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幻影道 四.五巻   作者: SAKI
34/50

「男の浪漫と男の友情??」その4

 そして公園のベンチでお説教・・・という訳でもなく僕は出来事を告白した。するとユカリちゃんは怒りを沈め話をちゃんと聞いてもらえた。怒った女の子は何をするのか分からない、サナエちゃんには暴力を振られたしプレアちゃんからローキック、ノアちゃんは股間蹴り、ユイちゃんから優しいチョップと多種多様な怒り方をするようだ。


 一本暴力とは無縁のユカリちゃん、アヤちゃん、アスカちゃんはお説教と可愛らしいのだが時間が長引く為どちらかというとこっちの方が地獄かな。


 ユカリちゃんはその話を聞いて顔を顰める。


「う〜ん、怒りたいけど故意なら仕方無いような………ノアちゃんもやり返したからお合いこかな?」


 そして次の瞬間、ユカリちゃんはトンデモナイことを発言した。


「どこ蹴られたんだっけ?撫で撫でするから見せて♪」


 耳に風穴が開くほど僕は聞き漏らさなかった。撫で撫で!?それはつまり・・・いやいやいや!駄目に決まってる、こんな所で見せたら変態どころじゃやくなる!警察沙汰だし男としての尊厳が潰れる!!


「いや、大丈夫」


「ダメだよ〜私知ってるよ!痩せ我慢する人は顔に出るって!」  


 恐らくユイちゃんがそれに当たる人物だからかグイグイ寄ってくる、いつ見ても可愛いいなとか言ってる場合じゃないな・・・


「ほ、本当に大丈夫だから!」


「なら傷跡見せて」   


 ぐっ!?それを見せたマズイのに納得してくれなさそうな表情だぞ!?


「ほら!見せて!」


 怒る顔も可愛いい・・・惚れてる場合じゃないのにうっとりする程の可愛さが目の前にいる、本当のこと言ったらどんな反応するのか逆に気になっちゃうじゃないか!!


「む〜聞こえてる?」


 ユカリちゃんは服を引っ張りながら頬を膨らませる、あまりの可愛さに目を離していたようだ。


「う、うん。何度も言うけど“男”として言えないんだ」


「?」 


 そうこれだけは言わないのさ。


「怪我したのが股間だったなんて――――― あっ」


 正々堂々と声に出してしまったような気がするが気のせいだろう。ユカリちゃんはその言葉に僕のそれを見てみるみる赤面し言葉にならない悲鳴を上げる。


「っ〜〜〜〜〜!?」


 ユカリちゃんは言った、“なでなでする”とつまりそれは僕の大事な場所を撫でたいと言っている、女の子がそんなはしたない真似をする訳がない。だがユカリちゃんは目をグルグル回しながら挙動不審になりながらもそれに手を伸ばす。


「い、いたいもんね〜え、え、え、あ、えっと・・・して欲しいのかな?」


 口が回らなくなったユカリちゃんはして欲しいことを聞いて撫でようとする、流石にユカリちゃんにらして欲しくない為拒否した。


「だ、大丈夫だから。尊厳を失ってまでしなくていいから」


 僕の言葉にやるせない気持ちでユカリちゃんは謝った。


「ご、ごめんね、男の子に酷いこと言って・・・私バカだから・・・・」


 想像よりも凹んでいる、それを無下にはしたくないが触らせるのは変態だろう、だから僕はある提案をした。


「あ、そう言えば止めてる最中に腕をぶつけたんだ………撫でてくれるかい?」


 おろおろと戸惑うユカリちゃんに言葉を差し伸べるとぱっと明るくなり優しく撫でて貰った。


「ありがとう、優しいね」


 投げかけられた言葉は目に入れても痛くない優しい声に表情は愛くるしくも僕は感じた。こんな優しい女の子を汚す事は出来ないと。


「あれ?どこ行くの?」


 キャラクター制作はオリジナルで作ろうとベンチを立つとユカリちゃんは甘えるように服の裾を掴見ながら聞かれた。


「戻らないと、ユカリちゃんは?」


 その問はノアちゃんと一緒にお勉強する予定だったがプレアちゃんは完全に寝ているため二人で勉強するとのこと。ああ見えてユカリちゃんは勤勉なんだな。


「分かった、送るよ?」


「いやいや、いいよ!ノアちゃんが方向音痴だから怖くて連れ帰るだけだから!でもありがとう、心配してくれて」


 天使のような笑顔に胸を打たれるとなんとユカリちゃんは手を差し伸べてくれたのだ。


「手繋ごうよ♪」


 胸が一層高鳴りながら拒否せず即座に頷いた。まさかユカリちゃんと手を繋ぐ奇跡に巡り合うとは僥倖だ!


 僕は気分良くして手を繋ぎながらシェアハウスへと戻ることにした、道中色んな人からはカップルとか彼女とか囁かられたけどユカリちゃんは全く気にしておらず寧ろ楽しそうだった。何気なく触れることも、知らずする優しさも、彼女は嬉しくて気を許せるから笑顔を見せてくれるんだと確信した。

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