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婚約破棄? ご自由に。条約違反の責任は国家でどうぞ ~婚約破棄された令嬢、契約で世界を制圧する〜  作者: 白石アリア


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第113話 選ばれない構造

 ――正しさは、まだ決まっていない。


 だが。


 選ばれるかどうかは。


 すぐに結果が出る。


「……落ちています」


 ノアの声が、静かに響く。


 履歴網利用率。


 再び、下がり始めていた。


「……速いな」


 カイルが言う。


 短く。


 冷静に。


 だが。


 どこか諦めを含んでいる。


 私は画面を見る。


 優先順位を決めた直後。


 わずかに戻った数字が。


 また崩れている。


「自由圏です」


 ノアが切り替える。


 画面に映るのは。


《単一信用高速契約 拡張》


 契約数。


 急増。


 処理時間。


 圧倒的に短い。


「……迷うまでもない」


 カイルが呟く。


「現場はこっちを選ぶ」


 その通りだ。


 単純で。


 速い。


 人は。


 考えなくていい方を選ぶ。


 その時。


「ちょっといいか」


 契約ホールから声。


 中規模商会の代表。


「履歴網の条件、厳しすぎる」


「時間がかかる」


「正直、厳しい」


 言葉は穏やかだ。


 だが。


 はっきりしている。


「自由圏に移るつもりです」


 沈黙。


 ノアが顔を伏せる。


 カイルは何も言わない。


 私はただ、頷いた。


「選択です」


 それ以上は言わない。


 止めない。


 止められない。


 その時。


 別の声。


「国家の方がいい」


 振り返る。


 別の商会。


「承認さえ通れば安定している」


「遅いが、確実だ」


 三つの選択。


 それぞれに。


 人が流れる。


「……分裂が加速しています」


 ノアが言う。


 その通りだ。


 市場は一つではない。


 もう。


 完全に分かれている。


 私は静かに言う。


「履歴網の成立率は」


「維持しています」


 ノアが答える。


「ですが」


「数が減っています」


 カイルが続ける。


「質は保たれている」


「量が減る」


 私は頷く。


 それが、この構造だ。


 選ばれない。


 だが。


 崩れない。


 その時。


《速報》


《国家 履歴網非対応主体 契約制限強化》


 ノアが息を呑む。


「……囲い込みです」


 カイルが言う。


「国家側に引き込む」


 さらに。


《速報》


《自由圏 履歴網接続主体 優遇条件提示》


 ノアが顔を上げる。


「……奪いに来ています」


 私は目を細める。


 当然だ。


 こちらの基盤を。


 削りに来る。


 その時。


 通信。


《自由圏》


 レオン。


《どうだ》


 軽い声。


《選ばれているか》


 私は答える。


《いいえ》


《そうだろうな》


 彼は笑う。


《人は速さを選ぶ》


《だが壊れる》


《壊れればまた選ぶ》


 短い沈黙。


《お前の構造は正しい》


《だが》


《選ばれない》


 その言葉。


 静かに刺さる。


《それでも続けるか》


 私は、少しだけ目を閉じる。


 そして。


《続けます》


 即答。


《なぜだ》


《必要だからです》


 沈黙。


 レオンは笑った。


《いいな》


《その答え》


 通信が切れる。


 その時。


 ノアが小さく言う。


「……減っています」


 私は画面を見る。


 履歴網。


 接続主体。


 さらに減少。


 確実に。


 そして。


 カイルが静かに言う。


「……耐えられるか」


 私は答えない。


 答えは。


 まだ出ていない。


 だが。


 分かっていることが一つある。


 正しいだけでは。


 足りない。


 その瞬間。


《速報》


《履歴網 臨界点接近》


 ノアが息を呑む。


「……限界です」


 私は目を細める。


 ここが。


 分岐点。


 この構造が。


 残るか。


 消えるか。


 その境界。


 私は静かに呟く。


「……まだです」


 だが。


 時間は――


 残っていない。

ついに「正しいが選ばれない」という壁にぶつかりました。


ここがこの物語の核心です。


このまま消えるのか。

それとも覆すのか。


続きが気になる方は、ぜひブックマークと評価をお願いします!

次話、限界を超えます。

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