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再び戦いの地へ

 翌日、旅の準備をし終えたミツルギとネレスはチャーンズの部屋にいた。


「チャーンズさん。いろいろと教えてくれてありがとうございます」


「おかげで俺の親のことを知ることができました。そして、強くなることもできました」


「ミツルギ様、ネレス様。これから厳しい戦いの日々が続くと思います。怪我はすると思いますが、絶対に死なないでください」


 チャーンズは二人の手を握った後、力強い目をしてこう言った。


「そして、オルグ様とリマ様に代わって、この世界に平和を」


「はい」


「それでは行ってきます」


 ミツルギとネレスはそう言った後、テレラールの転送呪文で上の大陸に転送された。その時、チャーンズはあることを思い出した。


「マトマの言ってた傷のこと、言うの忘れてた……だが大丈夫か」




 ミツルギとネレスが転送された先は魔の穴の近くにある大陸だった。


「魔界の近くの大陸に転送されたみたいだね」


「で、どこで処刑されるんだ?」


「新聞だと中央大陸のベンスーラって国で開かれるみたい」


「よし、ベンスーラへ行こう!」


 ミツルギはそう言ったが、あることを考え足が止まった。


「ベンスーラってどこ? というか、ここどこ?」


「うーん……」


 どうやって移動すればいいか分からない中、一組のキャラバンがミツルギとネレスに近付いた。


「ん? 誰だ?」


「僕だよミツルギ!」


 馬車の中から出てきたのはイオだった。後ろにいたメアリーたちはミツルギとネレスの姿を見て、驚きの声を上げた。


「うええええええええええええええええええええええええ! ミツルギ! ネレス! 死んだんじゃなかったの?」


「運よく生きてたんだ」


「うわー、よかったー。イオ様、二人が死んだと思って泣いてたのよ」


「ちょっとよしてくれ、恥ずかしいよ」


 イオはシェリーにこう言った。その後、気を取り直したイオはミツルギに向かってこう言った。


「どんな状況で君たちが生きてたかは後で話を聞く。それよりも、今すぐベンスーラに行くかい?」


「ああ、頼むイオ!」


 ミツルギはそう言って頭を下げた。その後、ミツルギとネレスはイオの馬車に隠れてベンスーラに向かうことになった。馬車を使えば約一週間で到着することを知ったミツルギとネレスは安堵の息を吐いていた。それから、ミツルギとネレスはイオにこれまで起きたことを話した。


「ミツルギが魔王と勇者の子供だったとは……」


「俺も知った時は驚いたよ。まさか、ここで生まれたとは考えてもいなかった」


 ミツルギは樽の中に隠れてこう言った。途中セイントガーディアンや賞金稼ぎらしき姿が見えたため、彼らの目を隠すためである。


「それで、その後は兄さんたちを倒すために修行をしたと」


「ああ。でもいいのか? 俺たちを助けたりして」


「いいんだ。僕はもうあの家とは関係ない。ただの自由な旅人さ」


 と、イオは笑顔でこう言った。その笑顔を見て、ミツルギとネレスは何故かホッとした。




 ベンスーラ近くのセイントガーディアン事務所。そこにクアンタとスティーブがいた。


「おいおい、あれから三ヶ月も経ってるんだ、元気出せよスティーブ」


 クアンタは何故か元気がないスティーブに声をかけていた。スティーブが何で元気がないのかクアンタは理由を知っていた。倒す目標であるミツルギがいなくなったからである。


「ミツルギがいなくなったんだったら、別の相手を見つければいいじゃないか」


「それは分かってますが……どうしても奴を倒したかったという気持ちが強いのです」


「全く……」


 クアンタはそう言ってため息を吐いた。その時、遠くから何かを見て驚く声が聞こえた。


「ああああああああああああ! スティーブじゃない!」


 声の正体は少女だった。その少女はスティーブを見つけ、駆け足でやって来た。


「誰だ君は?」


「忘れたの? 同期のレノルよ! 銃と回復魔法を使ってたレノルよ!」


「銃と回復魔法……あああああああああ! レノルか。久しぶりだな」


 スティーブはレノルのことを思い出し、少し笑顔になった。クアンタはレノルの顔を見ながら、スティーブにこう聞いた。


「誰このかわいこちゃん?」


「私の同期です。セイントガーディアンになってからは一緒に活動してましたが、別の事務所へ異動になったのです」


「あの頃が懐かしいわねー。よく二人で悪い奴らぶっ飛ばしてたじゃない」


「そうだったな」


 スティーブはレノルにこう返事をしたが、スティーブの元気がないことを察したレノルはスティーブにこう言った。


「元気ないじゃない。どうかしたの?」


「いや……その……」


「どうせまたプライドを傷つけた奴が現れたとかそんな感じでしょ?」


「大当たり」


 レノルの言葉を聞いたクアンタは、拍手しながらこう言った。レノルは苦笑いでクアンタにこう言った。


「たまにそうなるんですよ。自分のプライドを傷つけた奴に逃げられたりすると、いっつも元気がないんです」


「で、どうやって元気付けてたか教えて」


 クアンタの言葉を聞いた後、レノルはにやりと笑って答えた。


「無理矢理おいしいものを食べさせるんです。というわけでスティーブ、何かおいしいの食べに行くよ!」


 レノルはそう言って無理矢理スティーブの手を握り、町の中へ向かって行った。クアンタは去って行くレノルとスティーブを見て、小さく呟いた。


「青春だねぇ」


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