表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻影道 四.五巻   作者: SAKI
19/50

「天然と清楚な仲」その3

 まさか後日、マツキ君が一応正式に入隊することになった!ずっとずっと断り続けたのが漸く仲間になることに。どうやらお金関係で仲間になったらしいけどそんなにお金に困っているのかな?それはさておき皆は大層喜んでいた、皮肉な事を言う先輩もいたけどこれから仲良く出来たら嬉しいな。ちょっとした歓迎会の翌日、私とアヤ先輩は喫茶スイカズラにある工事して作った復讐リストや計画表や武器が置いてある地下室の整理を任せされ業務をこなしている。元々はユイお姉様のココア貯蔵庫にしようとしたら仲間達に締め上げられ急遽戦闘管理室へと変更となった。


 ここには様々な化け物や地形、武器や騎士団の極秘情報やプライバシーに関して緻密に企てられたモノを保管してある、中には銃も・・・外に漏れたら完全にアウトだけど此処は特殊なベールが張られているらしくて普通ではまず察知されることはないらしい。と言うことで私はユイお姉様の為に人肌脱ぐことになりました。


「ユイちゃんも大変ね、色んなワケアリの子を次々と味方に付けて仕事をこなすなんて」


 アヤ先輩は少し不安そうに資料を整理するとその中身から一枚の写真っぽいのが落ちてきた、私はそれを拾ってアヤ先輩に渡そうとしたその時、つい写真を見てしまった。


 これは・・・アヤ先輩の身体??とてもしなやかで美しいボディライン、手足は長く胸元は大きく膨れ裸だったので私は赤面して直視しないようにと思ったが身体の部位に赤いマークが施されているのを見つけた。更には太腿には歯型のマーク、喉仏には赤い斑点、お尻の方には注射のマーク?

 

 これは一体なんだろう?


「アヤ先輩、ちょっと・・・」


 次々と整理するアヤ先輩にこの事を話すととても恥ずかしそうに頬を赤らめた。


「アスカちゃんのえっち」


 違う、そうじゃない!確かに見たけど!!とても羨ましいけど!


「そこじゃありません!!ここです!ここ!」


 私は赤面しながら身体中にあるマークを指を差すとアヤ先輩はまじまじと見つめた。そしてその正体もはっきりした。


「これは・・・痣かしら?」


 正体に私は小首を傾げる、アヤ先輩は理解の追いつかない私に対して首筋を見せた。


 そこにははっきりと写真と同じ斑点模様が刻まれていた。そしてアヤ先輩はそのマークが印されている部位を私に見せてきた、ちょっぴりイヤらしい雰囲気になったものの私は理性持って対応しました。


「これは一体??」


 私の言葉にアヤ先輩はまるで苦虫を噛み潰したような表情で写真について語りだした。


「これは・・・私が奴隷で付けられた痕なの」


 アヤ先輩から語られたのは奴隷になってアリアンロッドさんから救われるまでのお話だった。

アヤ先輩は元々両親が賭博によって大量の借金を残したまま死んだ事が事のきっかけとなっている。


 アヤ先輩は奴隷を余儀なくされ、初めは子供の世話を見る教育施設に入っていた、特に親を亡くした子を育てるのが主でご飯は三日に一食食べれればいいぐらいの環境でそれでも膨れ上がった借金はアヤ先輩を押し潰した。


 何年か仕事をこなしていた先輩は急に風俗へと拉致され今よりもっと過酷な奴隷施設へと連れ込まれた。ご飯は一週間に一度、極貧に耐えられなくなったアヤ先輩は十五歳という若さで体重は二十キロになるまで朝から深夜までの死ぬ気で働かせ、それなのにお金は微々たるもので精神的苦痛とストレス、極度の拒食症でアヤ先輩はもう死ぬ直前にまで追い詰められていた、そして一年年後、そんな時に出会ったのがアリアンロッドさんだった。


 アリアンロッドさんはアヤ先輩の過酷な環境に心を痛みすぐに奴隷として安く買われた。まるで枝のように細かった四肢に骨が浮き出てるほど痩せ細った身体を戻し為にご飯を用意しても拒食症を患った反響は酷く、ちゃんと食べれるようになったのはユイ姉様に出会うまでだったらしい。


 今でこそ体調は優れないがアヤ先輩は仕事を頑張ろうと寝ず飲まず食わずで仕事したせいで危うく過労死するところだったらしい。そのことをユイお姉様に怒られ今は幻影守衛騎士団ファントム・ガーディアンズの一員もなって体調を全て元通りにするという理由で入ったらしい。壮絶な人生に私はアヤ先輩に尊敬の念を抱きながら労うことにしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