水難事故
『深夜乗りでこの日に書いてるので見苦しくなってます』
『それでは本編へどうぞ』
水滴が堕ちる。強い衝撃と共に堕ちて落ちていく。泡立って行く空気の泡が視界から上へと上がっていき、薄暗い光が遠くなっていく
死ぬのは分かっていた。こんな事した罰が当たったと。断れば良かった。そう後悔した
だって……水難事故があった場所に行ってふざけて中へと入ってしまったのだから
友達が手を伸ばすが……俺はその手を伸ばせなかった
水中から無数の手が伸びて俺を掴み引きずり込むのだから。必死に必死にもがき必死に足掻いても沈んでいく
息も出来なくなり、水が体の中へと入っていく
意識が遠くなっていく
視界が薄くなりゆっくりと体が動かなくなり意識が遠くなって沈み沈んでいく
深く深い水中へと引きずり込まれ、永遠に底に着かない水中……
やがて、その手が俺の首へと手に掛けられもう死ぬのが分かる
ふざける事も馬鹿な事もしないでただ、黙祷とか死者への弔いさえしてれば良かった。そんな後悔がずっとずっと重くのしかかる
馬鹿で馬鹿な俺だったから……調子乗って……そして死ぬ
強く締まって、お腹……体が水で一杯になるともう動けなくなりゆっくりとゆっくりと水の底へと落ちて堕ちて……
体が動かなくなり意識が消え……俺は命を堕とした
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「次のニュースです。昨夜、川遊びをしていた複数名の学生の死体が上がりました
水深は低く、1メートルにも満たない低さで原因等は不明……───────」
車のテレビのニュースが流れる。サイレンが響いていて、パトカーの無線が所々と聞こえて
「なぁ、こんな浅瀬で溺死は有り得るか?」
複数名の死体を見た警察官。そこには1メートルにも満たない川でずぶ濡れになりながら溺死してる死体
死因は溺死なのは分かる
だが、警察官の言うとり、1メートルの溺死となると誰かが押さえつけて溺死させる方法しかない
ただ、今回何故それが不可能とされるのか……
この昨晩で出掛けて此処の河原で遊んでいた学生全員が全員溺死していたのだから
仮に一人生きてる人間が居たとしても、ここから街までは距離がある上に必ず警備員の前を通る事になる
その警備員が最後の最後まで見てない事。そして……その警備員は学生達を見てないと言う
では何処から来たのか……それも分からない
全てが原因不明の水難事故だった
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朧気ながら河原で立ってる。虚ろな意識の中、虚ろな目で男を見る。誰でも……誰かなんてどうでも良い……
この些細な『川』で死ぬ。自業自得な人間が居たから……
昔の水難事故……そこは本当に人が溺れる程の水があった。でも年々水位が低くなりもう危険は無くなった
だが……それでも危険だから立ち入り禁止となってる……
運ばれていく男達を見た。警察官が通り抜け……そして、現場検証して処理していく
ゆっくりと視線を動かす
その先には無数の手が伸び、今にも引きずり込もうとする
「……無念……」
ゆっくりと歩く。歩いて歩いて……開け場所へと
そこは……誰も使われてない無人のトンネル。その前には車が置かれてる
学生達が乗ってきた車だった
何でこんな所に?
決まってる……ここは誰にも知らてない唯一誰も見られない場所だったのだから
「……勿体ない……」
その車は本来ならまだ新品同様なのに、経ったの一日で見るも耐えない姿……
ツタまみれの苔むしった車だった
経ったの一日?
それも違う。この車がここに置かれたのは数十年も前の話。ずっと見ていたのだから分かる
じゃ、何で……一日の間で説明の付かない現象が起きたのか……
学生がまだ何で皮膚を残して判別出来てるのか……
それも説明が付かない
ただ分かるのは……
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「かなり古い服装だな。昭和の後半辺りか?」
そういう警察官。それもそのハズ。この死体は昭和の時の死体で本来なら骨になってる筈が……
辛うじて死体の損壊が酷くなく、偶発的にタイムカプセルの様な保存となっていたのだから
警備員が気づかなかったのは、この川で死者が出るのは有り得ないと言う考えだったからだ
今になって発見されたのは……
「廃墟探索の心スポで訪れたからか……」
この川はかつて水難事故として多くの死者を出した川。その川には怨念や幽霊が出ると噂があり心霊スポットとして有名だったから
ただ監視が厳しいから訪れる事は出来なかった
ただ、その廃墟心スポ探索をした人は偶然にもトンネルを発見し中へと入る事が出来た
それによって現在へと話が進んだ
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トンネルを抜ける。そこは封鎖されとてもじゃないが入れる様な場所じゃない……
フラフラと元の場所へと戻り、発見された川の反対へと歩いていく。フラフラと意識が朦朧とする中でただ無のまま歩いていく
透き通っていた川がドンドンと赤黒く染まっていく。空も暗くなり、月明かりへと周囲を照らしていく
やがて、立ち止まる
ゆっくりとゆっくりと顔を上げると手が最初、頭が最初……
そして、月明かりが全体を照らすと……
『……帰りたい……』
その声が誰も居ない場所で響く
赤黒かった水は元通りで何も無くただの川の流れとなっていた
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車がトンネルの前へと到着する。4人の学生が降りて
「本当にあるんだ……」
そう言う
「言ったろ?。これが噂の時間が狂った心スポ。この先に車が有るらしいから行こうぜ」
中へと入っていく学生達。その後ろ姿を……
ずぶ濡れで顔もふやけて服装も昭和後期の何者かが見ていて
『後悔と……自業自得……』
そう言うと水音が響き、その何者かは消えていた。その立っていた場所には大きな水溜まりが出来ていて、雨など直近は降ってなかった
『解説?』
『死体に関しては本文通りで、永久凍土の中のミイラが、偶発的に起きた為にほぼ白骨化しなかった為
最後の上流の話は……敢えて書きませんでしたが……無数の死体が積み重なって大きな血の池となっている状態です
ですが、流れて次第に透き通る水へと変換してるのは、当時はそうだったとしても、年月も経てば浄化されて水へと変わった為です
無数の手はこの上流の川の死体がそうです
学生が複数名となってますが……正確な数字は4名です。車も4人の乗りのセダンで昭和後期に作られ、現代では生産終了となった車に限ります
ラストの学生4名は現代の時代では有りません。時代としては昭和後期で、乗ってきてる車も昭和後期に作られ、現代では生産終了となってる車になります
そして、トンネルの先すぐが川の上流となってるので、車ではその先へと入れません
最初の場面での水に落ちていくのは……その学生です
警察官は現代の警察官です
幽霊視点では学生の自業自得と言ってますが……直接的な原因はふざけあった事による足を滑らせ川に転落。溺れてるが、残りの学生全員が引き上げようとした時に強い力によって引き込まれた事が原因の溺死になります
ただし、強い力は水の重さや、当時来ていた服が山の中でもある為に薄着では無いためにかなり重めになっていた事と、足元が滑りやすくなっていた事が原因になります
なら現代の警察官が上流を見なかったのは、その先で起きた事と思わなかったのと、警備員の話を聞いた上での判断になってしまったからです
ただ、上流の方見ても原因と言う原因は多分分からなかったと思われ、時代の流れによって昭和後期の時と大分変化してる為です』
『多分ですが、解説と言う解説は出来たと思います……多分……
これは実際には関係ない創作なので科学的根拠は皆無な上に実際に出来るかと……言われれば出来ないかもしれないので創作上の設定と思って頂ければ幸いです』
『それでは今回の話は終わります』