「男の浪漫と男の友情??」その6
数日後、あのノートパソコンに入っていたソフトはサナエちゃんにより完全に抹消された。僕には特に被害はないがユウガは払った側なのでガクリと折れている、僕にも非があるから今日は仕方なくユウガをファミレスで奢ることにした。
「わりぃな、飯奢らせちまってよ」
その気があるなら豪快に食べないよな・・・なんかレシート見るのが怖いよ僕、前アヤちゃんと一緒に行ったら物凄く安く済んだの目の前にある皿の量が倍ぐらい違がうぞ?
僕はレシートをまじまじと見つめながら視線を反らした。
「ま、一応迷惑掛けたしこのくらいはね」
女の子からの視線はあの日から痛いけどユウガとの距離は縮まったような気がする。色んな話や買い物なんかも付き合ったりと最近は女の子よりも仲がいい気がする。
「滅茶苦茶高かったからな〜あれは痛手だったぜ〜まさか初日で消されるとはサナエはマジ鬼だぜ」
サナエちゃんに対しての文句はズラズラとは並べる、確かにサナエちゃんは全てに厳しいが全てに対しても均一している、だから抹消されてもただ没収してるだけでまだ持ってるなんてことも多々ある、ちゃんと反省すれば許してくれる・・・多分。それだからかフォローして上げたくなってしまうんだ。
「あはは、でも皆にも厳しいから許してくれたら返してくれかもよ?」
「はっ、どうだがな。サナエの評判は生徒から悪評高いからな〜俺達の中でも特に苦手意識あるのは分かるだろ?」
ユウガは依然として評価は変わらずサナエちゃんの悪口まで言う始末、頷きたくはないがサナエちゃんは生徒から嫌わられてるのは知ってる、でもそれでも威風堂々とした姿は変わらないのは凄いことだと思うけどな。
「ま、性格が苦手な事以外は良い女だよ。誰にでも公平で成績トップだしお前に“巨乳”美少女だしな」
巨乳だけ強く言ったなこいつ、それを目の前で言ったら完膚なきまでに叩きのめされそうだな。
「サナエは残念だよな〜おっぱいはデカくて美少女なのに性格ゴミで威圧的な態度でさ〜そりゃあ嫌われるわなぁ〜」
更に悪口を重ねるとは・・・ユウガも対したどき――――― あっ。
ゲラゲラ笑う彼の背後に鬼のようなものが張り付いた顔面凶器がそこにいた、何故か知らないが命を抉られるぐらいの恐怖がそこに迫っている!なのに身体は動かない、動いたら殺される!!
「あん?どうしたんだよ?」
蛇睨みされたカエルのように顔面蒼白する僕に言葉を掛けた瞬間、振りかざされた手がユウガの顔面を捕らえた。
「ひっ!?さ、さな――――― 」
ユウガは名前を言うことすら許されずそのまま店の外へと連行されて行った。あの雰囲気は帰って来れるか不安だ、何故彼女がここに居たのかは僕達は知らないし知りたくもない、暴いたら消されそうだからね。
だから素直に何も見なかったと判断し僕はそっとレシートだけを持って会計へと足を運んだ。
馬鹿みたいに高かったよ。




