「凸凹コンビ」その6
モデル審査当日、家族達はいつも通り仕事の準備をしている真っ最中。そこには当然プレアは存在せず、ユカリは寂しそうに空を見上げていた。
「本当に行っちゃんたんだね」
サナエによると朝イチで出掛けて行ったらしく恐らく今頃は審査会場へ足を運んでいるとこだろう。
「いつもは煩くて面倒なのに居なくなると途端に空気が変わりますのは何故でしょうか?」
ノアの言葉にカップを磨くユイはこう語った。
「プレアちゃんの魅力を感じてるからだと思うよ♪家族で一番明るくて皆に元気を分けてくれる女の子だからね、居なくなると急にしんみりするよね♪」
ユイさんはとても嬉しそうにニコニコしていますが内心は淋しいのでしょうか。
「さ、もうすぐ時間だからそろそろ仕事に―――― 」
開店まであと数分、ユイさんは手を叩きながら持ち場に移動しようとしたその時、玄関先の扉が開かれた。
陽の光と共に現れたのは金髪碧眼のサイドテールをした明朗快活の女の子、プレアだった。
「皆ごめん!遅くなった!!」
いきなりの登場に二名除いて皆驚いている。
「やっぱりアタシヘッドショット断った!本当はコネでも入れるって書いてあったけどアタシは皆と一緒がいいって断ってきたよ!!」
プレアは眩しいくらいの笑顔にユカリ達は急いでプレアを囲み明かりが灯されるように一気に賑やかになった。
「これからも皆シクヨロ〜☆アタシが居ないと寂しいっしょ?」
「別に居なくてもいいですよ」
ぷいとそっぽ向くノアにプレアはじゃれ付く、ノアは触れらるのが苦手なのかとても嫌そうに両手で押さえる。
「のあっち〜ねーねーアタシの友達〜☆」
それでもベタベタくっつく彼女に溜息を吐くノア、いつも一緒にのに反りの合わない二人にユカリ達はにんまりとしている。
「もぅ〜しつこいです〜!それとどさくさに紛れれてセクハラしようとしてません?」
身体に触れる手付きが妙に卑猥でノアは睨む、スキンシップなのも苦手だ。
「あれ、バレた?おっぱい揉もうとしたのに」
「当たり前のようにセクハラしますよね、ちょっとは自重してきださい」
「自首はしないよ?」
「だから“自重”です!何回言い間違えする気ですか!!このまな板貧乳処女!」
「あーぼーげんだ!ぼーげん!」
「うるさいです!いつもいつもプレアさんは・・・」
そしてまた喧嘩が始まる、一週間に何度も喧嘩してるのが彼女達の日常であり家族の皆は慣れた目でスルーし始める。
「あんまり暴れないでね〜」
忠告だけするとユイは微笑みながら踵を返し誰も喧嘩を止めることなく仕事を始めることにした。二人の中はこういうものが適任だ、【犬猿の仲】と。
こうしてまたいつも通りの日常が繰り返すことになった、それについてはノアはこうコメントを残した。
「プレアさんが元気なら私はいつでも相手をします」
私は怒りに任せるとまたいつもの喧嘩が始まった。




