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オマリー兄弟の調べもの

 ミツルギとネレスがヒドウの館を攻撃し、トニーカワの町を開放して翌日が経過した。戦いが終わった後、二人は町の人に出迎えられ、怪我の治療や戦いの疲れを癒すため、すぐに宿屋へ運ばれたのだ。


「ふぁ~あ……よく寝たな……」


 ミツルギは欠伸をしながら起き上がった。だが、ゲドウとの戦いで左手が怪我をしてしまい、包帯で巻かれているため、上手く起き上がることはできなかった。


「片手だと不便だな」


「大丈夫? ミツルギ」


 横にいたネレスが手を貸し、ミツルギを起き上がらせた。


「ああ、ありがとなネレス」


「うん」


 ネレスの返事を聞き、ミツルギは少しほっとしていた。ヒドウとの戦いで女として選ばれなかったせいかどうかミツルギは理解していないのだが、あれからネレスは少し機嫌が悪かったのだ。だが、今はいつものネレスになっている。気が晴れたんだろう。そう思いながらミツルギはネレスにこう聞いた。


「なぁ、この町のビガシャープ家関係者とセイントガーディアンの連中はどこ行ったんだ?」


「私たちに敵わないから逃げたって」


「そうか……」


 そう返事をし、ミツルギは包帯まみれの左手を見た。このまま旅立ってもこの状況では戦えない。そう思い、ネレスにこう聞いた。


「なぁ、少しここで休んでくか? この手じゃ戦えないし」


 ネレスはミツルギの左手を見ながら、少し考えた後こう答えた。


「そうだね。この町の人たちも休んでいってほしいって言ってるし。言葉に甘えよう」


「だな」


 その後、二人はこの会話で出た答えを宿の主人に伝えに行った。




 場所が変わってミツルギとネレスが今いるトニーカワの町からかなり離れたフォーツークという町。ここは他の町や村と違ってビガシャープ家の支配下に置かれていないためか、それなりに平和だった。今この町に、ロッソとヴェルデのオマリー兄弟が立ち寄っていた。


「なぁ兄貴。この町に何のようだ?」


「図書館だよ。闇の魔法に関しての知識が少しでもほしい」


 と、ロッソは後ろを歩くヴェルデにこう言った。少し前、ロッソはミツルギと戦い闇の魔法の強さと恐ろしさを目の当たりにし、今のままでは勝てないと判断した。だが、いくら力を付けても破壊力が高い闇の魔法相手では意味がないと思い、対処法を探しに各地の図書館を調べようと考えたのだ。


 オマリー兄弟は図書館へ行き、古代の魔法に関しての資料を集めた。


「兄貴ー、ここにも古の魔法に関しての本があったよー」


「全部持ってこい。読むのは俺がする」


 と言って、ロッソは片っ端から昔の魔法についての知識本を読み、闇の魔法の事を調べた。数時間後、横の椅子で眠っているヴェルデを叩き起こし、ロッソは調べた結果を伝えた。


「面白いことが分かったぜヴェルデ」


「ふぁぁぁ……何が分かったんだ?」


「闇の魔法に関してだよ」


 その後、ロッソは簡易にまとめた闇の魔法のことについて語り始めた。


「まず闇の魔法を使えるのは魔界に住む魔族だけだ」


「魔族? ああ、魔界とかいう昔あったおっかない所だろ? 今は確かどこかに奥深く封印されたっていうけど。確かミツルギって子、見た感じは普通の人間だよ」


「魔族もそうだよ。ただ、俺ら普通の人間と違うところは、一部の奴は魔力を使うと銀髪になるってところだ」


 ロッソの言葉を聞き、ヴェルデはミツルギが魔力を開放すると髪の色が銀色になることを思い出した。


「そうだ、じゃあミツルギは魔族ってことか?」


「だが、魔族のもう一つの特徴として、悪魔のような角や尻尾が生えている。両方ともある奴や、片方のどちらかしかないって奴もいるらしいが」


「うーん……ミツルギはどっちもないなー」


「まぁそこはいずれ分かるってことで置いといて。今重要なのはどうやって闇の魔法に対処するかだ」


 ロッソは一枚の手書きの紙を渡し、説明を再開した。


「闇に抵抗できるのは一部の奴しか使えない光の魔法だけ。まぁ俺たちはそんな魔力持ってないから別の手段で対抗する」


「どうするんだ?」


「闇の魔法はかなり魔力を消耗する。飯食った時に吸収されるカロリーが魔力の源だが、闇の魔力はそのカロリーを滅茶苦茶使うとは別に、かなり体力を消耗するからあまり乱発はできない」


「じゃあ、疲れた時を狙って叩くのか?」


「そこしかない。もし、次に戦う時は闇の魔法をかわしつつ、奴が弱ったらそこを叩く。それしかない」


「ふーん。で、いつ戦うのさ?」


 ヴェルデの質問を聞き、ロッソはあごをかきながら答えた。


「いつかだな。まぁ、今頃あの二人はこの町から遠く離れたトニーカワの町にいるみたいだし。ま、気を楽にして行くしかないな」


「兄貴は少し考えが雑だよ。もし、オイラたちが倒せなかったらどうするのさ?」


「お前は心配性だな。あんまり最悪な展開になることを考えると動けなくなるぞ。少しは気を楽にしろ。俺みたいにな」


 ロッソはそう言って立ち上がり、腹の音を鳴らした腹を抑えてヴェルデにこう言った。


「さ、頭を使ったせいで腹が減った。今日はこの町で泊まって上手い飯食って、明日には出発だ」


「分かったよ兄貴。でも、この町に来るのに少しお金を使ったことを忘れないでくれよ」


 ヴェルデは立ち上がり、先に歩いていくロッソにこう言った。


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