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悪魔倶楽部  作者: ぴらみっど
邂逅編
142/359

三つ巴



 辺りには薄い霧が漂い始めていた。両側ニ車線の道路がまっすぐに走り、ずっと遠くでなめらかな曲線を描いている。周辺には喫茶店、ファーストフードの店、コンビニ、ガソリンスタンド、予備校、携帯ショップなどなどが連なり、少数の民家も混在していた。反対に、頭を傾けて見上げるほどの高層建築物は殆ど存在しない。


 そんな景色の中を、黙々と歩く樹流徒の姿があった。黒い瞳はしっかりと前を見つめ、それとは反対に研ぎ澄まされた感覚が絶えず身辺に気を配り、敵の襲撃に備えている。一定のリズムで動き続ける両足は、目的地までの道のりを着実に進んでいた。


 樹流徒が天使から声を掛けられた回数は、すでに三十回を超えていた。天使たちは口を揃えて「お前はニンゲンなのか?」「ほかに生存者はいるのか?」と樹流徒に尋ね、それ以外のことには興味がないのか、違う趣旨の質問をする者は稀だった。

 そのため樹流徒は同じ質問に何度も受け答えせねばならず、少しだけ辟易してしまった。もっとも、その程度のことは戦闘に比べれば全然苦痛ではなかったし、なにより今となっては過去の出来事である。天使に呼び止められることは二度とないだろう。あったとしてもせいぜい残り一、二回ではないだろうか。


 というのも、樹流徒は間もなく天使の勢力圏から脱しようとしていた。

 彼がアジトに向かって歩き始めたのは今から三時間くらい前。天使と会話した時間を考慮すれば、実際に歩いた時間は一時間半くらいだろうか。市内中央部から離れるにつれて有翼人の数は段々と減ってゆき、ある地点を境に激減、気付けばいつの間にか青年の視界にはすっかり人影が無くなっていた。最後に天使とすれ違ったのが数分前で、今も遠くの空に有翼人らしき影が三つか四つ重なっているように見えるが、近くには誰の気配も感じない。

 だから、樹流徒が天使から頻繁に声を掛けられ、そのたびに似たり寄ったりの質問を受ける心配はもう無いのである。


 ちなみに戦闘はまだ一度も発生していない。さしあたって天使の勢力圏は人間にとって安全な場所だったようだ。あくまでさしあたり、だが……。

 ともあれ、その安全圏から離れようとしている今、樹流徒は気を引き締め直さなければいけなかった。ここから先は悪魔やネビトが現れてもおかしくない。混沌とした戦場なのである。


 それを証明するかのように、少し歩くと前方の地面に赤い液体が飛散していた。ネビトの血だろうか。幅の広い歩道をはみ出して車道にまで延びたその液体は、まだ完全に乾ききっていなかった。この場所で血が流れてからそれほど時間が経っていないことを物語っている。

 樹流徒は赤い水溜りを避けて通りながら、にわかに心を寒くした。


 すると、その心が完全に冷え切るよりも前。

 樹流徒は足を止めて顔を上げる。近くから争うような物音が聞こえた。殺気も感じる。戦闘が発生していると見て間違いない。


 その確信はすぐに現実となって姿を現した。樹流徒の前方、離れた建物の陰から、白い翼を持った巨人が飛び出す。しかもニ体同時。両者とも全く同じ姿をしている。鮮やかな黄色い肌と、顔の四隅についた目玉が特徴的な生物だった。樹流徒はその異形に見覚えがあった。天使パワーだ。

 更に、ニ体のパワーを追って別の影が躍り出る。こちらは悪魔だろうか。獣じみた姿をしていた。背丈はパワーと同じくらいだが、横幅があるせいか天使よりもひと回り以上大きく見える。


 計三体の異形は、地面に散らばったガラス片や市民の手荷物を蹴散らしながら激しく踊る。その光景を樹流徒は凝視した。天使と悪魔の対決を目撃するのは初めてだったし、もう少し詳しく状況を見極めたかった。

 結果、それが災いする。彼は眼前で繰り広げられる戦いに集中するあまり、己に迫り来る危険に気付けなかった。


 樹流徒の背後、上空に、大きな翼を広げた人影が静止していた。

 ドミニオンである。一度は樹流徒を逃した天使が、冷たい表情で樹流徒の背中を見下ろしていた。


 一陣の風が吹く。それに憎悪の炎を煽られたかのように、ドミニオンが動き出した。右手に持った剣を突き出し、標的めがけて頭から急降下する。

 樹流徒が危険を察知したのはこの時だった。振り向けば、見覚えのある天使の顔と剣の先端がすぐ目の前まで迫っていた。凶刃が樹流徒の心臓を狙う。


 樹流徒は脊髄反射で上体を横に反らして、相手の不意打ちをかわした。野生の獣も顔負けの反応速度だったが、それを以ってしてもギリギリの回避だった。


 対するドミニオンは飛行速度を落とさない。左手を伸ばし、樹流徒の首に腕を絡めてしがみ付く。まるで(あらかじ)め剣の一撃を回避された場合を想定していたかのような動きだった。

