僕のヒーロー
「キャーーー」
街中に拡がる人々の悲鳴
「ギャァハハ泣け叫べ我らが皇帝陛下に負のエネルギーをささげよ」
燃え盛る街中を大軍を引き連れその先頭の犬顔で人より大きいサイズの怪人が声をあげる
異界からの侵略者「ヴァルハラ帝国」
奴らは、人々からエネルギーを回収すべく異界からのゲートを開き襲い来る
「帰れバケモノ」
逃げ惑う人の中から進行中のヴァルハラ軍に立ちはだかる様に幼い少年が現れた
「お前らなんて怖くないぞ…」
凶悪な見た目の怪人を前に己を奮い立たせるために鼓舞した
「威勢がいいな少年我らの力に怯えぬか」
先頭の怪人が少年に近づき手を伸ばしたその時
「そこまでだ怪人ども!」
後方から声が聞こえた
「誰だぁ!!」
伸びていた手を戻し声の方に視線を向けた
視線の先に五つのローブ姿の影が現れた
「燃え盛る炎の魔術士 マナレッド!」
「包み込む水の魔術士 マナブルー」
「鳴り響く雷の魔術士 マナイエロー」
「吹き荒ぶ風の魔術士 マナグリーン!」
「進み戻る時の魔術士 マナブラック!」
[[[[[五つの魔術で奇跡を起こす 魔術戦隊 マナレンジャー!]]]]]
五人がローブを脱ぎ去ると同時に名乗りを上げた
全身をカラフルなスーツに身を包み顔が分からない様になのかヘルメットを着用している五人組
「たかが五人で何が出来る 高純度のマナは、感じるな先にお前らから始末してやる 行けヴァルハラ兵」
怪人が突如現れた者たちから感じるマナを先に回収すべく兵を向けた
指示を受けて無数の兵隊が五人目掛けて動き出した
「みんないくぞおぉ」
レッドの掛け声で五人がそれぞれ動き出した
「キャスト:ウォーターボール」
ブルーの周囲にドッチボールぐらいの水玉が表れ敵の後方へ飛翔した
「キャスト:サンダー」
イエローが敵の後方へ雷を落とした
「キャスト:テイルウィンド」
グリーンが追い風に押され加速して敵に接近して腰に付けていた剣で敵を斬る
「エンチャント:アクセル」
ブラックがグリーンを抜けてきた敵に加速を付与した高速の弾丸を放つ
放たれた弾丸は、敵の武装だけを破壊した
ヒーローの技により次々と倒れていくヴァルハラの兵
「雑魚では、相手にならんか結構やるようだな貴様ら私が相手してやる」
「この私ヴァルハラ帝国伯爵グラシャラ・ボラスこの世界での力試させてもらう」
倒れ行く自軍の兵に心無い言葉をかけながら敵の力を評価して己の力を示すように怪人が動き出した
「先ずは手始めにスペルインストール:メテオ」
突如あたり一面が夜のように暗くなった
空一面を埋め尽くす程の隕石がそこにあった
「この世界の魔術士達よ耐えれるかなこの一撃をガハハハッ」
奴はこちらを試す為に自軍の被害を無視した一撃を放ち高笑いをしていた
「キャスト:フレイム」
レッドの拳に炎を纏い隕石の元まで飛ぶ
「エンチャント:ストップ」
ブラックが落ち行く隕石を止めるために魔術付与を行う
「ありがとうブラック、キャスト:フレイム」
レッドが感謝言いながら再度魔術を使い両足から火を出し加速して隕石に接近する
「キャスト:フレイム」
加速して勢いを使いその勢いのまま隕石に拳を放った
放たれた拳は、衝撃波をおこし隕石の正面に亀裂が走った
「もう一発はぁあ!」
再度力を込めて殴ると亀裂は、大きくなり隕石が細かく砕かれた
「燃え盛れオーバーフレイム」
レッドを中心に炎の渦が発生し細かく砕かれた隕石を包み込む程に拡がる
「あれは、何というマナ量なんだ超級魔術かこの世界であのレベルの魔術士がいるとは、皇帝陛下に知らせねば」
怪人は、上空で起きている膨大なマナを感じ取り対面している敵の力に驚愕した
「バーストォォ」
レッドが隕石を焼き尽くすとあたりは、昼を取り戻したように照らされた
見上げていた民衆は、まぶしさに目をつむる次に目を開けた時には、辺りを覆っていた隕石は、跡形の無く消えた
華麗に着地を決めるレッド
「どうだ壊してやったぞ次は、お前自身が相手なんだろうな」
怪人にむあかって戦闘の意思を見せるレッド
「いや今の所は、引かせてもらうよ」
「なにやらないのかよちぇえー」
思わぬ返しに肩透かしを食らうレッド
「こらレッド相手が矛を引くのです無益な争いを求めるものじゃありません。」
ブルーがいさめるようにレッドに注意する
「そうだよ!争い良くない皆一緒に仲良くだよ」
続けてイエローまでもブルーに加勢するように意見をいった
「雑魚は、飽きたおいそこの犬頭一回でいい俺と戦ってから帰れ」
グリーンが強者との戦闘を求めるように敵に向かって声をかける
「おおおいなに言ってんだよ今は、やめとけさっきの隕石みたろ」
ブラックが同僚の発言に驚きながらも止めるように声をあげる
「威勢がいいな貴様ら次は、相手してやろう」
そう告げると最初からいなかった様にヴァルハラ軍は消えた
相手側引く形でこの戦いは、終わりを告げた
影の一つが少年に駆け寄り声を掛けた
少年は、突然現れた存在に驚きながらもその存在に暖かい何かを感じ緊張を解いた
「良く怪人の前に出れたな君の立ち向かう勇気 立派なヒーローだ胸腫れ」
「だけど危ないから力を身につけてからな」
そう言ってレッドは、少年の頭を撫でた
fin
俺は、この時ヒーローになろうと決めた