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悪魔倶楽部  作者: ぴらみっど
激動編
150/359

3人の砂原



 砂原は脇を締めて右手を顎の前、左手を目の高さに置いてボクサーのような構えを取る。腰の位置をやや低くして、樹流徒を迎え撃った。


 手足のリーチは体が大きい分だけ砂原が(まさ)っている。リーチの長さで優位に立つ者は相手の攻撃が届かない場所から一方的に攻撃を打ち込むことができる。そのため、両者の戦いが通常の格闘技であれば先手を取ったのは砂原だっただろう。

 しかし、これは異質な能力を持つ者同士の戦い。樹流徒は悪魔フラウロスの長い爪を使用することにより、リーチの差を逆転した。


 樹流徒は、砂原の攻撃が届かない位置から腕と爪をいっぱいに伸ばす。相手の脇腹に狙いを定めて鋭い一閃を放った。砂原は上体を横に捻って攻撃をかわす。必死の回避だったに違いない。男の強張った表情がそれを如実に物語っていた。


 一太刀目を避けられた樹流徒は、しかし驚異的な速さで相手の動きに反応する。砂原が体勢を崩したと見るや、前方上空に跳躍して蹴りを放った。足の甲が男の顎を的確に捉える。樹流徒の攻撃が初めて相手に命中した。

 砂原はよろめいて一歩後退する。機先を制した樹流徒はすぐに追撃の空気弾を放った。ほぼ無色透明の弾丸が男の肩を襲う。砂原は背中の翼を重ねて盾にしたが、それでも防ぎきれない衝撃を受けた。服に小さな穴が開き、露出した皮膚からうっすらと血が滲む。


 ここで砂原がたじろぐようなことがあれば、樹流徒にとっては一気に勝負を決める好機だったが、砂原は負傷しても全く動じていないようだった。彼はすぐさま反撃に転じる。宙に魔法陣を描き、至近距離から銀色の砲弾を連射する。

 それよりも早く、砂原の瞳から樹流徒の姿が消えていた。樹流徒は予め相手の反撃を見越して垂直に飛んでいたのである。更に空中で体を丸めて前宙を繰り出し、回転の力を加えた踵落としを砂原の頭頂部に叩き込んだ。衝撃で男の頭ががくりと沈む。


 砂原は顔を上げながら後退(あとずさ)った。

 着地した樹流徒が追う。彼は敵にぴたりとくっついて距離を開けさせない。接近戦を維持する。密着した状態ではフラウロスの長い爪よりも、チョルトの短い爪の方が扱い易い。樹流徒は相手を追いながら爪を換装した。


 迫る樹流徒に対して、砂原は左ジャブを放ち、その腕を引くと同時に右ストレートを放り込んだ。綺麗なワンツーを繰り出す。樹流徒は頭を左右に振って相手の拳を連続してかいくぐった。ついでに背を低くして砂原の脇腹に今度こそ爪を突き立てる。無論、相手を殺さないように急所は外しておいた。一方の砂原も樹流徒を生かしておかなければいけないだろうから、相手の命を奪わず戦闘不能にしなければいけないという条件はお互い様だった。


 脇腹に一撃受けた砂原はむっと声を漏らして、片手で脇腹の傷口を押さえる。樹流徒の攻撃は止まらない。今までの鬱憤を晴らすかのようにたたみ掛ける。爪を大きく横になぎ払いながら、その勢いを利用して体を横に回転させた。

 砂原は傷が痛むのか、鈍い動きで後方へ下がる。樹流徒の爪は相手の胸をかすめて空を切ったものの、そのあと流れるように繰り出された回し蹴りが砂原の鳩尾(みぞおち)を捉えた。

 砂原は背中を丸めたあと、耐えかねたように地面に片膝を着く。樹流徒は俊敏な動きで腰を捻って次の蹴りを放った。相手の横っ面を狙う。


 この窮地に、砂原は驚異的な反撃を見せた。彼は自ら後方に倒れて樹流徒の蹴りを回避すると、仰向けになったまま魔法陣を展開して、銀色の砲弾を連射したのである。光の塊が樹流徒の肩と腰をそれぞれ強打した。樹流徒は後方へ吹き飛ばされて、床を転がる。


 両者はほぼ同時に立ち上がって、体勢の立て直しを完了させた。砂原が六枚の翼を広げて光の羽を射出する。

 樹流徒は魔法壁を張って攻撃を防いだ。虹色の防壁が消滅すると、即座に相手に向かって駆け出す。接近戦ならば勝機があると確信していた。


 樹流徒はあっさりと敵の懐に飛び込む。両手の爪を同時に前方へ突き出した。砂原は斜め後ろへ飛んで回避すると、樹流徒に掌を向ける。またも近距離で砲弾を撃って反撃するつもりだろうか。

