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幻影道 四.五巻   作者: SAKI
22/50

「毒にも薬にもならない一日」その1

 今日は厄日、無味乾燥、毒にも薬にもならない奴との行動なんてとてもとても時間の無駄、そうとしか言いようがないくらい今日は溜息と悪態と不機嫌が揃う日、確かに私は約束は立てつけた、だがまさか今日になるとは思ってもみなかった。仕方ないからあいつの所へ行くとしよう、お洒落なんて別にいいや、子どもと遊ぶ訳じゃないし今日はホテルでランデブーなんてシャレにもならないほどつまらない。


 そして私は一言呟く。


「約束なんかしなきゃ良かった」


 アヤちゃんを引っ張る為に払った代償は決して少なくない何故なら好きでもない奴と一日デートだから。早く帰りたいの一言、ユカリちゃんを抱き枕にして眠りたい、はぁ………仕方無い、アイツの所に行くか。


 私は悪態を散らしながらデート相手の待つ高級ホテルへと足を運ぶことにした。


☆★☆★ 高級ホテル 受付ロビー


 話を通すと何故か受付の女は物珍しそうに見ていた。まるでこれから会う奴が彼氏かなにかだと勘違いしているのか?冗談じゃない、あんな奴彼氏でもごめんだ。


 私は最上階の個室の鍵を受け取ると重い足を運んでエレベーターへ乗る、中は漂う香水が充満して気持ち悪かった。最上階まで上がるとそこには例の個室があった・・・さっき通りすがった個室とは比べ物にならないぐらいのゴージャスな飾り付けと装飾品、はっきり言って嫌いだ。でもここに奴が居る、それだけは覚悟しないと。


 私は金装飾に金色に塗られた扉のドアノブに鍵を差し込むが何故か反応が無い?私は気になって回すと普通に開いた。


「あ、ユイちゃん!!私なりのドッキリどうだった?」


 殺してやろうか?と思わず口に出そうなのを堪えて溜息が出る。何でこんな奴と一緒のホテルで寝泊まりしてやんないといけないのだか・・・女神アリアンロッドさんよ。


「ここね!オートロックなの!だからホテルに入ってきた時から私は既に開けてたの♪」


 やっぱり一発殴っても許されるかな?このニコニコした表情にさ、金髪碧眼のショートボブ。こめかみは三編みにしていてその美しさは人からは絶世の美女とか・・・だが尾鰭が付いた話に鼻を伸ばしてるというわけでもなく彼女はあまり自身が無いようだ。服装は純白な肩がガッツリ開いているノースリーブドレスは胸元を大きく強調し何故か脇が大きく開いている。色仕掛にしては充分な広さに溜息しか出てこない。


 私がそれに注目すると照れた顔で見せびらかした。


「似合うかな?」


 えへへと私に見せたかったのか明るい報告を待っているのだろうな、仕方無いか。


「私に見せたくて着てきたの?」


「うん!胸元とかもうちょっと開いてたらユイちゃんみてくれるかなって」


 別に私は巨乳だろうが貧乳だろうがどうでもいい。そもそも大人に興味が沸かない、だから実際見てもそれで?って言葉しか見つからない。


「ま、似合うんじゃない?」


 適当に返したがアリアちゃんは喜んでいる、何でこいつ私の事こんなに好きなの?たった一週間しかチームに入れてないのに・・・


「うふふ、ありがとう♪あ、でもユイちゃんはおめかしして来なかったの?」


 それを聞くか・・・・


「別に?面倒臭いしアリアちゃんとだからカジュアルでいいかなって」


 私は歯牙にもかけない存在を無視しようと心に決めたのにアリアちゃんは急に身を乗り出した。


「駄目よ!ほら!ここにドレスをもう一着あるからすぐに着替えて!」


 何故か怒られた、そしてなんかのブランドの袋を押し付けられた。


「あとこれ!どうせつまらない下着着けてると思って買ってきたわ!後はお化粧品も!」


 そしてまた押し付けられた。


「い、いらないよ………」


「今すぐ着替えないとアヤちゃんの件は無かったことにするわよ?」


 そしてついに脅迫めいた言葉を押し付けられた。元々はアンタのせいなのに。


「わ、分かったから怒鳴らないで。後、私化粧したことないのだけど」


「なら私がやるわ♪この際イメチェンしましょう♪」


 何だか嫌な気が・・・私は憤りを冷まさせるために用意されたドレスを着替える事にした。はぁ・・・嫌だな。

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