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ゲルグッグに集まる者

「全く、あの連中が来るからってセイントガーディアン隊員ほぼ全員集結させなくてもよくねーか?」


 と、クアンタはバスの中で呟いた。隣に座っているスティーブは静かにした方がいいと小声で伝えた。今、セイントガーディアンの主力隊員のほとんどがゲルグッグに移動するように言われているのだ。理由は一つ、ビガシャープ家を守るため。クアンタは乗り気ではなかったが、スティーブはゲルグッグにミツルギが来ることを察し、同行したのだ。


「ゲルグッグで奴を倒す。絶対に!」


 スティーブは打倒ミツルギを力強く決心し、拳を握った。




 銀色の竜の飛行船はゲルグッグから離れた所を飛んでいた。バーラードの部下が脱獄した話を聞いていたが、その事件を対処するよりも近くに来るだろうビガシャープ家を倒すことを優先したのだ。


「さて、そろそろ奴らが来る頃かな?」


 ドレアンは望遠鏡を使って下を覗き、ゲルグッグ周辺の様子を見た。カリューはドレアンに近付き、こう言った。


「奴らが町に到着する前にドンパチ始めないでくださいね」


「分かってる。今の戦力じゃ確実に奴らにやられる。現地にいる隠れ銀色の竜とその仲間と合流し、ドンパチする。だろ?」


「ええ。よかった、覚えていてくれて……」


 カリューは安堵の息を吐いてこう言ったが、ドレアンは少しムッとして言葉を返した。


「その位俺だって理解できらぁ」


 それからドレアンはいろんなことを言ったがカリューはそれを無視し、難しい表情で考え事を始めた。たとえ隠れ銀色の竜と合流して戦っても戦力の差は変わらないだろうとカリューは思っている。そんな中で、ミツルギとネレスが来てくれればいいなと思った。




 バーラードは一人で小型飛行船を操作し、北の大陸の牢獄へ向かった。連絡を受けたバーラードはすぐにオデッサとボブザードを迎えに行くと返事をしたからだ。


「うっひゃー、季節外れの雪か……」


 モニターに映る雪を見て、バーラードはぽつりと呟いた。しばらく移動してると、要塞らしき建物の屋上に、二人の人影が見えた。あれがオデッサとボブザードだと察したバーラードはすぐに屋上へ移動し、二人の近くへ飛行船を着地させた。


「手間をかけてすみません、バーラード様」


「気にするな。たまには気分転換しがてら乗り物を動かしたかったところだ。寒いだろ、早く乗れ」


 二人を飛行船に乗せた後、バーラードは再び飛行船を動かした。バーラードは操作しながら、後ろに座るオデッサとボブザードにこう言った。


「ポットの中に沸かした湯がある。近くにインスタントのコーヒーとココアがあるから、好きな方を飲め」


「すみません」


「いただきます」


 二人は凍えた体を癒すため、コーヒーやココアを飲み始めた。リラックスした後、オデッサがバーラードにこう聞いた。


「今からどこへ行くんですか?」


「ゲルグッグだ。あそこの兵器工場へ視察するんだが、親父と兄貴とゴランに先に行かした」


「バーラード様は俺たちを迎えに……」


「そうだ。後で合流する」


「お手間をかけてすみません……」


「気にすんな」


 バーラードはそう言って再び操作に集中した。そんな中、あることを察したボブザードがバーラードにこう尋ねた。


「あの、ベッグ様とイオ様は?」


「ベッグは相変わらず部屋の中で引きこもってる。イオは家出した」


 イオの家出を聞き、二人は驚きのあまり声を出した。


「ええええええええええええええ! 家出した?」


「まぁするだろうとは思ってた。あいつ、支配とか興味なさそうだったし」


「いいんですか? 連れ戻さなくても」


「大丈夫だよ。メイドの三人も付いて行ったし」


「はぁ……」


 イオの家出を聞いてオデッサとボブザードは不安だったが、そんな風に見えないバーラードを見て大丈夫だろうと気持ちを改めた。




 ミツルギとネレスはゲルグッグの近くに到着した。だが、トニーカワの町やジャーケムの村と同じように入口には兵士や現地のセイントガーディアンが見張りで立っていた。


「やっぱりそうなるか」


「今回はビガシャープ家が来るから、取り調べが厳しいよ」


「だな。うーむ、どうやって入ろうか……」


 ジャーケムの村では手助けが、トニーカワの町では無理矢理中に入ったが、今回ばかりはそうもいかない。下手に騒動を起こすと事件になり、ビガシャープ家がゲルグッグに来る予定は無くなる。ここで決着をつけるためにも確実に予定通りにビガシャープ家をゲルグッグへ向かわせなければならないのだ。どうしようと二人が思っていると、マントを羽織った三人の人物が近付いてきた。


「よろしいですか?」


「誰だお前ら?」


 突如話しかけてきた三人を睨み、ミツルギは少し魔力を開放した。三人は急いでミツルギに魔力を抑えるように伝え、顔を見せた。


「我々は隠れ銀色の竜。ドレアン様の協力者である二人の味方です」


「隠れ銀色の竜?」


「はい。銀色の竜はドレアン様だけではありません。こうやって各地にスパイとして身を隠し、行動しています」


「隠し通路があります。そこからゲルグッグへ侵入できます」


「兵士たちにばれないよう、急いで」


「はい。ありがとうございます」


 その後、二人は隠れ銀色の竜と共に隠し通路へ向かった。


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