旅に出るので後のことは頼むと言われたそうだ。


他に条件として、

①オーナーは退任せず席は残す。

②内容は数年間の従業員の給料、退職金を支払い解雇。

③お客様以外のデパート内への出入り禁止。

④これらは発表された時刻を持って効力を発揮する。

⑤毎年のプレゼントは私が行う。



そして事件は起きた。

従業員が閉店後に2名死亡。

一名は、橋の欄干に首を吊るされていた。体中をイルミネーションを巻かれ光っていた。

一名は、デパート裏のゴミ収集場。原形を留めないほどの圧力死。

デパートの防犯カメラには何も映っていない。指紋も凶器も見つからない。

捜査は難航を極めた。



上からの圧力もあったが警察は捜査するも手掛かりが見つからず、

徹底的に捜査を行うべくデパートを封鎖し強行捜査に踏み切る。



翌朝、捜査員数百名が忽然と行方不明となった。





つづく

「-登場人物-」


【ヘモ・グ=ロビン】特殊部隊隊長、狙撃の名手、情に脆いがロンには強い。

【ロン・ニュー】特殊部隊副隊長、弾が避けると言われる動きから“突撃隊長”の異名を持つ。

【オーナー】世界でもトップクラスの経営能力に総資産。平和をこよなく望む男。

【顧問弁護士】オーナーの意向を知り得る唯一の女 (男性)

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