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幻影道 四.五巻   作者: SAKI
38/50

「ツンデレちゃんとおっとりお姉さん」 その2

 色んな疑問点はあるけど目の前にあるドーナツを前に私は一旦心の中にしまい込むことにした。糖分を摂取だと思えば食べない訳ないわ。しかもこの箱、大手のドーナツ屋じゃない!?まだ一度も手を出したことのないものに私は目を光らせていた。


「どれ食べたい?」


 箱を開封すると沢山の種類のドーナツが顔を覗かせる、どれも美味しそうではしたなくも涎が出てしまった。


「じゅるり」


 イチゴ&チョコレートのオールドファッション、バニラクリームのフレンチクルーラー、シンプルのイーストドーナツ、マフィンにパイ、夏限定期間限定メニューその他諸々に私はまるで餌を待つ犬のように尻尾を振っている、駄目・・・皆食べたい・・・


「さ、サナエちゃん??」


 荒ぶる理性に我慢していると横からきょとん顔のユカリちゃんが凝視していた。そ、そんなに変かしら?


「な、なに?」


 聞くもユカリちゃんは珍しい物を見ているような目できょろきょろする。


「うふふ♪可愛いいでしょ♪サナエちゃんは大のドーナツ好き、まるで子どものような目を光らせながらお腹を鳴らす姿見ると啞然よね♪」


 うそ!?お腹鳴ってたの!?確かに欲してはいるけど!それにユカリちゃんが凄く見つめてる、そんなに珍しいのかしら?


「う、うん。あんなにサバサバして冷徹でいつも張眉怒目なサナエちゃんが…あんなに楽しそうに選んでるなんて・・・」


 言葉に棘があるわよこの馬鹿、まるで私がいつも怒ってるみたいじゃない。ドーナツぐらい普通に選ばせて欲しいわ。  


 大きく溜息を吐くとユカリちゃんは申し訳無さそうに謝った。


「ご、ごめんね、不快だった?」


「はぁ?なんでそうなるのよ?」


 意味わからない、別に怒ってもいないのに・・・


「はぁ………あんまりまじまじと見ないでアンタも選んだら?」


 私は言葉を交わすがユカリちゃんはまた謝った、その度に苛々するけどユカリちゃんが謝るには理由があるのだと私は知っている。その原因は私なんだろな。


「あはは、サナエちゃんっていつも眉間に皺寄せながら話すから勘違いしてるんだね♪」


 そしてこのデカチチは笑っている、やっぱり私って怖い印象を持たれてるのかしら?


「ふん、別に怒ってないわよ」


「えっ、うん」


「だ〜か〜ら!怒ってないわよ!」


「ご、ごめん!」


 苛々してるとユイはここぞとばかり間に入って私達の頭を撫でる、こいつもムカつくけどドーナツに悪い事をしてるようで私は一旦冷静になろうと頭を冷やすことにした。


「・・・ごめんなさい、なんか私ってすぐ熱くなっちゃって・・・ユカリちゃん、威圧的に話してごめんなさい」


 私は素直に平謝りするとユカリちゃんはあわあわと慌てる、謝らないでと同じく謝られた。


「折角ドーナツが食べられるのにイライラしちゃって・・・茶を濁して悪かったわ、アンタ達から好きなもの良いわよ♪」


 私は二人にそう言ったが二人に拒否された。


「ううん!こういう時こそサナエちゃんからで!美味しそうに頬張る姿みたいな!」


「うんうん、とびっきりの笑顔で食べてくれればお姉さんは満足だから♪」


 この姉妹は相変わらず優しいのよね、なら言葉に甘えて食ってやろうじゃない。私が超絶可愛いい美少女だってこと教えてやるわ!


 私は一番気になっていた夏限定のブルーハワイチョコレートドーナツを掴み一口頂く。


「頂きます」


 気合一閃、私はそれを噛みしめるとそこに広がっていたのは浜辺の海だった。暑い日差しを守るパラソルの下で休む私、爽やかなブルーハワイ味のかき氷を一口食べ、清涼感を味わう一品。口の中に広がる甘味と優しく包み込む爽やかさで一撃で蕩けてしまった。


「おいひぃ」


 涙が出る程美味しくて二人は頬を赤らめながら互いに見つめ合っている、これは二人にもシェアしたい!


「アンタ達も食べてみなさい!絶品よ♪」


 私は無理矢理二人の口の中に押し込ませると二人もほっぺが落ちそうな程満足そうに笑った。その時だけ自然に私も笑顔になり退屈しない日々を送れた。


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