 樹流徒も負けてはいない。相手の魔法陣が出現するより早く片腕を伸ばしていた。砂原の手首を掴んで強引に持ち上げる。それにより、男が掌の前方に描き出した魔法陣も一緒に上を向いた。半瞬後に六芒星から飛び出した銀色の砲弾が天井を削る。コンクリートの小さな破片が降り注いだ。


 樹流徒はまだ相手の手首を掴んで放さない。反対の手で砂原の鳩尾に鉄拳を叩き込んだ。砂原は苦虫を噛み潰したような顔をして、鼻から低い唸り声を上げる。先刻樹流徒の爪が引き裂いた脇腹の傷に響いたのだろう。痛みを堪えている。


 この好機を逃すまいと、樹流徒はもう一度爪を振りかざした。ところが、思わぬ場所から反撃が飛んでくる。砂原が頭突きで応戦してきたのである。その意表を突いた荒々しい攻撃は、樹流徒のこめかみを強か打ちつけた。

 樹流徒は後方へ足を踏む。ただ、彼の瞳は敵の挙動をしっかりと見つめて寸秒も離さなかった。樹流徒は、砂原が次に繰り出した右ストレートを完全に見切った。攻撃をかわしながら体を回転させ、遠心力が乗った裏拳を繰り出す。完璧なカウンターだった。相手が並の悪魔だったなら間違いなく反撃は成功していた。


 しかし、砂原は樹流徒の更に上を行っていた。男はストレートを打ち込むフェイントを見せて相手のカウンターを誘っていたようである。思惑通り飛んできた裏拳に合わせて、強烈な足払いを繰り出した。

 樹流徒は、拳が空を切った感触を覚えた瞬間しくじったと察した。その時にはもう、砂原の攻撃に足下をすくわれ、体のバランスを崩していた。


 樹流徒は地面に片手を着く。そこへ砂原の容赦ない砲弾が放たれた。この回避困難な攻撃を、樹流徒は地面に着いた片手を伸縮させる力だけで跳躍することによりかわした。複雑な姿勢で宙に舞った樹流徒の体は、敵の砲弾を避けながら捻りと回転を加え、蹴りを繰り出す。砂原の顔面を襲った。


 一驚を喫したように目玉を剥いた砂原は、上体を反らして紙一重で避けた。樹流徒が着地した頃にはバックステップを踏んで互いの距離を開く。

 両者共に大きなダメージはなく、仕切り直しの形となった。


「流石に並み居る悪魔たちを倒してきただけのことはある。一筋縄ではいかんな」

 砂原は、樹流徒の戦闘力に賛辞を送った。語る表情や声色には戦闘前と全く変わらない落ち着きがある。

 その余裕が樹流徒には不気味だった。砂原が手加減して戦っているとは考えられないが、全てを出し切ってもいないように感じた。彼はまだ奥の手なり秘策なりを隠し持っているのではないだろうか。


 果たして、その予感はすぐに現実となる。

「相馬君。君は善戦した。俺の予想を超える戦いぶりだった。しかしここまでだ」

 砂原は意味ありげな笑みを浮かべた。

 樹流徒が警戒心を強めた時には状況が変化する。虚空が奇妙に歪んで、砂原の両脇に何かが出現したのである。


 それは砂原自身だった。砂原の両脇に別の砂原が一人ずつ……。砂原が三人に増えたのである。

 これは幻覚なのだろうか。樹流徒は思わず目を凝らす。


 三人に分身した砂原は、一人が樹流徒の正面に停止したまま、あとの二人は翼を広げて非常に緩やかな速度で滑空し、それぞれ樹流徒の側面に回り込んだ。

 樹流徒は迂闊に動けない。まずは相手の出方を窺うしかなかった。


「最早、君には万に一つの勝ち目も無い」

 樹流徒の正面に立つ砂原(砂原A)が勝利宣言をする。

 続いて、樹流徒の右側面に位置を取った別の砂原(砂原B)が無言のまま光の羽を飛ばした。樹流徒は床を転がって攻撃をやりすごすと、砂原Aに接近を試みる。瞬時に間合いを詰めることに成功した。長い爪を横になぎ払う。


 砂原Aは後ろに下がって難なくやり過ごした。樹流徒はすぐさま後を追ったが、その足は一歩目踏み出しただけで止まってしまった。いつの間にか彼の背後に回りこんでいた砂原(砂原C)が、光の羽根を放っていたからである。樹流徒は無防備な背中に光の羽を受けた。


 樹流徒の全身に耐え難い痛みが駆け巡る。体の自由を失った彼は格好の的だった。その正面に立つ砂原Aが魔法陣の中から銀の砲弾を呼び出す。銀色に輝くニ発の弾丸が樹流徒の体に連続で命中した。

