バイオレット城騎士団の思い出 前文
第1巻の「竜騎士とパラレルエージェント」はボクと友人のルージュ・フイユを中心とした8つの冒険を短編の体裁で記した。
フィンア帝国に活動の主軸を移した第二巻以降は、多世界転移管理局に留まらずボクが体験したこの魔法世界の冒険を長編ものとして順次記そう……と考えていた。
しかし、先日、ボクは"騎士"として人生が再び急転する事態になった。該当事件自体もそのうち記録出来ればいいのだが……とにかく、人生が『龍の落とし子』事件以来の急展開を迎えたために、今後ボク自身による執筆活動というのが難しく思われた。
とはいえ、月間魔導書での連載を通じて、(管理局に収まらず)実際に体験した事件を綴りたいという欲求は募らせていたので、何とかそれを解消したかった。
そのため、友人たちの力を借りて、本来は1つ1つが長編に匹敵するような冒険たちを、とにかく『エピソードトーク的、短編的、妙訳的』に記して、短編集第2巻として編纂することにした。
後にボクの人生がまた『違う』方向に進んで行った場合には、妙訳的ではなく、ディティールの深めた冒険活劇、事件簿として再編出来ればいいと思う。
作者本人の長い闘病生活の事情により、中々執筆活動が進まず、しかし書きたい物語のみ募る現状の打開策として、――取り繕わず言うなら、妥協作として――、このような『本来一遍一遍が長編物想定であった物語の短編集化』という体裁になった。
この物語たちを面白いといと思った読者・小説家による、執筆協力を夢見ている。