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魔王と勇者の最期

 トープラーはオルグとリマよりも強い魔力を使って襲い掛かった。トープラーが発した強い水は一瞬にして凍り、剣より鋭い氷の刃となって襲い掛かってきた。


「うおっ!」


「うあっ!」


 鋭い氷の刃はオルグとリマを傷つけながら周囲に飛び散った。腕や足、体中に切り傷ができたオルグとリマに接近したトープラーは、素早い動きで剣を振るった。オルグは反撃をしようとしたのだが、先ほど受けた切り傷で力が入らないうえ、トープラーの力が強かったため押し返されてしまった。


「ガァァァァッ!」


「オルグ!」


 倒れたオルグが追撃を受けると察し、リマは光の剣を放ってトープラーに攻撃をした。トープラーは強い魔力を解き放ち、飛んで来た光の剣をかき消してしまった。


「そんな……私の光の剣が……」


「魔力が弱ければ、光でも闇でも私の敵ではない」


 トープラーはそう言った後、再び鋭い氷を周囲にはなった。今回の攻撃は、最初の攻撃よりも氷の量は多く、とても広い範囲で飛び散った。


「これで避けることはできない」


「クソッ!」


 オルグは闇のバリアを張って防御をしたが、トープラーの攻撃の威力が上のため、簡単にバリアを貫かれてしまった。リオも光のバリアを張っていたが、同じように貫かれてしまった。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


「わあああああああああああああああああああ!」


 鋭い氷はオルグとリマを襲い、その勢いで二人を吹き飛ばした。


「さぁ、止めと行こう」


 トープラーは傷ついた二人にトドメを刺すため、巨大な氷の刃を発した。オルグはすぐに立ち上がって剣から闇を放ち、氷を破壊しようとした。だが、氷は割れることはなかった。


「クソッ! なぜ破壊できない!」


「魔力をたっぷりと込めて作った強大で強力な氷だ! ちっぽけな魔力で壊れる物じゃない!」


 トープラーはそう言った後、オルグに向かって氷を落とした。


「オルグ!」


 リオはオルグを突き飛ばし、攻撃を喰らった。落下した氷は、リマの体を貫き、溶けて消えた。


「リマァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」


 血塗れになったリマを見て、オルグは叫んだ。だが、その直後、トープラーが二撃目にはなった氷がオルグを貫いた。


「グファッ!」


「隙ありだな。魔王と言えど、所詮は若造。安心しろ、今すぐ勇者の元へ送ってやる」


「クソ野郎が……」


 オルグは血を吐きながら剣の刃に闇を纏い、トープラーに向かって振り下ろした。トープラーは後ろに下がって攻撃をかわしたが、剣の刃に纏っていた闇が刃のような形となり、トープラーを切り裂いた。


「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」


「へへ……やっと……一発入ったか……」


 オルグはにやりと笑って血を流すトープラーにこう言った。傷を受けたトープラーは怒りのあまり体を震わせたが、このままじゃまずいと思ったのか何も言わず逃げてしまった。


「逃げ……たか……」


 血を流しながらオルグはこう言った。その時、戦いが終わったことを察したチャーンズがやって来て、目の前の惨状を見て驚いた。


「オルグ様! リマ様!」


「チャーンズ……か……」


 オルグは血を流しながらチャーンズに近付いた。心配するチャーンズを見ながら、オルグはゆっくりとこう言った。


「奴は……追い返した」


「喋らないでください。傷が開きます!」


「もういい……喋らなかろうがどうしようが……俺は死ぬ。リマも……さっき……奴に殺された」


「そんなことを言わないでください!」


「いずれ……奴はまた来るだろう……チャーンズ……皆に伝えてくれ……皆を守るため……この地を……下へ……沈める。この魔力を使って!」


 オルグはそう言うと、魔力を開放した。それと同時に、魔界の大陸が大きく揺れた。地震かと思った住民は外に出て、目の前の惨状を目の当たりにした。


「この地を守るため、この大陸を下へ沈める。奴らが……攻められないように……」


 オルグは血を吐きながら、民にこう言った。この瞬間、魔界の民は察した。オルグが自身の魔力と生命力を犠牲にし、魔界を守るために大陸を沈めていると。


 数分後、揺れは完全に収まった。周りは滝となっているが、かなり高い高さとなっているため、攻め込むのは難しくなった。これで自由は無くなってしまったが、魔界は守られた。しかし、その犠牲は大きすぎた。


「オルグ様……オルグ様?」


 チャーンズは目を閉じ、何も動かなくなったオルグを見て何度も呼び掛けた。だが、オルグは返事もせず、動くこともしなかった。オルグが死んだ。リマも死んだ。このことを知った魔界の住人は、深い悲しみに襲われた。




「……これが過去に起きた出来事です」


 チャーンズから話を聞いたミツルギは、目をつぶった。ネレスが心配そうに近付いたが、ミツルギは目を開けてネレスの方を向き、こう言った。


「どうした?」


「ミツルギ、体調とか大丈夫?」


「ああ。いろいろと話を聞いたから、頭の中でまとめてたんだ」


 ネレスにこう答えた後、ミツルギはチャーンズにこう言った。


「チャーンズさん。父さんと母さんの墓はどこにあるんですか?」


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