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幻影道 四.五巻   作者: SAKI
10/50

「凸凹コンビ」その4

 まさかあの日が怒られて終わるなんて思いもよらず私は無駄な時間を過ごすことになるなんて……しかも会社から連絡ありませんでしたしただ怒られただけの日、その次の日になると漸く会社から連絡が届き明日にはモデルの面接があるとのことで、それを何故か私に伝えられユカリさん達の家のリビングで相談を受けることに。


「わ、私は反対だよ!」


 ソファーに座るユカリさんから真っ向に反対を受けるとは知らず呆けた面で理由を聞くプレアさん。理由は簡単で危ないから、それとユカリさんの私情で会えなくなるのが寂しいからだと。やっと出来た家族に一人欠けるのが嫌だと主張する模様。


「それにそれに!」


 ユカリさんは食い止めようと口を動かすと近くに寄り添うユイさんに口を止められる。


「駄目よユカリちゃん、自分勝手に未来を失くさせるなんて」


 何だか距離感おかしいようなユイさんとユカリさんは互いに見詰め合い会話をし始めた。


「で、でも!ゆいゆい!私達は戦闘員でもあるから抜けた場所を補填するには難しいよ?」


 そう、一番の問題はプレアさん本人が抜けるとその分補わないといけないがプレアさんは幻影守衛騎士団ファントム・ガーディアンズ一前線に立つ人間であり最強の格闘家、それを埋めるにはそれ相応の人材が居ないと成立しませんがウチにそれを務められるのは一人もいません。これをどうするのかで今後の作戦の難易度は格段に上がってもいいでしょう。


「分かってる、でもユカリちゃん。プレアちゃんは自分の意志で仕事を決めてるんだよ?戦士という職業は常に命のやり取りをするもの、死ぬかもしれないし未来への光が薄い世界にいるよりよっぽどマシだとお姉さんは思うな♪」


 近からず遠からずの発言にユカリさんは解せない表情をしている。何はどうであれ決定権はプレアさん本人にあります、ここからは自分との葛藤となるでしょう。私は特に発言することなく話を聞いているとプレアさんの方から声が掛かった。


「のあっちはどー思う?」


 そんなの知りませんと言ったら冷ややかな眼差しが返ってきそうなのですのでその場に沿った適当な言葉で対応することにした。


「プレアさんはどうしたいのですか?」


「ふえ?」


 予想外のコメントだったのかポカンと小首を傾げる。


「私はプレアさんのやりたいよう方に尊重します、私が口出しするのは違うので」


「え〜何その言葉、アタシに考えさせる気?」


 寧ろ考えて無かったのかとツッコミが出てきましたがプレアさんは本当に悩んでいるみたいですね。


「あ、アタシ、皆と一緒がいい、でも・・・沢山稼いで皆に美味しい物とか食べさせてあげたいし・・・」


 本音が言えないのか珍しくもじもじとしたプレアさんは周囲に顔を振る、何だか皆さんの意見を頼りにしたいと言っているような素振りで。


「プレアちゃん、これは貴女の問題よ。周りをキョロキョロしないでちゃんと考えなさい」


 そうしてるとユイさんから注意されるまでの時間が早かった、何だかプレアさんという女の子がどう言うのが苦手なのかはっきりしてきました。


「で、でも………アタシ……馬鹿だからちょとつもうしん??って奴だから……押してもらわないと突っ込めないっていうか」

 

 始め出会った時も今も変わらないの事、プレアさんは誰かの指示が無いと獅子奮迅の如く突っ込めないこと。ユイさんから聞いた話では元々は無邪気で周りを見ることが苦手だったプレアさんは【ラヌーチェ族】という人食い人間と狩りを行ってる時、プレアさんは狂喜乱舞に人を殺してる最中一人だけ騎士団レベルの人間に殺されかけ周りを見ると自分だけになって他の皆はプレアさんを自分達より強い相手に逃げて行ったことを知らず斬り刻まれた事が切っ掛けで無闇に突っ込むことをやらなくなったと。


 何故ユイさんがその情報を知ってるのかはぼやかされましたがその時負った傷と恐怖と一人ぼっちで心に深い傷を負ったらしい。


 それは族を抜け出してからもっと酷くなり一人でしか行動出来ないスタンスに発展しチームワーク皆無の女の子となってしまったらしい。それは今でも直っていないのが現状となります。


「アタシ、どうすればいいの?」


 足りない頭ではどうすることも出来ずユイさんもそれを分かってて口を出すことはしません。私もプレアさんが成長するチャンスだと思って期待しましたがその日は全く会話が弾むことなく一日が終わりました。

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