家族のステップ
メグミ⑦ 続き
「どこへ逃げようとしていた?」
「逃げようなんてしてないわよ。
おばあちゃんが洞爺湖を見た言って!
だから向かってたの!」
ジャズしじいも援護射撃。
「その子は悪くない。俺が呼んだから
こうなった。」
まあ、そうではあるが。
「でも、脅迫状がある」
「未成年の子供の狂言ですよ、
しゃれしゃれ」
ジャズしじいがまとめようとしても
怖い視線の警察。
その時、わたしの中で涙がとまらなくなった。
「だって私の家滅茶苦茶なんだもん!
ママはインランで、パパはリストラ
みんなウソつき」
パパが私の方に駆け寄ろうとした時だ。
おばあちゃんが倒れこんでウーウーと
のたうち始めた。
おなかを押さえて、痛そうだ。
その時、大きな体の確か船越とかいう警部が叫んだ。
「誰か!救急車だ!はやく呼べ!」
おかげで、全員、元の病院に。
集中治療室の前で警部が聞いてきた。
「おばあちゃん、ガンなのか?」
「はい、余命2ケ月です」
余命を聞いたとたん、隣にいたパパが
倒れこんだ。
「おふくろ,,,,,」
それは、遺産のことも、駆け落ちのことも関係ない、息子の嗚咽だった。
パパ、おばあちゃんはね、もうすぐいなくなるの、だからちゃんとしてあげて。
あんた、子供でしょ!
少しは愛を見せなよ!
船越警部 ②
「おっ、北海道ですか!!」
思わず興奮してしまった。
田所義男の持ち込んできた脅迫状は、消印が札幌だ。
しかも、聞くと娘が家出したらしい。
その2日後の消印が押されていた
・・・関係ないわけがない。
こんな可愛い分かりやすい脅迫状、まあ高校1年としては、子供っぽいが、ばあさんと組んで、一芝居打ったんだろう。
まあ、警察を嘗めちゃいけない。
写真を北海道の各署にばらまき、道路の監視カメラで、ジャズのじいさんの車を
張ったら、2日で発見。
船越の北海道出張は、3日目で終わり。
車は突然町から離れたので、最後はちょっとしたチェイスになったが、
それは、ご愛嬌。
おいたをした娘と、いい年して駆け落ちする老人たちにお灸をすえただけ。
聞くと、病院から抜け出し、近くの洞爺湖をばあさんに見せるつもりだった
らしい・・・なかなかしおらいし子だが、この娘、じつは補導歴がある。
町の繁華街で補導されて、しかも「援助交際の疑いがあったが、本人の自供は
得れず・・」と長所にある。
で、サッポロの署で、全員ご対面。
ママはインラン、パパはリストラ、という娘。
その娘はエンコウ・・・・おばあちゃんは余命2ケ月と
出てくる、出てくる・・・
これは、驚いた。
そして、パパは東京から向かう飛行機の中で、このリストラを隠してくれと
…頼んできていた。
娘は、ばれている事も気づいてない様子。
おばあちゃんの余命は、その日に確認できた。
ママのインランは、証明はむずかしい。
みんな秘密を関している。
本当に、この頃の家族は、どこかオカシイ。