 両者は組み合ったまま木造の民家に突っ込む。外壁を破壊して中へ飛び込んだ。


 壁の木屑がこぼれ落ち、パラパラと小さな音を立てる。樹流徒は台所の床で仰向けになっていた。激しい頭痛を覚えて思わず瞼を閉じたが、その痛みは目を開いた途端、驚きによって消し飛ぶ。頭上でドミニオンが剣を掲げていた。天使は樹流徒の体を(また)いで立ち、今にも凶刃を振り下ろそうとしている。


 樹流徒は迷わず魔法壁を展開した。虹色に発光する球状の壁が彼の体を囲い、敵を弾き飛ばす。

 ドミニオンは真後ろの空間へ無理矢理押し出され、体のバランスを大きく崩した。そのまま背中から転倒するかに見えたが、反射的とも思える速度で翼を始動させ、空中で姿勢を立て直す。最後は危なげなく着地した。


 が、その一連の動きを傍観している樹流徒ではなかった。彼は、ドミニオンの体が離れたと同時に魔法陣を描いていた。そして天使が着地する寸前には六芒星の中心から魔界の雷を召喚していた。


 ドミニオンの全身に亀裂のような青い光が走り、明滅する。震える手から剣がこぼれ落ちた。体が硬直したのだろう。膝も笑ってる。

 その状態は三秒も持続しなかったが、樹流徒が床から体を起こすには十分な時間だった。ついでに外へ逃げることもできただろう。


 が、樹流徒はその場に残った。もし外へ逃げたとしても、機動力で勝るドミニオンの追跡を再びかわすのは難しい。そう判断したからである。

 逃げられない以上、戦いは避けられない。執拗に降りかかる火の粉は払わねばならなかった。それは例え相手が天使だろうと悪魔だろうと変わらない。自分の命を守るため、樹流徒はドミニオンと一戦交えることに決めた。


 全身の硬直から回復した天使は、床に落とした剣をそっと拾い上げる。その動作には落ち着きがあり、まるで百戦錬磨の勇士のような慣れを感じさせた。

 それに(なら)うように、樹流徒も静かに身構える。今から瞬きひとつすることも許されない。敵の髪一本の動きすら逃すまいと集中力を高めた。


 そこへ無粋な横槍が入る。派手な音と共に、大小の木片が飛び散った。対峙するニ人の間に黄色い物体が滑り込む。

 パワーだった。巨人の天使が外壁を突き破り、建物の中に飛び込んできたのである。


 パワーは突入した勢いそのまま、床に叩き付けられる。自らの意思でこの場に飛び込んだ風ではない。何か凄まじい力により吹き飛ばされてきたようだ。

 ドミニオンは少しも動揺の色を見せない。戦場に乱入してきた同族に対して言葉を掛けるでもなく、手を差しのべるでもなく、ただじっと見下ろす。

 パワーは床に両手を着いて踏ん張る。必死に体を起こそうとしている。


「誰にやられた?」

 今更というようなタイミングでドミニオンが尋ねた。

 その時、樹流徒はパワーが開けた壁の穴に視線を送る。そちらの方向から接近してくる存在を察知した。


 間もなくドスドスという重量感のある足音が聞こえる。鈍重ではなく、薄気味が悪いほど速い足音だ。まるで巨象が競走馬の速度で迫ってくるかのような……。

 その足音が樹流徒たちのいる民家の傍で止まったかと思いきや、強烈な衝撃が外壁を伝い、壁の穴を強引に広げてゆく。そこから巨大な影がぬっと現れた。新たな乱入者だ。


 その正体は獣だった。黄金の(たてがみ)を持つ、獅子頭の悪魔である。全身を覆う毛は群青色。口の隙間から黒く染まった毒々しい息が漏れていた。先程ニ体のパワーを相手に戦っていた悪魔に違いない。


