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脱獄事件発生

 銀色の竜の飛行船はゲルグッグへ向かって飛んでいる。ドレアンは槍の手入れを行っていた。そんな中、カリューが近付いて話をしてきた。


「いよいよですね」


「ああ。奴らとの因縁を終わらせ、この国を取り戻す」


 ドレアンは手入れの手を止め、カリューの方を見て言葉を返した。


「長かったな。あれからいろいろあった」


「ええ……本当にそうですね」


 カリューは会話中、あることを思い出しドレアンにこう言った。


「ミツルギとネレスと合流します? あの二人なら、協力してくれると思いますが」


「いや、あの二人も話を聞きつけてゲルグッグの方へ向かってるだろ。それよりも、ゲルグッグ周辺にいる俺たちの仲間に連絡してくれ、ミツルギとネレスを見つけたら助けになってくれって」


「私たちの仲間なら、言わなくても分かると思いますが」


「一応念のためにな」


 話をしていると、ドレアンの机の上にあった電話が鳴り響いた。ドレアンは立ち上がり、受話器を手に取った。


「どうした? ああ。 ああ……はぁ? バーラードの部下が脱獄した?」


 カリューはその話を聞き、目を丸くして驚いた。




 北の大陸には一年中雪が降り続ける地域がある。天候上の関係でそうなっているため、近くに住んでいる人は滅多に近付かない。その地域には村や町は存在しない。あるのは大きな牢獄だけである。ミツルギたちによって倒されたバーラードの部下オデッサ、ボブザードはドレアンの仲間によってここへ運ばれたのだ。だが、二人は力を合わせて脱獄したのである。


「ブエックショイ!」


「騒がしいぞボブザード。手で押さえてくしゃみをしろ」


「ああ……すまない」


 ボブザードは鼻水を拭いた後、オデッサと共に周囲を見回した。


「さて、俺たちの武器は……」


「処分されたんだろ。きっとねーよ」


「あの武器使いやすかったのにな……」


 ボブザードの話を聞いたオデッサは、ぽつりとこう言った。その時、見回り兵が現れ、二人に向かって銃を乱射した。オデッサはバリアを発し、弾丸を防いだ。


「クッ、バリアで防いだか」


「どこにそんな魔力が?」


「とりあえず黙ってろ、兵士さんよ!」


 オデッサはバリアを兵士の方へ蹴り飛ばした。兵士はバリアに命中し、そのまま倒れた。ボブザードは戦いが終わったことを確認し、オデッサにこう言った。


「武器が無い今、あまり魔力を使うのは得策ではない」


「しゃーねーじゃん。あれは戦うしかなかった」


「そんなことより早く連絡できるところへ行こうぜ。バーラード様に助けを求めよう」


「お前の言うとおりだな。こういう場所には連絡できる場所がある。そこへ行けば助けを呼べる。急いでいこう」


 会話後、二人は連絡できる場所を求めて牢獄中を走り回った。二人の姿を見た囚人は助けを求めたが、二人は囚人の声を無視し、先へ進んだ。しばらく走っていると、牢屋の中で黙々と腕立てをしているモリトゥスの姿があった。オデッサはモリトゥスの牢屋の前へ近付き、声をかけた。


「おいモリトゥスの旦那。俺たち今からここから逃げるけど、あんたもどうだ?」


「止めておく。今の状態で強敵と戦っても負けるだけだ。その日が来るまで私はここにいる」


「あっそ」


 モリトゥスの返事を聞いたオデッサは、ボブザードに先に行こうと告げた。


 数分後、二人は通信部屋らしき部屋の前に到着した。オデッサがドアノブを掴もうとしたが、ボブザードが止めた。


「人の気配がする。俺が扉を開けるから、それに合わせてお前らは中にいる奴に向かって魔力をぶっ放せ」


「了解」


 オデッサは静かにドアノブを掴み、ボブザードの顔を見た。ボブザードは頷いて準備ができたと返事をし、合図を送った。その合図を見たオデッサは一気に力を込めて扉を開いた。


「何だ?」


「誰だお前ら!」


 中にいた警備員は二人を見て驚いたが、二人はすぐに魔力を放ったため、すぐに気を失った。


「よし、計画通り」


 オデッサは警備員を蹴り飛ばし、通信機具の方へ向かった。


「えーっと、このボタンがダイヤルだから、ここをこうして押せば……うし、後は城の通信機具とつなぐだけと」


 通信機具のボタンやレバーを操作するオデッサを見て、ボブザードはこう言った。


「俺だけだったらまずかった。通信機具の使い方なんて知らねーしな」


 そんな中、オデッサが歓喜の声を上げた。その声を聞き、ボブザードは助けが来ると察知した。


「さて、ヘリが来るまでここで待機してようぜ。ゲインはすでにバーラード様と合流したようだ」


「そうか、そうだな。寒い所で待ってたら凍え死ぬ」


「その案に賛成」


 ボブザードは警備員の椅子に座り、ポットの中にあったホットコーヒーを飲み始めた。すると、机の上にあったノートの表紙を見て、目を丸くした。


「おいオデッサ、これって」


 オデッサはボブザードが手にしているノートを見て、一瞬驚いたが次ににやりと笑った。


「そうか……もしやと思っていたが、銀色の竜の正体ってのは……」


「ああ? あいつらがどうした?」


 何も理解していないボブザードはクッキーを食べながらこう聞いた。オデッサはニヒルっぽく息を吐き、ボブザードにこう言った。


「いずれ分かる時が来るさ」


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