 骨が軋む痛みを覚えながら樹流徒は床を転がった。しかし素早く立ち上がる。急いで体勢を整えなければ光の羽を撃ち込まれてしまうからだ。


 実際にはそれよりも絶望的な展開が待っていた。砂原B、Cの両者が黄金に輝く翼に包まれていたのである。黄金の蛹がニ体、いつでも発進できる状態で宙に静止している。


 砂原Bがその場から弾き出された。無敵の突進攻撃が標的を襲う。

 樹流徒は反撃も回避もしない。少しでもダメージを軽減させるために身を固めて歯を食いしばった。

 黄金の蛹から強烈な体当たりを受ける。樹流徒の体は地上から離れて天井近くまで舞った。しかも砂原の攻撃はまだ終わっていない。落下を始めた樹流徒に対して、今度は砂原Cが突進攻撃を行ったのである。


 樹流徒は空中で吹き飛ばされ、リフティングされたサッカーボールのように再び上空に戻された。天井にぶつかって、受身も取れずに頭から地面に墜落する。ゴツンと不吉な音が一室に鳴り響いた。


 凄まじい威力の連続攻撃を浴びて、樹流徒は動きようがなかった。加えてまだ魔法壁を張ることもできない。

 砂原Bが光の羽を放った。その的確な攻撃は間違いなく命中するはずだった。しかし……


「相馬君!」

 詩織の声が樹流徒を救った。

 半ば無意識の内に少女の声に反応した樹流徒は、眼を閉じたまま痛みを押して床を転がった。寸でのところで攻撃を回避する。


 樹流徒はふらふらと立ち上がった。息つく間もなく、今度は砂原Cの光の羽が飛んでくる。それを全力でかわした。体の節々が悲鳴を上げる。


 悪夢はその先にあった。今、砂原Aが翼の折り畳みを完成させる。黄金の蛹が樹流徒に向かって突撃した。

 樹流徒はいちかばちかの回避を試みる。敵をギリギリまで引き付ければ何とかなるかも知れない。凄まじい速度で眼前に迫り来る人体ミサイルを凝視して、タイミングを見計らって真横に跳躍した。

 すると、黄金の蛹はまるで標的の挙動を(あらかじ)め知っていたかのような動きをする。直角に方向転換して、樹流徒を正確に追尾した。


 激しい衝突が起こる。樹流徒の体はまたも宙を舞った。

 彼は羽を広げ、空中で体勢の立て直しを図る。それを砂原BとCが許さない。彼らはすかさず魔法陣を描いて、銀色の砲弾を樹流徒に撃ち込んだ。体の芯に響くような重い攻撃を何発も浴びて、樹流徒に羽を操る余裕などあるはずもなかった。


 背中から床に墜落する。意識が朦朧(もうろう)としてきた。一人ですら強敵の砂原を、三人も同時に相手をするのは困難を極めた。砂原が翼を畳む時間を別の砂原が稼ぐ。この流れをどうにかしない限り、樹流徒に勝機は無い。しかし、その勝機を手繰り寄せる知恵が樹流徒の頭には浮かばなかった。


 三人の砂原は一旦攻撃を中断する。

「さて。このまま続けても君に勝ち目はないことは分かって貰えたはずだ」

 と、砂原A。

「そこで、君に提案がある。どうだろうか? 今からでも戦いを中断して、大人しく聖界へ行くつもりはないか?」

 続いてBが言った。恐らく最後の降伏勧告だった。


 樹流徒は、首を縦に振るわけにはいかなかった。この戦いには自分だけでなく、詩織の命運もかかっている。絶対に折れてはいけない、負けてはならない戦いだった。

 樹流徒は、最早自分でも動けるのが不思議なくらいに痛んだ体をゆっくりと起こす。


「戦闘続行か……。君はもう少し聞き分けのある青年だと思っていたが、些か見込み違いだったらしい」

 砂原Bがそれだけ言って、躊躇(ためら)いなく光の羽を放つ。

 樹流徒は魔法壁で攻撃を防ぐと、素早く周囲を見回して砂原AとCの様子を見る。Aが翼を折り畳む動作に入っていることを確認すると、最後の力を振り絞ってそちらへ飛び込んだ。Aは翼の折り畳みを中断して身構える。樹流徒は彼めがけて火炎砲を放った。


 火炎砲は砂原の肩をかすめて通り過ぎる。その間にも砂原Aに代わって翼の折り畳みに入っていたCが黄金の蛹と化していた。樹流徒はAに接近戦を挑むことに全力を集中している。彼の背中に、砂原Bが放った光の羽が全弾命中した。


 ここからはほぼ先程の再現だった。全身に痛みが走って身動きが取れなくなった樹流徒を、黄金の蛹が跳ね飛ばし、砂原A、Bの砲弾が追い討ちをかける。樹流徒はやはり受身を取る余裕もなく地面に墜落する。