 獅子の赤い瞳が左右に往復する。室内の状況を確認しているのだろう。最後に樹流徒を見つめたままピタリと止まった。

「キサマは何だ?」

 悪魔はよく通る低音の声で尋ねた。


「樹流徒。人間だ」

 答えると、獅子頭の怪物は瞳を丸くする。

「キルトだと? オマエ、もしかするとあの首狩りキルトか?」

「不本意な異名だけど、そう呼ばれているらしいな」

「そうか。オマエがキルトか。面白い。オレの名は“マルバス”。オマエとは是非戦ってみたかった。ついでに賞金も頂きだ」

「賞金? もしかすると僕の首に掛けられた懸賞金か?」

「おう。その通りだ。紫硬貨八千枚。魔界の一等地に小さな城を建てられるほどの額だ。ベルゼブブは余程オマエの命が欲しいらしい」

 マルバスと名乗る悪魔は、いやらしく口を歪める。

 一方、ドミニオンはすっかり蚊帳の外だった。紺碧の瞳が静かに成り行きを見守っている。


「お前はベルゼブブの仲間なのか?」

 樹流徒はマルバスに問う。返答次第では、ドミニオンよりも優先してこの悪魔を倒さなければいけない。

「いいや。奴が何か妙な動きをしてるのは知ってるが、オレには関係のない話だ」

 そう答えて、マルバスは丸材のように太く立派な足を一歩前に踏み出した。床が軋む。

 合わせて樹流徒とドミニオンはそれぞれ一歩下がった。

 パワーはまだ起き上がっていない。床に落ちた悪魔の影を見つめ、全身を震わせていた。その震えが体のダメージによるものなのか、恐怖によるものなのかは分からない。


「さあ! オレと戦えキルト」

 マルバスが咆哮した。常人の耳を破壊しかねない音波がガラスを揺らす。


 樹流徒は跳ねた。背後にある引き戸を突き破って、隣の居間へ移る。更に居間の窓に飛び込んで、ガラスの破片と一緒に外へ出た。すぐに立ち上がると羽を広げ上空に退避する。天使と悪魔を両方相手にするためには、戦場を広い場所に変更する必要があった。


「逃げる気か」というマルバスの怒鳴り声。それ続いてドミニオンが外に飛び出す。

 ドミニオンは翼で風を切り、樹流徒に迫った。距離が縮まると魔法陣を浮かべ光の弾丸をばら撒く。


 樹流徒は空中できりもみしながら下降して、弾丸の雨をかわした。一発だけ膝をかすったが問題ない。羽を畳んで、真下に建つ店の屋根に降りた。

 ドミニオンはすぐさま後を追って、樹流徒と同じ地平に立つ。息つく間もなく剣を構えて樹流徒に斬りかかった。


 樹流徒は足を止めて迎撃の構えを取る。相手が斜めに振り下ろしてきた刃先の軌道を確実に見極めると爪で受け止めた。

 鍔迫り合いの戦いになる。カチャカチャと硬い物同士が擦れる音、そしてドミニオンが握り締めた剣の柄がギュウと鳴く音が交じり合う。体勢は五分だった。純粋な力比べ。両者の腕が震える。


 その時、民家の外壁が打ち破られ、建物の中からパワーが飛び出した。再びマルバスに吹き飛ばされたのだろう。パワーの体は歩道の上を派手に転がって、電柱にぶつかって止まった。


 ドミニオンの意識が一瞬そちらへ向かう。

 この隙を樹流徒は逃さなかった。彼は腕の力を急に緩める。それにより、鍔迫り合いをしていたドミニオンの体勢が崩れ、やや前のめりになった。

 樹流徒は、がら空きになった相手の鳩尾(みぞおち)に爪を見舞う。ドミニオンが身につけている鎧は装備者の胸や肩を護っているが、腹部まではカバーしていない。樹流徒の攻撃はまともに入った。


 ドミニオンは腹を押さえながら後方へ下がる。苦悶の表情などは一切見せないが、痛みは感じているらしく片膝を着いた。


 樹流徒は攻撃の手を休めない。掌をかざして魔法陣を展開する。その動きにドミニオンがシンクロした。

 ニつの図形が同時に完成する。紫色の魔法陣から火炎砲が、銀色の魔法陣から円形の光の盾が、それぞれ出現する。

 巨大な炎の塊はドミニオンめがけて飛んだが、光の盾に弾かれて砕け散り、幾つもの小さな炎の欠片となって周囲に飛び散った。樹流徒たちの足場で火種をくすぶらせる。


 光の盾が消滅した。ドミニオンはまだ腰を落としている。

 決着をつけるべく、樹流徒は接近戦を仕掛けようと決断した。敵の懐へ素早く飛び込むために後ろ足に力を入れる。

 が、地面を蹴る寸前に思い留まった。


 二人の間を、青い光が走り抜ける。巨大な半月を描いた三本の閃光だった。それはコンクリートの外壁を紙切れの如く引き裂き、数メートル直進したところで消滅する。もし樹流徒が前方へのダッシュを敢行(かんこう)していたら、今頃彼の体も一緒に切断されていただろう。


 樹流徒は光が飛んできた方向を見やる。

 マルバスが豪快に笑っていた。今の閃光を放ったのが彼であることは明白である。


「天使の相手なんかしてないで、オレと戦え」

 獅子頭の悪魔は重い足音を鳴らして樹流徒たちに近付く。

 その最中、地面に倒れ伏していたパワーが静かに立ち上がった。

 途端、マルバスは足を止める。


 激しい戦いから一転、誰も動かなくなった。全員が全員の動きを探り合っているみたいだった。樹流徒対天使対悪魔。三つ巴の構造が、戦況を複雑にし、迂闊に動けない状況を作り出している。数の上ではドミニオンとパワーの天使コンビがやや有利な状況だが、たったニ体では絶対的な優勢とまでは言えない。


