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幻影道 四.五巻   作者: SAKI
44/50

「義手少女の轍」その3

 食事を終えてアスカちゃんにお風呂を誘ったがすぐ断られた、理由は“腕”を見られたくないからと言われ、追及しようとしつこく聞こうとしたが私は距離感を悟り諦めた。皆が皆優しく、仲良く出来るわけじゃない。日が浅く、馴れ合いやノリが良ければ誘えるがアスカちゃんはそんなタイプではなくグイグイ行くと嫌われそうだから私は一人で入ることにした、一番風呂だと思ったがまるで当たり前のようにゆいゆいが入ってきた、とても眠たそうで今にも寝てしまいそうだったので私が髪や身体を洗ってあげることにした。


 相変わらずのダイナマイトグラマラスボディに驚くが最近は少しずつ慣れてきて赤面はしなくなった。


 私にとっては憧れで目標、優しくて皆を愛してくれる女神のようなお姉さん。殺しはあまり納得しないけどそれは復讐の怒りと壊れた原因を滅する為だと勝手に思い込んでいる。そうじゃないと私はゆいゆいを嫌いになってしまうからだ、理不尽に人を殺し躊躇や節操なく死体を蹴り剥ぎ、命を尊厳を軽んじ、臓器すら売り出すぐらいの狂気じみたゆいゆいは私は本心じゃないと決めつけていた。


 戦いには一切隙も生じない程の動きは殺し慣れた手付き、戦術、その気になればそこら辺の人間すら首をへし折り喧嘩を吹っ掛けるほどの凶暴で大人に対しての沸点の低さは目に余るほどだ、だけど私は目を逸らす、いつかそんなことが無くなると信じて、今の道を進むしかないんだ。

 

 例えそれが私が死ぬことになっても私はゆいゆいを信じ続ける、四肢が無くなろうが眼を抉られようが女としての尊厳を失おうが私は信じ続ける。大好きなお姉ちゃんとゆいゆいの為にも。


「ふにゅ〜なんか眠たくなってきた〜」


「もう既に寝てない?」


「起きてまーす、むにゃ」


 完全に船漕いでる気がする、寝る数秒前になんとかなんとか起こさせるためにゆいゆいの弱点を下から掬い上げるように揉んだ。


「ふぁ!?何するの!?」


 大きいお胸がゆいゆいの弱点、触られるだけで敏感に反応するから可愛いい、でも今は寝られても困る。


「今日添い寝してあげるから寝ないで」


「むむ、お姉さんの扱いに慣れてる・・・」

 

 すると本来なら甘えてくる筈のゆいゆいが驚きの発言をしたのだ。


「今日は遠慮するね、ユカリちゃんはアスカちゃんと一緒に寝なさい♪」


 まさかあのゆいゆいが私を手放した!?いつもは四六時中私にべったりで唯一甘えん坊になるゆいゆいが!?


「い、いいの!?」


 私は信じられなくて聞き返すと確かにもう一度断られた、夢じゃないんだ。


「アスカちゃん、まだ皆と関係が浅いし何より親しくしてるのはユカリちゃんぐらいだからね、あの娘普段は腕を外さないのにユカリちゃんにだけは本当の私を見て欲しいって言ってるみたいじゃない?」


 その言葉には同意しざるを得ないか、アスカちゃんが義手を外すのは寝るときと好きな友達がいる時だけらしくそれが私だけだと分かるともっとより親密になってあげたいと感じている。ゆいゆいは子供の事をよく考えて生きてるんだなぁ、初夏の時、間違えて指定休入れるの忘れて土曜日やった仕事のお金を付けるのを忘れた一月は今でも怒ってるけど疲れてると換算すると仕方ないのかな。


 私ってゆいゆいに甘いのかな。


「それならいいけど……お家帰るのはキツイよね?」


「まぁね、徒歩だからお姉さんの家だと三十分掛かるからノアちゃんの部屋で寝るね♪」


 それってノアちゃんに承諾を得て発言して―――― してる訳ないか、多分断られないけどメールで言っておこう。


 私はゆいゆいの身体と髪を洗い、自分の分を洗い終えると二人仲良くお風呂を楽しんだ、ゆいゆいとのお風呂が最近楽しみ過ぎて幸せすら感じている。ダイナマイトグラマラスボディには目を惹かれるけど私はゆいゆいを身体で判断する女じゃないと証明したし此れからも楽しく幸せに送れるといいな。


 最後にお風呂から出て真っ先にノアちゃんにメールを送り、呆れながらも了承してくれました。

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