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ミツルギの新たなる技

 ゲドウは強い。そう思ったミツルギはどうやって戦おうか考えていた。まず、相手が剣を持っている以上接近戦を仕掛けるのは難しい。パンチやキックをしようとしても、ゲドウの剣の方がリーチは長い。なら先ほどのように剣を破壊するか? そう考えたミツルギだが、ゲドウの腰辺りには二本の剣が携えられていた。予備の剣があると知ったミツルギは壊しても無駄だと判断した。剣を壊すために闇を使うのも、魔力の無駄だと思ったからだ。


「考えているのか? だが、その時間はやらんぞ」


 ゲドウはそう言ってミツルギに接近した。ミツルギは慌てて剣をかわし、後ろに下がった。反撃を加えたいのだが、ゲドウの動きを見て反撃に対しての構えができているとミツルギは察したのだ。


「クッ! 仕方ねー!」


 ミツルギは小さな闇の玉を発し、ゲドウに向けて放った。だが、ゲドウは飛んで来る闇の玉をかわし、ミツルギに向かって走って行った。


「当たらなければ意味がないぞ!」


「クッソ!」


 剣での攻撃が来る。そう察したミツルギは近付けさせまいと何発も小さな闇を乱射したが、ゲドウは全てかわしてしまった。


「嘘だろ!」


「拳銃の弾丸と同じよ。相手の指先で撃つ方向が分かる!」


 ゲドウはそう言ってミツルギに向かって剣を振り下ろした。防御しようと闇を発したが間に合わず、ミツルギの左の手の平に大きな切り傷ができてしまった。


「グッ……」


 左手から伝わる鋭い痛み、そして血が流れるせいで手の平が熱く感じる。それでもゲドウはミツルギに襲い掛かってきた。


「ようやく一閃入ったところだが、始末しなければ意味がないのでな」


「あまり調子に乗るなよ発情野郎!」


 ミツルギは右足で接近してきたゲドウの顔面を強く蹴り、そのまま蹴り飛ばした。予想外の攻撃を受け、後ろに吹き飛んだゲドウは痛みをこらえながら立ち上がった。


「ふぅ……それなりにやるようだな」


 そう呟いた瞬間、ミツルギが放った巨大な闇がゲドウを再び襲った。闇を喰らい、ゲドウは後ろの壁を貫きながら遠くへ吹き飛んだ。


「グハァッ!」


 吹き飛んだゲドウは、回復魔法を使って回復しながら立ち上がった。壁を貫く際にできた切り傷は治すことができたが、闇を喰らった際に折れたあばら骨は治らなかった。


「何本か折れたな……ウッ!」


 ゲドウは痛みをこらえ、目の前から迫ってくるミツルギを睨んだ。先ほどの技と同じ構えをしているため、あの攻撃が来るとゲドウは察した。


「同じ技が通用すると思ってるのか?」


「黙ってろよ!」


 ミツルギはそう言葉を返すと、先ほどと同じように巨大な闇を発した。ゲドウは己に向かって飛んで来る闇を見て、避けるタイミングを計った。攻撃を喰らった時、ゲドウはあることを察した。それは、闇は何かにぶつかると消滅すること。このまま避けると、闇が壁か天井に命中したら消える。その時にミツルギに一閃加えようとゲドウは考えたのだ。


 さぁ来い、かわしてやるとゲドウは心の中で叫び、迫ってくる闇を睨んだ。そして、ゲドウは左手側に避け、闇を回避した。さぁ攻撃の準備だと思ったゲドウだったが、ミツルギの表情は変わっていなかった。そして、焦る様子も見せなかった。


「何だと……攻撃を回避したのに……」


 ミツルギの様子を見て驚いたゲドウは不思議に思った。その直後、後ろから闇が迫る音がした。もしやと思い、ゲドウは後ろを振り向いた。先ほどかわした闇がヨーヨーのように回転しながらゲドウに向かって飛んで来ていたのだ。


「何だと!」


 予想外の行動により、ゲドウは何も考えることはできなかった。戻ってきた闇はゲドウに命中し、ミツルギの方に戻って行った。ミツルギはにやりと笑っていて、魔力を開放した。その瞬間、ミツルギの髪の色が銀髪になり、更に強い魔力を感じた。


「まさか……この一発の為に……」


「あんたに言っておくぜ、とっておきはいざという時に取っておくもんだぜ!」


 ミツルギの右手に闇で出来た巨大な拳が現れた。ミツルギはその拳を大きく振るい、ゲドウに向かって放った。


「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」


 後ろと前から強烈な闇の攻撃。それを喰らったゲドウは大きな悲鳴を上げながら天井に向かって吹き飛んだ。勢いが強いためか、吹き飛んだゲドウは天井を貫き、そのまま外へ飛び上がってしまった。


「ヤベッ、やりすぎた」


 ミツルギは外へ飛んでったゲドウに向かって高くジャンプし、気を失ったゲドウを空中で受け止め、屋上に降り立った。




 トニーカワの町の人たちは突如飛び上がったゲドウを見て驚いていた。誰かがあの館で戦っている。そう思いながら不安そうに眺めていた。だが、月夜に照らされるミツルギを見て町の人たちは全てを察した。


「ミツルギだ! 俺たちを開放するためにあのクソ野郎と戦ってくれたのか!」


「まさかこの町に来てたなんてねぇ」


「後で感謝しないとな!」


 騒ぎ始めた町の人を見て、兵士やセイントガーディアンは収まるように叫んだ。だが、ミツルギの姿を見て、武器を捨ててこう言った。


「ミツルギが来てたなんて……」


「俺たちじゃ勝てないよ!」


「逃げるんだ!」


 その後、戦意を失った兵士とセイントガーディアンはトニーカワの町から出て行った。


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