 樹流徒が最も警戒しているのはマルバスの存在だった。先ほど、マルバスと戦っていたパワーは二体いた。内片方は今この場にいるパワーだろうが、もう片方の姿が見えない。恐らく、悪魔にやられたのだ。マルバスとドミニオンの力関係は不明だが、同悪魔とパワーの力関係ははっきりしている。加えて、樹流徒の勘はマルバスを強力な敵だと告げていた。


 ややあって、緊張に耐えられなくなったようにパワーが動き出す。彼は翼を広げて垂直に上昇すると、掌を重ねて銀色の魔法陣を描いた。その中から細かな光の粒が無数に放出される。光の粒は魔法陣の中心に集い、巨大な光の玉となった。


 何か強力な攻撃が来る。樹流徒がそう思うよりも早かったか、パワーの手元から白い光の柱が放たれた。まるでSF作品の兵器が放つレーザー光である。それがマルバスの体を丸々飲み込んだ。


 マルバスは顔の前で腕を交差し、防御を固める。白光を浴びた全身から煙が上がり始めた。光の柱がマルバスの体を焼いている。


 レーザー光は勢いを失わない。それを放ち続けているパワーの目が血走っていた。上空に浮いたままの体は小刻みに揺れ、酷く苦しそうだ。まるで彼の方が攻撃を食らっているようだった。マルバスの攻撃によるダメージが残っていたにしても、尋常な様子ではない。

 もしかすると、今パワーが使用しているレーザー光は、強力な能力ゆえに使用者自身にも負担がかかっているのかも知れなかった。仮にそうでなかったとしても、パワーが攻撃を放ち続けていられる時間は残り少なそうだ。


 とはいえ、これはマルバスを仕留める好機かも知れなかった。獅子の悪魔は光の中でガードを固めためたまま身動きを取らない。見るからに隙だらけである。


 それをドミニオンが狙った。白い翼を展開して屋根から飛び降り、剣を振り上げる。

 ただ、相手の隙を突くのはドミニオンの専売特許ではなかった。樹流徒もまたドミニオンの意識がマルバスに向いたと見るや、その隙を狙う。


 樹流徒は、落ち着いてタイミングを見計らい、火炎弾を放つ。小さな炎の塊がドミニオンの翼を綺麗に直撃した。

 ドミニオンは完全に虚を突かれて驚いたようにバランスを失う。マルバスめがけて下降していた体が、翼を暴れさせて上昇した。ふらふらと宙を漂い、車道脇に停めてある車の上に着地する。


 その展開に気落ちしたかのように、パワーの攻撃が弱まる。レーザー光は急速に細くなり、すぐに消滅した。

 マルバスは攻撃を受けきった。彼の全身から立ち昇る白煙は風に乗って流れてゆく。


 ドミニオンが樹流徒を見上げた。その表情は依然冷静さを保っていたが、剣を握り締めた指は小刻みに震えていた。人間から不意打ちを食らわされた上、美しい翼は火炎弾を受けて一部が焦げ、そこだけ悪魔の羽みたく黒く染まっている。ドミニオンが内心で屈辱と怒りを感じていたとしても何ら不思議ではなかった。


 かたや、マルバスは樹流徒に向かって文句を垂れる。

「おい。邪魔するなよ。折角ドミニオンを誘い込んだオレの作戦がぶち壊しじゃないか」

 どうやら、マルバスはわざとパワーの攻撃を食らって、ドミニオンが仕掛けてくるのを待っていたらしい。


 そのようなことを言われても、樹流徒としてはマルバスの意図など知らなかった。また、意図を知っていたとしてもそれに従う理由がなかった。

「邪魔をするなと言われても……。お前は僕の敵なんだろう?」

 樹流徒は相手に言い返す。


 と、ここで何を思ったか、マルバスは不機嫌そうな態度から一転、ニヤリとする。

「おい、キルト。それだ(・・・)。良いことを思いついた。ひとつ提案があるんだが、聞いてくれ」

 そのような事を言い出す。

「提案?」

「そう。オレとオマエの戦いをじっくり楽しむためにも、まずは協力して邪魔な天使どもを排除しないか?」

「なに」

「まさか、マルバス! キサマ、ニンゲンと手を組む気か?」

 パワーが信じられないといったような声を出す。


「そういうコトだ。ニンゲンと悪魔の急造タッグといこうじゃないか」

 獅子頭の悪魔は暗い口内から舌先を伸ばし、口の周りに這わせた。




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