一方的な因縁の戦い
「おわっと!」
ミツルギはスティーブが放った電撃をかわしながらスティーブとの距離を広げていた。これで三度目のスティーブとの戦いだが、ミツルギはしつこいという理由でスティーブと戦いたくはなかった。だが、こうして出会った以上戦うしかない。
「待てミツルギ! 真剣に戦え!」
「うるせーよ! 全く、俺のストーカーかよ」
どうしたら一発で倒せる? そう思いながらミツルギは闇の魔力を開放した。そしてミツルギが接近してくるのを待ち、タイミングを見計らって闇の魔力で作った弾丸を撃った。
「そんな攻撃が効くか!」
スティーブは魔力を開放し、飛んで来た闇の弾丸を床に叩き落とした。攻撃が無効化されたことを自身の目で確認したミツルギは、ため息を吐いた。
「仕方ねーな……しつこい奴はあまり好きじゃないが……本気でやってやる!」
ミツルギはそう言って魔力を開放した。スティーブが強い魔力を感じ取った直後、ミツルギの髪の色は銀色となった。
「本気で戦うつもりになったか」
「本当はそんな気はないんだけどな!」
スティーブにそう言った後、ミツルギは高く飛び上がってスティーブに殴りかかった。ミツルギの右の拳はスティーブの頬に命中し、そのままスティーブを後ろへ吹き飛ばした。
「ガハァッ!」
「まず一発」
吹き飛んだスティーブを見た後、ミツルギは一呼吸置いた。この一撃でスティーブが倒れたとは思ってもいなかった。それから少しし、瓦礫の中からスティーブが這い上がってきた。
「やるように……なったな……」
「そういうお前もタフになったじゃねーか」
ミツルギは構えをとった直後、スティーブが勢いよく飛び上がってミツルギに斬りかかった。迫ってくる剣を見て、ミツルギは左の拳でスティーブの剣を殴って刃を折った。
「これで何回目だっけ? 確か三回目だろ。そろそろ俺の対策とか練った方がいいんじゃねーの?」
「お前からそんな言葉を聞くとはな。大丈夫だ。いつお前と戦うようになってもいいように準備はしてある!」
スティーブはそう言うと、マントから替えの剣を手にした。マントの裏には、似たような剣が何本もあった。それを見たミツルギはにやりと笑った。
「へぇ。準備いいじゃねーか」
「さぁ行くぞ!」
スティーブは剣を構えなおし、再びミツルギに斬りかかった。ミツルギはスティーブの動きを見て攻撃をかわし、隙を見てスティーブの腹に拳を沈めた。スティーブは嗚咽した後、後ろに下がった。後ろに下がったスティーブの動きを見て、ミツルギはすかさず蹴りを入れた。
「ガハァッ!」
「これで分かったか? もう俺に付きまとうなよ」
うずくまるスティーブに対し、ミツルギはこう言ってトープラーの元へ行こうとした。だが、スティーブは水の魔力を発し、床を凍らせてミツルギの動きを封じた。
「あがっ!」
「逃さん……まだ戦いは終わってない!」
スティーブは再び魔力を開放し、受けたダメージを一瞬で回復させた。そして、転倒したミツルギに接近した。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「うおっ、マジか!」
ミツルギは迫ってくる剣を何とかかわしたが、二撃目がすぐに迫った。二撃目の攻撃でミツルギは傷を受けてしまった。
「グッ!」
傷を受けた個所は左肩。傷は深くはなかったが、動かそうとするたびに血が流れ、痛みが走る。ミツルギは左肩を抑えながら後ろに下がり、治療をしようとした。
「あ、うっ……ネレスみたいにうまく治せねーな……」
「隙あり!」
スティーブはミツルギに接近し、何度も剣を振り回した。ただがむしゃらに剣を振るってるのではなく、確実にミツルギに命中するように剣を振るっている。ミツルギは腕に魔力を溜めて防御していたが、徐々に押されて行った。
「ツッ……」
「これで終わりだ!」
スティーブはミツルギに向けてとどめの一撃を放とうとした。だが、ミツルギは魔力を開放して右手を突き出した。
「悪いけど……ここで終わるわけにはいかねーんだよ!」
そう言った後、ミツルギは右手に闇の剣を作り出した。そして、スティーブに斬り付けた。
「剣……だと……」
「勝つためには何でもしないとな!」
言葉を返した後、ミツルギはスティーブを蹴り飛ばし、後ろに転倒させた。
「しまった!」
転倒したスティーブはすぐに起き上がろうとしたが、その前にミツルギが立っていた。
「あ……」
「悪いけどもう勘弁してくれ。これで……三回目だっけ? これで勝てないんならずっと俺には敵わねーよ」
ミツルギの言葉を聞き、スティーブはミツルギを睨んだ。
「まだだ、まだ私は負けを認めてない!」
「認めてなくても、お前は負けだよ」
と、ミツルギの後ろからクアンタが現れた。その姿を見て、ミツルギとスティーブは驚いていた。
その頃、ミツルギと合流しようとしていたネレスは、突如現れたクアンタを見て動きを止めていた。隙あればミツルギと合流してスティーブを倒そうとしていたが、援軍のクアンタが来ていたことは知らなかったのだ。
「まずい……どうしよう……」
ネレスは不安げに、クアンタの方を見ていた。




