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幻影道 四.五巻   作者: SAKI
8/50

「凸凹コンビ」その2

 撮影場所は近くの公園、この場所は噴水広場がありますが時代に取り残されたのか滑り台やブランコと言った遊具が錆びれており遊ぶには多少危険な気がします。人も殆ど集まらないし噴水だけ手入れされてるだけみたいです。


「よぉ〜し!先ずはアタシらしいポーズを撮ろう!」


 内容は自撮り写真を撮って貰って郵送して欲しいと私達の郵便ポストに小包みと一緒に書き置きがありました。小包みの中身はカメラと・・・水着??

しかも布地が少ないような……?


「あ、その会社グラビアが主だから水着とか下着はザラだよ?」


 グラビアですか、多少際どくても許されるということでしょうか?


 すると私は本の表紙の角に注意事項が書かれてるのに気付きました。


 ※十八歳未満の未満の方はご遠慮ください。


「あの……プレアさん、これ……十八歳禁って」


「ああ、元々A○出してる会社だったからね、今はグラビアの方が多いけどビデオ屋とかに行くとあるよ?」


 いかがわしさ全開の危ない本なのでは!?こんなんでお金取れるなんて……


「だ、駄目ですよ!!プレアさん、止めましょう!」


「な、なんでさ!?受かったら給料良いんだよ?」


 そういうものじゃありません、大切な家族を見世物にされるなんて嫌なんです。プレアさんは可愛いですがそれを利用されるのは腹が立ちます、ここはなんとしても止めなければ!


「プレアさん、これを知ったらユイさんだけじゃなく皆に怒られますよ!?こんなエッチで際どい物に見世物にされるのは嫌です!」


 心のままぶつけるとプレアさんは少し考え直してくれると思いましたが型破りなプレアさんには寧ろ逆効果でした。


「尚更いいじゃん!」


「良くないです!!」


 ここまで言って伝わらないなんて馬鹿を通り越して呆れてしまいます。ですがプレアさんの顔は真面目で私の事を見続けていました。


「アタシ、皆に迷惑掛けてるし、この機会に沢山稼いで恥ずかしい写真いっぱい撮って家族の奴等に恩返しできたらな〜ってさ。アタシ魅力無いし貧乳だし……アタシの事を嫌いでしょ?」


 いつも大雑把で適当で自己中心なプレアさんが家族の為にと恩返しのつもりで知ってて受けたというのですか?そんな身勝手させる訳ない。


 私はプレアさんの手を握りつい怒ってしまった。


「プレアさん、私はそんな恩返し要りません。プレアさんはスタイルも良くてそのためだけに酷い目に遭って泣いて帰って来るなんて想像したくありません」


「で、でもさ!アタシ頑張れるし――― 」


「プレアさんは嫌な仕事だと偽りの笑顔を見せるのは知ってます。空元気で上の空でストレスを溜めてる事ぐらい分かりますよ!」


 これは私だけしか知りませんがプレアさんを預かった理由はストレスの溜め込みで“過食嘔吐”してることが判明しました。プレアさんは一見何も考えて無さそうな馬鹿だと思われがちですが本当は誰よりも人や周りを考えてストレスを溜めやすく更に怒りやすく情緒不安定な生活をし続けて大好きな食事をストレス発散と無理矢理食べて吐いての繰り返していることをユイさんに聞かされました。


 それを聞いた後はなるべくストレスを与えないようにしてプレアさんが弄ってくる時だけストレスを与えることにしました。そしたら最近のプレアさんはとても楽しそうでご飯を沢山食べてる時の可愛らしい笑顔が好きになっていました。


 元気溌剌で明朗快活なプレアさんの事情を知ってるのは私とユイさんだけで他の皆さんはきっと知らないと思います、だから私は絶対に止めさせたいと思ってるんです。


 怒り任せに下した言葉にプレアさんは啞然としている、ちゃんと自分は愛されると感じているのか言葉に出来なくて口籠ってしまいました。


「プレアさん、モデルの写真を撮りましょう。エッチは駄目です、素敵なプレアさんを送りましょう」


 私はプレアさんの手を引っ張ろうとすると物凄いパワーでプレアさんに引き寄せられて抱き締められました、腕が取れると思いましたよ。


「そんなにアタシの事想ってたなんて、のあっち大好き!!アタシの事大好きでいてくれてありがとう!」


「大好きではありませんが嫌いじゃないです。そんなことより撮影を・・・」


「のあっち〜!!アタシも大好きだよ〜!!」


 余程嬉しかったのか強く強く抱き締められ――― 何だか私の背骨から聴いたことない音が今にも砕けそうな……………


「痛いです!!痛い痛い痛い痛い!」


 殺される!?と思い死ぬ気で抵抗するとプレアさんは気づいて咄嗟に離してくれました。危うく死ぬところでしたよ!?


「ご、ごめん!つい………」


「出来心で人殺す気ですか!?やっぱりただの脳筋馬鹿じゃないですが!!折角いい話に持ってきたのに!!」


「あー!馬鹿にした〜!!ストレスだな〜!!」


「もう勝手にしてください!ストレスで死んでも文句言わないでくださいね!!」


「死ぬもんか!!先にのあっちを殺してあげようか!?」


「さっき殺される寸前でしたよこの貧乳馬鹿!」


「言ったなぁ〜!!?ドスケベ女が!」


「何ですか〜!!!」

 

 かくして私達は撮影を忘れ喧嘩することになりました。馬が合わないと言うか考え方の違いでこの先分かりあえるようなあえないようなそんな関係を保っていくとこになりそうです。

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