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幻影道 四.五巻   作者: SAKI
46/50

「義手少女の轍」その5

☆★☆★ アスカ


 深夜、私はピクリと目が覚めてしまい気が付くと明かりが消えていた、横にはユカリちゃんの愛らしい寝顔があり私と向かい合って寝ていた。


 半袖パジャマから出る細い腕に思わず手を伸ばしてしまった。“私”にはない片腕は柔らかく滑らかだ。


 女の子の手って少し小さくて指が細いことが多い、ユカリちゃんの手を胸に抱きしめると温もりを感じ悲しくなる。そして私は最低な事を脳裏に過ぎってしまった、腕を切り落とせば私のものになる?とこんなに優しく厚く歓迎してくれる一番の友達になんて私は極悪で汚い心を宿してしまったのだろうか。


 やはり私はユカリちゃん達といるべきではないのでは?と考えるがユイお姉様達を切り捨てて逃げるなんて無様な真似は私が許さない、それなら自殺した方がマシ、もし死ぬなら庇って死にたい。


「むにゃむにゃ……アスカちゃん……好き」


 感謝とお礼に腕を軽くマッサージすると夢で喜んでくれた、私は頭を優しく撫でながら安眠を祈る、もう神なんか信じないけどユカリちゃんの健康と命の為なら私は嫌いな神にでさえ跪くだろう。


「私も好きだよ」


 私は手の甲にキスをするとユカリちゃんは私を抱きしめてくれた、それが嬉しくて私も片方の腕を伸ばし抱き寄せる、両手だったら最高な雰囲気なのにな。


「いつも優しくしてくれてありがとう、これからも私と仲良くしてね♪たった一人の友達であり恩人のユカリちゃん」


 皆はユカリちゃんを馬鹿にしたり最弱とか批判するけど私はちっともそうは思わない、勇気を振り絞って異世界へ行く勇猛果敢な心と過去を振り返らない決意に私なんかでも優しく接してくれる素晴らしい女の子だと思う、価値観や戦闘面はまだまだだけど私はユカリちゃんを信用し、ユカリちゃんや先輩の為に生きる、それが今の恩返しだ。だから私はなるべく気持ちよく寝れるようにマッサージを繰り返して、また眠気が襲ってきたら休むことにした、お休みユカリちゃん。


☆★☆★ ユカリ


 今朝起きると体調が物凄く良かった、まるでマッサージでもされたように筋肉が解れて気持ちよく眠れた、ただ一つ困ったことがあるのであればそれは・・・


「くぅ……くぅ」


 アスカちゃんか抱きしめられて身動一つ出来ない状況であることかな、まるでぬいぐるみのように抱かれる私は困惑しながらも幸せそうに眠るアスカちゃんを見つめ起こすのはもう少し後にすることにした。


「ユカリちゃん大好き」


 小声で聞き取りにくかったが、私の事を好いていることは分かった、だから私も耳元で私も好きだよと囁くと可愛いい笑顔を浮かばせながら眠っていた。

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