絶望
振り向いた瞬間そこには...変態がいた。
変態は2人いて、残念なことに見覚えのある顔をしていた。一瞬他人の振りをしたらいいのか戸惑ったがギルド内なのでどの道全員知っているのでしなかった。街中だったら即他人の振りしてたな...
変態の2人とは見覚えのあるユミさんとミキと言う人である。現装備はチョコレートとある...
どっかのギャルゲーで良くありそうな展開だな
『ヤッホ〜!そ〜く〜ん』
と言いながら飛びついてくるミキ。そしてユミさんは皆に『これこそが18禁に入らない格好、さぁ見るが良い皆の者、この15禁の格好を!フハハハハ...』
『いやいや、15禁には一応入るんかい』
つっこんだはいいがユミさんの笑い声で俺の声が吹き飛ばされた。しかもついにあの人は頭が逝かれたか...あっ元から逝かれてたか、なんで俺の周りにはこんな人ばかりいるんだよ。
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そんなガヤガヤとした時間が過ぎ...
『それではギルド会議を始める!』
俺らのリーダーユミさんがかっこよく言ったのは良いんだが...
『会議始める前にその格好どうにかしましょうよ』
と言うとさっきの装備チョコレート(15禁)のまんまだった
『え〜まず今回集まってもらった理由は...』
いやいや、無視するなよ、早く着替えてよ!そこで荷やついているミキもな!
『新拡張エリア、ボスのア・ドライグ・ゴッホを倒すために集まってもらったんだ!! 』
『あ〜もしかして今回大型アップデートして誰も倒せないって噂のドラゴン?』
『しゅん、あったりー!そうそう。今回の目的はそのドラゴンの討伐。噂では凄いお宝がドロップするとか』
『そのお宝を売ればこ、これでそ〜ちゃんと二人で暮らせる家が建てられる!ぐふふふふ』
『なんだよミキ、その不気味な笑み。怖いんだけど...』
久しぶりに会ったって言うのに全然変わってない。少しは変わってほしいもんだ...
『ところでそのドラゴンどこにいるんだ?目星はついてるのかよ』
しゅんが少し心配そうな顔で言っていたがユミさんはドヤ顔をしていた
『そんな目星特区の前についたわよ!場所は火山地帯の焔黒犬・ヘルハウンドのいるシフルフォード最奥にいるわ』
『ヘルハウンドってまさかあの!?防御魔法・スコールが効かないって噂のあいつか』
防御魔法・スコールは少しの間だけ完全に攻撃を遮断できる。だがそのかわり攻撃力がめちゃくちゃ下がるんだけどな。けどその間に他の前衛が攻撃したらほぼ確実に大ダメージを与えられる
『まぁ攻略会議はまた今度にして...』
少しシーンとした瞬間ユミさんが立った
『久しぶりに全員集まったんだから〜ソウルで』
『ちょっと待ってよぉ〜』
そんなとき聞き覚えのある声が聞こえた。
そして嫌なことが一瞬にして蘇ってきた。
もう他人の振りも出来ないので振り返ってみると全員に忘れられていたマリーがいた。
なんか凄く疲れてそうだけど俺は何故か嬉しかった。
『リーダー置いていくから遅くなっちゃったぁ〜』
息が整ったようでマリーが遅れた理由を話してきた。
『だってマリー何もない所で転んだり、分かるようなトラップに引っ掛かるし〜、しかもマリー!ドラゴンあるでしょ。なんで乗ってこなかったの?』
少しミキさんに同情してしまう自分がいた。
そうマリーは強いんだがドジが多すぎて困っている...
『ドラゴンさん今日機嫌が悪いの』
あ~あのドラゴンか...名は確か『マグラ』だっけ、ものすごい機嫌が悪い時とかは俺達にも攻撃してくるから気をつけないといけなかったな
『なんでそんなドラゴン連れてきたのよ。ピュアとか連れてきたら良かったじゃない』
『ピュア今デート中で』
はぁマリーのドラゴン使えないな
『飽きれるほど使えないわね~。まぁいいわ、これで全員集まったことだし、ソウルお楽しみ会と行きましょ〜』
『『『『イェーイ』』』』
その一言によってギルド内は騒がしくなり、ソウルの身は危機に陥った。
『しゅんー助けてくれー』
しゅんはログアウトしました。
そのログを見て絶望を久々に味わった。