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幻影道 四.五巻   作者: SAKI
7/50

「凸凹コンビ」その1

「のあっち〜〜〜!!聞いて聞いて〜!!」


 今日はユカリさんがユイさんとお出掛け中、何故かプレアさんが当たり前のように家に上がって勝手に食べ物を食べてるなんて空き巣でもしてるんでしょうか?彼女を言うなら、金髪碧眼の美少女、胃袋ブラックホール、脳筋馬鹿と言ったところでしょうか。私はやっと覚えられた漢字で好きな恋愛小説を読んでいるので出来るだけ関わりたくないのにあっちから来るなんて予想外です。


 バタバタと一階から駆け上がるプレアさんはノックもせず扉を開けて呼び出してきた。


「アタシさ!ヘッドバッドされちゃった!」


 ???


「頭大丈夫ですか?」


「うん!」


 ヘッドバッド?誰かに殴られたっとことでしょうか?


「モデルの仕事が来たの!街で出会った人が偶然モデルの仕事してるらしいからさ!それで今さっき言われたの!」


 はぁ、って待ってください。


「貴女、ユカリさん達のお家を指定したんですか?」


「うん!家近っ近かったし!」


 迷惑極まりない行為に腹立ちますがまさかモデルの仕事とは、これは僥倖と言えるでしょう。


「凄いですね、まさかヘッドハンティングされるなんて」


 確かにプレアさんは中身は正真正銘の馬鹿ですが見た目は美少女と言っても過言ではない美貌を持っている。スタイル抜群、貧乳ですがそれも好きになればあばたのえくぼと言う諺もあるように可愛く見えてしまうかもしれませんね。


「そーそー!ヘッドハンティング!それだよそれ!」


 しかも言い間違えが多発するのはプレアさんの特徴の一つでしょう。アホ丸出しで純粋無垢な少女ですが嫌いじゃないです。


「そのさヘアバンドって凄いことなの!?」


「ヘッドハンティングです、普通ならそうそうない出来事ですよ?」


「そっかーつまり援交だね!」


「僥倖です、援助交際を略さないでください」


 舌を出しながら謝るプレアさんに私は頑張れと言って小説を読もうとしました。


「だからさ!自撮り手伝ってよ!」


「嫌です」


「決まり!さぁ行こう!」


 今の話全部スルーする人間はこの人が初めてで一瞬動揺してしまいました。


「な、何言ってるんですか!一人でやればいいじゃないですか!」


 パーカーのフードを掴まれ連れて行かれようとしたのを止めましたが聞く耳を持ってくれてません!


「そんなエッチな本読んでないで行くよ?」


「エッチじゃありません!恋愛小説です!」


「どーせ最後はS○Xすんでしょ?」


「それは描写されないですよ!!」


「嘘だ〜のあっちムッツリだから沢山持ってんでしょ?」


 まるで私が犯罪者予備軍みたいな発言をされてつい憤慨してしまいました。


「ち、ちょっと持ってるだけですよ!!過激じゃないですし………」


「え、持ってんの??」


 失言した結果、プレアさんに物凄い引かれました、女の子なら学んでも良いと思って十冊ぐらい買ってきましたがこれは普通ではないのでしょうか?


「さっさと行くよムッツリのあっち」


 ムカ!まさかプレアさんに蔑んだ目で見られる日が来るなんて屈辱です。私は仕方なくプレアさんに痛い目に遭って貰おうと自撮りに協力することにしました。セクシーなもの取って皆さんに見せびらかして赤面させてやりましょうとそう決意しました。

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