家族の告白
メグミ 16歳 ④
ジャズじじいと逃亡したおばあちゃんの名前は、幸子。
凄い旧家のお嬢さんだったらしい。
栃木の山奥の村で、地主をやっていたらしく、子供時代は乳母日傘の育ち方で、
村のマドンナだったらしい。
今回初めて写真を見たけど、確かに綺麗なおばあちゃんだ。
戦後の区画整理でだいぶ土地を手放したらしいが、それでもお金持ちと
パパが話していた記憶がある。
でも、ママと反りが合わず、パパとおばあちゃんは絶縁状態。
パパってママの味方をしたらしい。
・・・・・あんな浮気女のために・・・馬鹿なオヤジだな~
だから、私はあった事がないんだ。
おばあちゃんの家出を警察に届けて、もう1ケ月たった。
だけど・・・何のてかがりもないらしく、パパとおじさんはお手上げ。
「こりゃ長期戦なるな~」
パパがそういい始めていた。
「もう迷惑な人だわね。でも、パパ、遺産の事は話しつけなきゃだめよ。」
「何言ってるんだ!!まずは探すことだろ」
「だからあなたは甘いのよ。7年で死亡扱いになるはずよ。
それまでにちゃんとしとかないと、馬鹿見るわよ」
ママって、ほんとひどい奴。
愛も情けもあったもんじゃない。
こんな事いうのも、遺産のため・・・・・・
最近は、ママの外出がやけに減って、この遺産の話ばかりしている。
男より金、性欲より物欲、快感がそっちにいってるのだろう
ほんと醜い・・・でもそのDNAが私の中にある。
ってな、家庭にそんなはいたくないので、私は、小遣い稼ぎを兼ねて
いろんな男とランデヴーを楽しんでいた。
そんな時だ。
一本の電話が入った。
「メグミかい」
そこそこ中年な男の声。
エンコウの客・・・・・
「誰?」
「シュンジだ」
そんな名前聞いたことはない。
誰だ・・
☆☆☆☆あなたの家族につながりはありますか???☆☆☆☆
シュンジ 80歳 ①
そのJAZZ喫茶の名前は「MONK」
もちろんセロニアスモンクから来ている。
録な仕事もせず、45才でこの店をはじめて35年、ただただジャズの名盤をかけ続けた。席は15しかなく、1日30名位しか来ないが、酒を飲むなじみ客ばかりで1人2000~3000円単価と悪い売り上げではない。
まあ店のローンは終わってるので、月20万の利益があるから、悪くない。
国民年金8万で、それなりの暮らし。
そんなショボい店に、サチコ姫が来たのは、半年前。
75才というが、若々しい。
オードリヘップバーンを白髪にして3/4に縮小した感じ!しわしわだが。
カウントベーシーとかシナトラから入門のジャズ初心者に、オーソドックスじゃあない、マイルス・デイビスやコルトレーンを教えていく、まあジャズ音楽の家庭教師になってしまった。
いちいち感心してくれるが、にこりと微笑むだけ、決して馬鹿笑いしないのが、
育ちの良さかもな、で、ほれちゃった。
でも、この年になると、男の機能は年中休みだらけ、ってことで、キス、いや接吻しかしてない。
しかも一度だけ、でも、それで満足。
サチコ姫が、家出したいって言って来たときは驚いた。
下ネタなんて言えば張り手が飛びそうな真面目なオーラ。常識的な人生しか見えない彼女は天使とも言える。しわしわだが。
で、彼女と町を離れることにした。
だって彼女か言うんだ。
「最後の旅がしたい」
「えっ・・最後って???」
まさか・・・
「私ね・・ガンなの」
まさかのまさかだった。
姫のいう事は、なんでも聞こうと決心した。
北海道を転々として、10日目・・・彼女は倒れた。
「誰かに知らせようか?」
彼女は答えた。
「いいの・・・あなたといるだけで・・・子供には知られたくないわ」
そういうわけで子供を一つ通り越して、孫に電話したわけだ。




