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近未来ストーリーG  作者: 活動寫眞
近未来ストーリーG
1/14

学校ノ怪談-給食室のシェフ-前編

この物語はフィクションです。


この学校には開かずの間がある。

それは「給食室」、今は作られることのなく封鎖されている。

だが、そこには恐ろしいシェフが存在した。

そんなシェフが動き出した時、学校に不幸が訪れる・・・



先生

「今日は給食が出ます。」


生徒A

「そんなものあったのか!?」


生徒B

「学食とは別に給食のおばさんが作ったときにだけ出てる。

 それはいつかはわからねー」


生徒A

「どんだけ気まぐれシェフなんだっ!」


生徒B

「まっ、入学して2年と9ヶ月経って初めて出るから気がつかないのも無理はね。

 俺も先輩から聞かされていただけで、その先輩は3年間食えなかったとか

 先輩の先輩は時に毎日出たこともあったとか、

 休みの日も家に持ってこられたってね」


生徒A

「どんだけやる気あんだ!無いときとある時の差が激しいわ!」


先生

「そこ!少しうるさいぞー!今から全員に配る、そこは騒いだ罰として配れ」


生徒B

「お前の所為で損な役割だ」


生徒A

「お前が語るからだろ!ツッコミの習性なんだよ!」


先生

「お前ら、黙って配れ!ツバとか飛んで入ったら嫌だろ?

 仏の顔も3度までって言うだろ?次に騒いだら先生愛用の無駄に長ーい

 この物差しでケツ叩くぞ!」


生徒C

「先生、物差しに血がついてます!」


先生

「ああ、昨日きつく叩いて血がついちまったんだな、拭き取るの忘れてたわ」


生徒C

「きゃぁ!先生、私の制服で拭かないで下さい!」


先生

「ん?気にするな、病気とかないし俺の血だから安心しろ」


生徒一同

「自分のケツ叩いてたのかよ!!」


先生

「はーい、ご苦労さん。全員に行き渡ったな!」


生徒B

「おい、これって・・・」


生徒A

「茶碗蒸しだ。お前、知らないのか?」


生徒B

「知ってるよ!見りゃわかるし!これが給食かよ!」


生徒A

「まぁ、そうらしいな。」


生徒B

「(しかし茶碗蒸しらしい器なかったのかよ・・・)」


先生

「今日は給食のおばさんが丹精込めて一人で作ってくれた。

 そんな給食のおばさんにお礼を言うぞ。ではお入り下さい!」


シェフ

「えぇー、ご紹介に預かりました本校のキッチンスタジアムを司るシェフです。」


生徒A

「紹介されたのは給食のおばさんだよな?シェフに自動変換されたぞ!?」


生徒B

「やっぱ気まぐれかよ!しかも思いっきり給食員って書いてるのにキッチン!?

 司るってあんた鉄人か何かか!?茶碗蒸しだろ!」


先生

「おい、静かにって言っただろ!ホコリが立つからやらないが

 あとで無駄に大きい三角定規責めだからな!校長室来るように!」


生徒一同

「校長も趣味なのかよ!絶対専用室あるよ!!」


先生

「茶碗蒸しだけだと侮るなかれ!

 シイタケ、三つ葉、銀杏、鶏肉、魚肉、かまぼこ、と食材も豊富に入っている!

 それに出し汁と溶き卵を混ぜたものを蒸し器で蒸したものだ!」


生徒B

「わざわざ調べたのかよ!それくらい食ったことあるなら知ってるだろ!

 しかも後ろの黒板をカンニングペーパーにしてるぞ!

 通りで後ろ目線だと思ったよ!」


先生

「火加減も重要だ!やり過ぎると硬くなる!短いと固まりきらずに汁っぽくなる!」


生徒A

「なんか料理教室で注意されてる気分になってきたぜ」


シェフ

「チェストーーーーーーーーッ!」


先生

「んなぁーーーーーーーーーーーーー!」


ドーーーン!!!


生徒B

「な、なんだっ!?」


シェフ

「クダクダしゃべってないで食え!冷めるだろ!」


先生

「す、すいません・・・・・・ぐはっ・・・・・・・お、お前ら感謝を込めろ!味わって食え!」


生徒一同

「(うわっ!込めなきゃ殺される!)」


生徒A

「込めろってか、分かったよ先生!

 あんたの最後の言葉はしかと受け取った!」


先生

「いや、先生死んでないから・・・ぐはっ!」


生徒B

「死にかけてはいるなぁ。では早速・・・!?」


生徒一同

「!?!?!??!?!?!?!?!??!」


生徒B

「おい、これ・・・」


生徒A

「箸が通らないくらいカチカチだな」


生徒B

「冷め切ってるよ!どう蒸したらこうなるんだ!」


シェフ

「あら、暑い季節だから冷たい冷製茶碗蒸しよ!」


生徒B

「(とりあえずお前が冷静になれ!大体、真冬だぞ!何が暑いだよ!

 どんな熱血馬鹿で血潮が熱かろうが寒いわ!)」


生徒A

「こんなの食えたもんじゃないぞ」


生徒B

「(おい!襲われるぞ!)」


シェフ

「あら、ごめんなさい。箸じゃーすくい難いわよね、はい、匙!」


生徒B

「あんたが救い難いわ!匙投げたい・・・」


生徒A

「あっ、すくいやすい。」


生徒B

「(って食うのかよ!・・・いや、食わねーと先生の二の舞だ。

 今ので完全に他のみんなは困惑している。

 それにこれをスプーンでしゃりしゃり削って食えってか?

 まさか茶碗蒸しとはねぇ、それに配ってる時に冷気を感じなかったのは

 器に何らかの加工をしている。どんだけ冷たさに拘ってるんだ!

 あのおばさんはよ!しかし、隣のこの馬鹿ほっといて、

 なにか打開策を講じないと・・・・・・)」


生徒B

「おばさん、ちょっといいですか?」


シェフ

「次からはシェフでお願いね。何かしら?」


生徒B

「シェ、シェフ!確かに冷製茶碗蒸しは嬉しいんですけど

 オーソドックスな暖かい茶碗蒸しも食べてみたいなって

 (ふっ、冷製を味わい、暖かい味も食べたいとシェフ心をくすぐる!

 そうすれば、このカチカチ茶碗蒸しを熱湯に入れて暖める!

 名づけて2度おいしい作戦!うまい以前の問題ではあるが・・・)」


シェフ

「なるほど、そうよね。折角、庶民では食べた事ないのを

 食わしてやろうと丹精込めて作ったのに・・・」


生徒B

「(しまった!裏目に出たよ!やばい!)」


シェフ

「まぁ、いいわ。こんなこともあろうかと

 暖かい茶碗蒸しも用意してあるのよ!

 食べ盛りの坊や達、たんとおーたーべー!」



ドゴォォォォォォーーーーーン!



生徒B

「(初めから暖かいの出せよ!というツッコミはさておき

 な、なんだこの異様な量の茶碗蒸しは!?どこに隠し持っていたんだ!?

 何十・・・いや、何百リットル!?ステンレス製のタンクにみっちり茶碗蒸しが!?」


シェフ

「さぁ、食べ終わった茶碗取り分けてあげるわよ♪」



【後編へ続く】

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