 ただ、一つだけ、今までと大きく違う現象も起こっていた。三人の砂原が肩で息をし始めたのである。一体どうしたというのか、それほど激しい動きをしているわけでもないのに、三人の砂原は全員何の前触れもなく苦しい顔つきになっていた。まるで急激に体力を消耗しているかのようだ。


 その光景を地面に這いつくばったまま見た樹流徒は、はたと気付いた。恐らく、砂原は本当に激しい疲労を起こしているのだ。ベルの回復能力が彼女の体力を奪ったのと同じように、砂原もニ体の分身を生み出したことで消耗が加速したに違いない。そうでなければ、砂原は戦いが始まってすぐに分身していたはずだ。


 樹流徒の胸に名状しがたい悔しさが込み上げてきた。折角、砂原を攻略する糸口が見付かったというのに、己の体には再び立ち上がって戦うだけの力が残されていなかった。もう指先一本すら動かない。まるで全身をくまなく鎖で固定されたかのように、体の自由が利かなかった。


 樹流徒は心の中で詩織に謝った。彼女を助けることはできそうにもない。三体に分身してからの砂原は圧倒的だった。樹流徒は戦闘において初めて完全なる敗北を認めた。


 と、その時である。

 詩織が走り出した。彼女は樹流徒のそばにしゃがみ込む。それにより、今まさに駄目押しの一撃を樹流徒に見舞おうとしていた砂原は、攻撃を中断せざるを得なくなった。


 詩織は樹流徒をかばうような姿勢で座ったまま、砂原の一人を見上げる。

「アナタに話があります」

「話?」

 砂原Aが怪訝そうな顔をする。BとCは互いに視線を交わした。


「私は聖界へ行きます。でも相馬君はこの場から逃がして下さい。でなければ、私は全力で抵抗します」

 と、詩織。その声は酷く落ち着きがあって、まるで全てを達観しているかのようだった。

「抵抗と言っても、君に何ができるというのだ?」

 砂原の一人が問う。

 詩織は答えない。何を思ったか、彼女は無言で立ち上がって窓際に駆け寄った。窓には樹流徒が展望室に突入する際に空けた大穴が残っている。

「私の要求が聞き入れて貰えないのなら、ここから飛び降ります」

 少女は窓際に立ってから口を利いた。外の風が彼女の長い髪を揺らす。


「自分を人質に使って俺と駆け引きをするつもりか? 正気とは思えんな。どうやら、イサキ君も俺が思っていたほど利口なお嬢さんではないようだ」

「でも、アナタは私を生かしたまま聖界へ連れて行かなければいけない」

「確かに君に死なれるのは困る……。が、人間はそう簡単に死ねるものではない。ましてや仲間とはいえ赤の他人である相馬君のために、君は命を投げ出せるのか?」

 砂原が疑問を呈している最中だった。

 詩織は片足を床に残し、半身を窓から外に出す。そしていつもの抑揚の無い表情で、遥か眼下に広がる景色を見た。

「早く答えを出して下さい。聖界からの迎えが来てしまう前に……」

 そう言って詩織は更に体を外へ傾ける。

 果たして彼女の覚悟が本物か否か、それは本人にしか分からなかった。タダの虚勢かも知れない。

 それでも砂原は万が一の危険性を考慮したようである。

「分かった。君の提案を呑もう。相馬君だけは見逃しても良い」

 砂原はそれほど悩むそぶりも見せず、詩織が提示した条件を受け入れた。


「その話、信じてもいいんですね?」

「ああ。天使が俺に下した命令は、イサキ君を聖界の使者へ無事に引き渡すことだ。相馬君の身柄を確保せよとの命令までは受けていない。それは仁万とベルに与えられた任務だからな」

「そう……。ありがとう」

 詩織はどこか安堵したような表情で礼を言って、窓際から離れる。もう一度樹流徒の元へ歩み寄った。


 かろうじて意識を繋ぎ止めている樹流徒は、詩織に対して何か言わなければと思った。しかし、声を出すどころか唇を持ち上げる力さえ残っていない。

「相馬君。来てくれてありがとう。でも、もういいの……」

 詩織は樹流徒の手に手を重ねた。樹流徒に対する感謝と、運命に抗うことへの諦めが混在したかのような表情をしていた。

 その顔を見たとき、樹流徒の全身から戦意と共に、意識そのものが消え失せた。(まぶた)がゆっくりと閉じられる。


 砂原が生み出したニ体の分身は幻のように音もなく消失した。男は乱れた息を整えると、眉間に深いしわを寄せる。そして樹流徒と詩織にそっと背を向けた。


 それぞれの想いや事情が絡み合う中、戦いは終わったのである。




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