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幻影道 四.五巻   作者: SAKI
50/50

「いつか見る景色といつか終わる景色」終 

 朝起きると私の瞳は大量の涙が溢れてていてまた全身汗だくになっていた、幸い下着しか着けてないからか部屋の窓を開けると太陽が昇り、吹く風に当たると気持ち良い。辛い記憶も風にのって消えてくれればいいのにと目を醒まさせると私は身支度を整え、一目散にあの家へと歩き出す。彼女候補の家へと付くと合鍵で家に入り朝ご飯の用意をする。


 少し時間が経つと起きてくるがねぼすけさんな彼女はまだ眠っているようだ、仕方無く起こしに二階へ上がり左の部屋へて扉を開けると私は自然に広角が上がりいつものように優しく起こした。


「おーきーて♪」


 大好きな彼女の寝顔は蕩けるぐらい大好き、このままキスしてしまいたいぐらいに私は彼女を本気で愛している、だからこそ私はもう失敗なんかしないように欲望のままに行動する。それがハルカにしてあげらなかった私の戒めだ。


「こーら、起きなさい〜起きないと〜」


 私はお仕置きとしてスキンシップと言う名のセクハラをする、過度なことはしないが起きなければやることもある、その前に起きるから今の所はやったことは無い。


「ふぁ〜」


 起きる姿、寝ぼけた表情、乱れた髪にポワポワ状態のユカリちゃんは甘えん坊のように私の胸に顔を埋める、そのまま枕にされる気は無いからその日はちゃんと起こした。


☆★☆★


 今日は日曜日、天気は快晴で仕事も休み。だけど今日は皆でスイカズラに集まって戦闘の作戦会議をしたり情報整理や仕事の売上を確認したりするがこの日は皆で夏休みの休日や今後の予定を決めている、基本的には私が軸となって動かして入るが遊びについては疎くついていけないことが多い。私はカウンターの一番端の席に頬杖付きながら大好きな家族の話を聴いていようとしたその時、ある提案の声が聴こえた。


「やっぱり夏だし海っしょ!」


 そしてすぐに提案されたのはバスに乗って二時間、徒歩で十分にある人気の海があるらしい、そこはデートスポットで有名であり海の家では絶品海鮮グルメが満喫出来るとのこと。私は心底興味無くて暇になって欠伸をしていたところだ。


「ねーユイ行こー」


「ダーメ、お姉さんが泳げなくて肌を見せるのが嫌いだってこと知ってるでしょ?格好悪いのは見せたくないな」


「私も同意です、肌を傷つけるのは嫌です、肌を見せるのは恥ずかしいです」


「わ、私も別に海はいいかなぁ〜お祭りで楽しめればいいし、訓練したいし」


 意外にも私に賛同する子が多くて驚いているけどプレアちゃんは何としてでも行きたいらしい。プレアは駄々を捏ねのを止めて悪巧みを思い付いて私達に発言する。


「ならデート時間を設ける?更には写真やプロマイド付きで、ゆかりん、ユイ、のあっち、サナちゃん、アスちゃん、どう?」


 その言葉に私達は耳を疑った、好きな子と一緒??写真?プロマイド??つまりはユカリちゃんとあんなことやこんなことも!?これは結婚するためには必要不可欠なのでは?


 プレアちゃんの発言に難攻不落の城が一気に瓦解した音が聴こえた、反対組の顔は一変しそれぞれの企みを考え直している、ちょっと肌を出せばユカリちゃんが??参加すれば??私の脳内はフル回転し猛スピードで結論を出した。


「行く」


 私の欲望は暴走列車のように止まらない、欲しければ力づくで取りに行く、だから私は速攻でオッケーし、それでも頷かない女の子達は耳元で甘い囁きをすると即座に決断してくれた。


「決まり!!んじゃあ来週ね!」


 皆は欲望を満たすために決意しローグちゃん以外は元々賛成なので問題ない、アヤちゃんは皆の意見に賛同してくれから全て解決した、私達はすぐに着る水着を買うために各自ショッピングモールに駆け出したことは言うまでもなくその日はそれだけで一日が経過してしまった。


☆★☆★


「海か」


 日が落ちて世界から光が消え失せている時私は家のソファーで座り込む、結局私の好きなカラーではなくユカリちゃんが気にいりそうなカラーを探したがまだ見つからなかった、もう少し大胆で大人っぽさと少し幼さを残せるものが欲しかったが残念ながらそんな欲張りセットは無かった、それが私にとってとても後悔していて普通の水着にすれば良かったと反省はしたがそれは間違いだと気づいた。


 ユカリちゃんに好きになって貰えるなら私は肌を出して何でもする、汚い小細工は一切無しの恋路の旅はまだ続きそうだ。


 風呂へ入ると興奮していた心を抑えてふと今日の一日を振り返っていた、いつも通りののんびりと賑やかな喫茶店、私とハルカが描いた夢は叶ったのだと、だがその夢は私だけの夢で終わってしまった。大好きだった彼女の夢は叶えられなかった、私のせいで、私がもっと声を響かせていれば殺してしまうことにならなかった、私は愚かで汚く、最低なサイコパスだ、きっとロクな死に方は出来ないのだろう、だがそれでも私は前へ進む、復讐の怒りの炎は燃え尽きないのだ。確実に私の関係者を鏖にしてハルカを踏み躙った新聞記者を私の手で穢してやるんだ。


 それは準備が整い次第決行するが今はほんの少しだけ休もう、思いに耽るのは全てが終わった後にでもするとしよう、今はいつか見れなくなる景色を存分に楽しめる日常を過ごすとしよう、私はまだ幸せを身体に取り入れたいのだ。


「その為にはユカリちゃんを恋人にしないと」


 水着デートなんて滅多に無いチャンス、絶対にときめかせて私の恋人になってもらはねば!!そして永遠の愛を誓い残りの人生を謳歌してやるんだ、そう決めると私は明日も極上の水着を求め東奔西走する旅へと繰り出していった。待っててねユカリちゃん、絶対に心臓を握り潰すぐらいの水着で魅了してみせるから!


 幻影道 四.五巻 終

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