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幻影道 四.五巻   作者: SAKI
43/50

「義手少女の轍」その2

 ゆいゆい知らせるとそのまま今日は泊めちゃえの合図が出され早速その事を伝えた、だがアスカちゃんは遠慮してるのか答えを濁している、まだ早いとか迷惑になると。同年齢とは思えない程謙虚さに私は驚く、私だったらそのままインなのに。


「それにユイお姉様にお手数かけるのは・・・ノア先輩にだって迷惑かもしれないよ?」


「大丈夫、ノアちゃんにはもう許可取ったから」


「えっ!?」


「それにゆいゆいは寧ろウェルカムだってさ」


「えぇ〜!!?」


 驚きの連続になるほど準備万端、用意周到、転轆轆地によってアスカちゃんお泊り計画は数秒経たずに成立した。それでも遠慮したからゆいゆいが喜ぶとか言ったら犬のように尻尾振って落とすことに成功した。


☆★☆★ 夜


 今日のご飯のメニューは和食、ご飯に味噌汁、鯖の塩焼き、小松菜とほうれん草のおひたしにゆいゆい拘り卵焼きと納豆と豪華な食卓が並んでいて見てるだけで涎が・・・


 でもそれは地球人としての観点でノアちゃんは少し嫌な表情をしている、お魚が苦手だったり納豆のネバネバが嫌だったりしてあまり好みでは無いみたい。


「こ、これが和食ですか!?」


 だがそれもまたノアちゃんの観点でありアスカちゃんは目を輝かせながら食卓を見つめていた。


「簡単な物しか無いけどお姉さん特製卵焼きがあるから我慢してね〜♪嫌だったら――― 」


「と、とんでもない!ユイお姉様が丹精込めて作られた食事を無下に出来ません!たとえ寄食だろうが生物だろうが私は食べ尽くして見せます!」


 異様にテンションの高い彼女にノアちゃんはビクッとしている。いつもの清楚な振る舞いや尊敬する眼差しもここまで来たら狂気じみてる気がする。


 兎に角アスカちゃんのことは置いといてゆいゆい以外はアスカちゃんは少し遅れて皆で手を合わせる。


「「頂きます」」


 ノアちゃんも最近はもう地球人っぽくちゃんと言えるようになりアスカちゃんはまだ慣れていないのか少し遅れて発音すると早速食べ始めることにした。

 

「これ・・・お魚だよね?」


 くんくんと犬のように嗅ぐアスカちゃんは気に留めないで魚を食する私に問いかけた。


「そうだよ、臭いは凄いけど食べてみると美味しいんだ♪」


 私が言葉にするもノアちゃんとアスカちゃんは相変わらず苦々しい表情で魚を睨みつけている、やっぱり異世界の方だとお魚とか食べないのかな?


「私、魚は観賞用だ、食べるのは危険だと思ってた・・・何やら魚には人を殺す毒や棘があるとか」


「わ、私も聞いたことあります、魚を食べると一週間足らずで死に至るとか、骨は臓器を裂き、魚の卵を食べると腹から羽化して腹から突き破って出てくるとか!」


 異世界の魚ってそんな凶暴で人の体内を害する殺戮的なものなの?それともジンクスかなにかなのかな?


「地球の人間ってもしかして魚の攻撃さえも弾く力があるとか??或いは強靭な臓器だったりする?」


 そんな専門的なことまでは知らないよ………


「多分だけどこっちの魚と異世界の魚は違うものなのかもしれないね♪」


 私は言葉に迷うとゆいゆいが私の肩を優しく掴みながら答えた。


「地球の魚の進化は一生水中の中で生きてるから足が必要なくなり代わりにエラやヒレが“生きる”為に必要だから進化した、でも異世界の中での魚はなんと足が生えてる、それは生きるためには必要手段としてだから。その為異世界での魚は外敵要因が多いから一部位だけでなく全身を武器となる身体に進化させたからあんな凶暴な生物だらけになってるの。だけど地球には全種武器を持っている訳でもないから地球には地球の生物ピラミッドがあり、異世界には異世界の生物ピラミッドが存在するのが面白い発見だよね♪」


 頭の悪さで一部しか理解出来なかったけどつまりは地球と異世界では生物のなんとかかんとかがあるってことかな?


「その上で進化したから人間は魚に対する拒絶や骨や毒を消化出来るほどの身体にもなったのかもしれないね」


 ほえーと私含めて感心する、良く分かってないけどなんか凄そう。


「でもユイお姉様、その説だと対応出来ない私達が食べたら消化不良起きてしまうのでは?」


「それなんだけど、お姉さんここに来てから色んな物を味わって来たけど今のところ問題ないのよね〜この世界が比較的安全だからかな?異世界だとお腹壊したし毒が体内に回って吐血したけど今の所は大丈夫!」


 一体何を食べたら吐血なんかする状態になったんだろう?多少の疑問点は残るけど真に受けたアスカちゃんは恐る恐る魚の身を掬い口の中にを持っていく、そういえば何で色んな種類の中で臭いがキツイ鯖を出したんだろう?ゆいゆいの事だから買い忘れか或いは耐性を高める為の見計らいなのかな?


 私はゆいゆいの顔を見ると少し目元が濃くて少し眠たそうだ、疲労だね。


 アスカちゃんはまるで危険物を見るような目で魚を見て犬のようには臭いを嗅いでいたがその表情は少しずつ変わり目をパチパチさせながら食べている。


「あれ、美味しい??」


 それが拍子抜けだったのかアスカちゃんはまるで珍味を見つけたような素振りで食べ終えた。


「うふふ、アスカちゃんもこれで地球人の仲間入りね♪」


 ゆいゆいは微笑むと同時に私も広角が上がっていた。そこからのアスカちゃんの勢いが凄まじくなんとご飯を三杯もおかわりする程強烈的な美味しさだったみたいだった。ノアちゃんもそれに反響され少しずつ食べ始めることになった。

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